カサゴは別名「ガシラ」「アラカブ」とも呼ばれる根魚です。
回遊性の低い魚のため、岸釣りでは釣りきられて魚影が薄くなってしまっているポイントもしばしば。
船釣りでは、開拓されていない沖の幅広い根回りポイントを狙えるため、釣り初心者でも簡単に数釣りも可能です。
今回は船から狙うカサゴ釣りの釣り方・タックル・仕掛けの観点から解説します。
船釣りで狙うカサゴ釣りのシーズンについて
岸壁脇は捨て石がありカサゴの好ポイント
カサゴは周年狙える釣り物です。
専門に狙う釣り船もありますが、浅場で狙える夏から秋まで乗合船がでることが多いと言えます。
冬から春のカサゴ船は水深20~30m程度のやや深場の根周りを流すことが多く、夏場は水深5~10m程度を狙うのが一般的です。
とくに高水温期はカサゴの活性も高く、アタリも多いので初心者にとってはオススメのシーズン。
引き味も浅場狙いのほうが強く、深場狙いではハリがかりしたあと「ほとんど引かない」で終わってしまいます。
※出船時期については、仕立て船・地域ごとの取り決めによっても異なります。
夜カサゴ船について
初夏から夏場にかけてカサゴやメバルを狙う船が夜間に出船します。
18時頃から3、4時間程度の釣行なのですが、カサゴやメバルは夜行性のため餌の食いが特によく楽しめます。
夜間のカサゴは底上を離れて上のタナまで餌を追ってくるほどアグレッシブ。
短時間で釣果を上げたい場合は季節限定の夜カサゴ船も検討してみるとよいでしょう。
船釣りで狙えるカサゴの種類について
船釣りでは水深によって変わってきますが、4種類のカサゴがよく見られます。
カサゴ
浅場のカサゴ釣りでのメインターゲットがカサゴ。
「本カサゴ」とも呼ばれ、浅場で釣れる個体はやや黒く、深場で釣れる個体は赤い色合いであることが一般的です。
最大で30cm程度まで成長します。
一般に船釣りで「カサゴ釣り」と言えば、本種を指します。
オニカサゴ(イズカサゴ・フサカサゴ)
イズカサゴ
やや水深が深いエリアで混ざってくるのが、オニカサゴです。
釣りの世界での「オニカサゴ」という名前は、イズカサゴやフサカサゴなどの毒棘を持つ種類の通称で、実は「オニカサゴ」という標準和名を持つ魚は別にいます。
標準和名「オニカサゴ」
イズカサゴは最大50cm程度に成長し、フサカサゴは30㎝程度が最大です。
フサカサゴ(毒棘をカットしたもの)
オニカサゴと呼ばれる仲間は棘に毒あるため、素手でつかまないようにしましょう。
持ち帰る場合はハサミで棘をすべて切り落としてからクーラーボックスなどに入れます。
もし手指などを刺された場合は、まず毒を吸い出しましょう。
船によってはお湯を積んでいることもあるので、船長に申し出てお湯をかけるとたんぱく毒が不活性になり痛みが和らぎます。
ウッカリカサゴ
ウッカリカサゴはカサゴによく似ていますが、別の種類で、カンコとも呼ばれます。
アマダイ釣りやオニカサゴ釣りのゲストとして知られ、80m以深に多いのですが、それより浅いところにも生息しています。
カサゴと比べて体表の赤身が強く、虫食い紋がはっきりしているのが特徴。
大型になり、身肉も多いので鍋の具材として人気です。
アヤメカサゴ
アマダイ釣りでヒットしたアヤメカサゴ
アヤメカサゴは深場に生息するカサゴの仲間で、最大で25㎝ほどに成長します。
アマダイやオニカサゴ釣りのゲストでよく釣れます。
船のカサゴ釣りは初心者にもオススメ
釣り船で狙うカサゴのポイントは湾内の近場がほとんど。
移動時間も比較的すくないため、船釣りはじめてな人ににもオススメです。
<釣り初心者にオススメのポイント>
- 釣り場が近い
- 狙うタナが底上なので狙いやすい
- 複雑なアクションが不要
- 道具や錘が軽量なので疲れにくい
- コマセを使わないので手指や服が汚れにくい
- サバやコノシロなどの身餌が中心のため、イソメなどが苦手な人も安心して釣れる
- むこうアワセの釣りなので勝手に釣れる
上記のポイントから、カサゴ釣りであれば船釣り初心者でも比較的簡単に釣果を上げることができるでしょう。
<カサゴ釣りのネガティブポイント>
- 岩礁帯や岸壁周りの捨て石エリアでは根がかりが頻発する
船カサゴに適した釣り竿
カサゴ専用の船竿は販売されていません。
適した竿は、8:2、7:3などの先調子のライトゲームロッドです。
やりとりに繊細さが求められるわけではないので、それほど感度が高い竿でなくても十分です。
穂先は柔らかめのほうが食い込みはよく、根がかりにも軽度なうちに気付きやすいといえます。
メバル釣りに利用される胴調子竿は以下の点からあまり適してはいません。
- 餌の食い込みはよいが、そのまま根に潜られる可能性がある
- オモリの着底とアタリを判断しづらい
- 底の起伏が分かりにくい
- 根がかりをした際に回収しにくい(根がかりしそうなときに回避しにくい)
メバル釣りとのリレー船で、メバル専用竿を利用する場合もあると思います。
そういったケースでは、カサゴ用に8:2や7:3調子の汎用LTロッドを持参しておくとよいでしょう。
<カサゴ釣りにつかえる船竿例>
▼船竿の基本知識はこちら
船カサゴに適したリール
カサゴ釣りにおいてあまりリールは重要ではありません。
どんなリールでも釣果を上げやすい釣りです。
あえているなら、ハイギアのほうが手返しが上がり、カサゴが根に入る前に回収しやすいと言えます。
PE1.5号か2号が最低100m巻かれていれば十分です。
▼船リールの基本知識はこちら
船カサゴに適したラインとリーダー
船カサゴはなにかと道糸が傷みやすい釣り
船からカサゴを狙う場合、護岸の捨て石エリアなど根が濃いエリアをPEラインの道糸で狙うことになります。
根によっては、高低差が2m以上あり、仕掛けが穴に落ち、船が移動するタイミングでPEライン部分が擦れることになります。
そのため、おすすめのPEラインは比較的擦れに強い4本編の2号もしくは1.5号です。
先糸にフロロカーボン5号か4号をつけるとさらに安心です。
カサゴの船釣り仕掛け
胴付き2本針が基本。オモリは20~25号
市販の船カサゴ仕掛けの場合
船カサゴの仕掛けは根がかりをさけるために、枝針2本の胴付き仕掛けを使うのが一般的です。
錘は20~25号で指定号数を十分用意しておきましょう。
岸壁の捨て石周りを狙う場合、根がかりによるロストも増えがちです。
ハリス(枝ス)は2号が多いですが、根の荒い場所や大物狙いでは3号程度がよいでしょう。
メバルと違ってカサゴの場合はハリスが太くても十分釣れます。
仕掛けを自作する場合、枝スが長いと仕掛けが絡みやすくなるため、30㎝以内にとどめましょう。
基本的に下側の針に食ってくるのですが、下針はオモリから10㎝以内に設定するとよいでしょう。
針の形状は丸セイゴやムツ針があります。
針がかりや餌のつけやすさは丸セイゴが優れ、根がかり対策や針が飲まれるのを防止するためには、ムツ針がオススメです。
アピール力UPのために、フラッシャーや夜光ビーズなどがついている仕掛けもあります。
が、実際の食いにはほとんど影響がありません。
船カサゴ仕掛け自作や工夫について
幹糸の全長は1mで、サルカン部分を調整します。
仕掛けを自作する場合、枝スが長いと仕掛けが絡みやすくなり、根がかりも増えます。
30㎝以内にとどめましょう。短くても食いは変りません。
基本的に下側の針に食ってくるのですが、下針はオモリから10㎝以内に設定するとよいでしょう。
<一般的な船カサゴ仕掛け>
- 幹糸3~4号(やや太目の方が絡みづらい)
- 枝ス2~3号20~30㎝(太めでも食いは落ちない)
- 道糸側からスナップサルカン→幹糸35㎝→親子サルカンor三又サルカン→幹糸50㎝→親子サルカンor三又サルカン→幹糸15㎝→スナップサルカン
<根がかり軽減仕掛け>
- 下針(オモリから15㎝以内でサルカンをだす)のみにする
<親子サルカン1個タイプ>
- 2本針で親子サルカンを1つ(道糸側のスナップサルカンから50~60㎝)にし、下針(上針から50~40㎝)をオモリ固定用のスナップサルカンにつける方法もあります。
<上部スナップなしタイプ>
- リーダーを5号等にし、親子サルカン(上針枝ス)に直結する。下針はオモリ固定用のスナップサルカン(親子サルカンから40~50㎝ほど)につける
<船カサゴ仕掛けの例>
船カサゴのエサと取り扱い注意点
アオイソメ
海の万能餌アオイソメはカサゴに有効な餌です。
ただし水温が高い季節はカサゴ以外の様々な魚も積極的に食べる餌なので、カサゴのみ専門に狙いたい場合は後述の身餌を選んだほうがよいでしょう。
カサゴだけでなく、五目でいろいろ釣りたいときにはオススメのエサです。
頭部に1本チョンがけしましょう。
食いが悪いときは垂らしを3㎝以内に切ると食い込みが良くなります。
<カサゴ釣りでアオイソメを使うと釣れる魚>
- マアジ
- ウミタナゴ
- ソイ
- メバル
- アナゴ
- ベラ
身餌(サバ・コノシロ・サンマ)
多くの船宿でカサゴ用としてよく利用されているのが、サバやコノシロなどの身餌です。
なるべくハサミで身肉側を薄くそいでおきましょう。水中でより餌が踊ります。
極端な話、カサゴはサバ等の皮だけでも釣ることができます。
餌付けは中心線を意識しながら皮側から身側にチョンがけをすると、仕掛けが回転しにくくなります。
それぞれの特徴をまとめておきました。
- 針持ち:サンマ < サバ < コノシロ < イカソーメンや短冊
- 集魚力:イカソーメンや短冊 < コノシロ < サバ < サンマ
サンマ餌やイカ餌は船宿では配られませんので、自分で冷凍品や一夜干しなどを購入して準備してみましょう。
※サンマ餌はエリアによって使用が禁止されていることがあります。
イワシ
イワシやキビナゴを使ってもつれますが、針持ちが悪いところがややマイナスです。
活きドジョウ
地域的に船カサゴで活きドジョウを使う船宿もあります。
身餌の場合、ベラやトラギスなどに餌をついばまれてしまうことも。
ドジョウの場合、比較的サイズが大きいため、ベラやトラギスに食われにくく、カサゴのヒット率が上がります。
活きたままタオルでつかんで口先からチョンがけをしてもよいですが、つけにくい場合は船底にたたきつけ失神させてからつけるとよいでしょう。
サイズが大きい場合は食い込みが遅くなるので、しっかり食い込んでから合わせましょう。
すっぽ抜け防止になります。
船カサゴの釣り方
埋め立て地の護岸周りの海底は捨て石
カサゴ釣りでは根がかりが多いため、置き竿では狙いません。キーパーは不要なのですが、簡易的な竿受けを用意すると便利です。
誘いは餌を次々と別の穴にゆっくり落とすイメージ
カサゴ釣りで、狙うポイントは根回りです。
まず仕掛けは底上2m以内になったら親指で道糸をおさえつつサミングさせながらゆっくり落とし込みましょう。
根周りの場合、オモリが着底したらゴツゴツと底に当たる感触がします。
底から30~50㎝ほど錘を上げてみましょう。その状況で10~20秒ほど待ちます。
食い気の高いカサゴがいる場合は、着底の瞬間もしくは、待ちのタイミングですぐにアタリがでます。
もしアタリが出ない場合は、リールを巻くか竿を上げる動作で1メートルほどオモリを底から上げます。
そして、再度ゆっくり底に落としてから、同じ動作を繰り返します。
船が移動している場合は竿の位置は変えなくても大丈夫です。
船があまり流れていない場合は落とし込む穴を変えるために左右に45°の幅で仕掛けを落とし込んでみましょう。
カサゴに餌をアピールするように、激しくシェイクすることや上下の誘いを勢いよく行うことは、効果的ではありません。
激しい動きはカサゴを餌から遠ざけてしまいます。
自然に餌を落下させ、ゆっくりと仕掛けを誘いあげて、落とし込む穴を変えていくという動作を徹底したほうがアタリは増えます。
東京湾であれば川崎や横浜本牧等の岸壁沿いなどは、埋め立て地ということもあり、捨て石で複雑な根が広がっています。
着底してアタリがない場合、あまり粘らず、船の移動にあわせて3mほど巻き上げて再度落としましょう。
このとき、頭のなかで根を乗りこえて次の「穴」にゆっくり落とすイメージを持つと釣果が増えるはずです。
アタリは明確、早合わせしない
ハリスが短いため、アタリは明確に「グングン」という具合に伝わってきます。
このとき、びっくりアワセしないようにしましょう。
カサゴは餌を丸呑みするように見えるのですが、意外と慎重で、身餌であれば端からかじるように食い込んでいきます。
早合わせすると、すっぽ抜けてしまうわけです。
特にムツ針の仕掛けを使用している場合は注意しましょう。
アタリがあったら、ごくゆっくりと竿先を上げます。
竿先から中ほどにかけて十分に重さを感じたタイミングで、リールを速巻きして根をきりましょう。
カサゴやソイの仲間は、穴に顔を突っ込んで棘のあるエラブタをひらき、身体を固定する習性があります。
そのため、ヒット後にもたもたしていると穴に入られてしまい根がかりしてしまいます。
穴に入られた場合は、ゆっくりラインにテンションをかけて引っ張ると外れることがあります。
根に顔を突っ込んでエラブタを開くムラソイ
基本的に網入れせず、抜き上げればOK
カサゴには鋭い歯はないので指を突っ込むのが持ちやすい
海面まで巻いてきたら、そのまま抜き上げてしまいましょう。
30サイズや25㎝程度の良型2本がけでもハリス2号あれば問題なく抜き上げられます。
網入れすると、仕掛けが絡み手返しが悪くなります。
カサゴは毒がないので、安心してください。口を親指と人差し指でつかみましょう。
フィッシュグリップをつかうのも一つです。
▼おすすめのフィッシュグリップ
カサゴが釣れないときに注意したいこと
根がかりを恐れて仕掛けを底から上げ過ぎない
カサゴ釣りはどうしても根がかりが多くなる釣りです。
一旦根がかりすると仕掛けを回収できず、オモリと一緒にロストしてしまうことが続くかもしれません。
こうなってくると、心理的に根がかりをさけ、錘を底からかなり離して釣りがちです。
が、日中のカサゴは障害物から離れることを嫌います。
そのため、餌のある位置まで食い上がることをしないので、アタリが遠のいてしまいます。
カサゴ釣りをするときは錘や仕掛けを十分に持参しておき、根がかりや仕掛けのロストを恐れず釣ると、結果的に釣果が増えます。
もちろん、無駄に根がかりをするのはスマートではありません。
先調子気味の竿を使い、手持ちで操作し、オモリが岩礁帯に触れた瞬間をすぐに判断しましょう。
根の高低差がある場合、その瞬間にオモリを上げないとすぐに根がかりしてしまいます。
また、空いている船で浅場の岸壁周りを狙う場、オマツリをしない範囲でオモリを10~15号に軽くするのも一つです。
沈下速度が下がるため、カサゴが餌を視認しやすくなりアタリが増え、完全に根にハマることが少なくなるため、根がかりにともなるロストが減ります。
<仕掛け準備の参考例>
- 胴付き仕掛け:市販品の300~400円前後の2個セット仕掛けであれば1日船で6セット
- オモリ:20~25号のオモリ(一つ100~150円程度)を最低5個
▼カサゴ釣り用に開発されたホゴオモリをつかうことで捨て石エリアでの根がかりを軽減できます。
つけエサが大きすぎる
カサゴ狙いなら身餌は小さ目がベスト
カサゴは口が大きいので大きな餌も丸のみするイメージがありますが、意外とそうでもありません。
活性が低い場合、大きなサバ短柵などは、針まで飲まれないまま終わってしまうこともあります。
カサゴ狙いであればつけエサのサイズは、小指の長さ程度にしましょう。その半分でも十分です。
支給された餌を鋭利なハサミでさらに細くカットすることで食い込みやすくする技もあります。
市販の船カサゴ仕掛けはオモリ側のハリス位置に注目する
便利な市販品のカサゴ仕掛けにもいろいろなものがあります。特に注意したいのはオモリ側の枝針(下針)の位置です。
下針が錘から離れると、活性がそれほど高くないカサゴにアピールすることができなくなります。
根がかりは多くなりますが、下針は底上から5㎝~20㎝のものを選びましょう。
自作の場合も同様です。
胴付きの枝針は長くしすぎない
胴付き仕掛けの枝針は長くすると自然に餌が漂うイメージですが、反面アタリが分かりにくくなったり、ロッド操作で餌が踊りにくくなる原因となります。
また仕掛けが絡みやすくなり手前マツリの原因にもなります。
自作する場合は過度に長くせず、20~30cmにとどめておくとよいでしょう。
船のカサゴ釣りで人より釣果伸ばす方法!
カサゴ釣りは、それほど難しい釣りではありませんが、釣果を伸ばすためにはいくつかコツがあります。
岸壁側・潮下側に釣り座を確保する
多くの場合、ポイントに一番早く入るのは潮下側です。
カサゴは大型の個体ほど、根のなかで餌のとりやすいよい場所をキープしていて、先に釣れてきます。
当日の潮の上げ下げと風向きを考えて、できれば潮下側の釣り座をキープしましょう。
また、もう一つの要素が岸壁側の釣り座をとることです。
これはマダコ釣りにも通じることですが、カサゴは岸壁際のヘチや岸壁にはりつくように隠れています。
特に釣れない時間帯ほど、障害物にタイトにつく傾向があるため、岸壁際を狙える釣り座を選びたいところです。
これも風と潮等によって決まりますが、わからない場合は船長にきいてみるのも一つです。
※岸壁を流す場合は、エンジンをつかって前進しながら釣ることも多く、その場合は船首側の岸壁側が有利です。
キャストする
岸壁際のエリアではなく、より沖目の根周り(それほど濃くない根)の場合はキャストが効果を発揮することもあります。
足元を狙うだけではなく、下手投げですこし先になげて手前にゆっくり探ってくるとアタリが多くなることも。
この釣りの場合、根がかりも増えてくるので諸刃の剣ではあります。やや軽いオモリをつかうのがコツです。
また潮の流れ等によっては周りの釣り客とオマツリすることがあるので、状況をみて行いましょう。
※船上でオーバーキャスト(上から投げる)は禁止事項です。アンダーキャストをマスターしておきましょう。
身餌の場合、ほぼ皮だけにして釣る
前述の通り、カサゴは大きな口で餌を丸のみして食べるようにみえますが、意外と慎重に食餌する習性があります。
サバやコノシロなどの身餌で厚みがある場合は、針がかりしづらい可能性があります。
身をさらにハサミでそいだり、皮だけ針につけたほうが潮で餌が踊りやすく釣れるということもあります。
ためしてみましょう。
カサゴ釣りで釣れてくるゲスト
メバル
カサゴと同じように根回りに群泳しているメバルが釣れることもあります。
カサゴより高いタナで釣れることがほとんど。
イシモチ
砂泥地に根が点在しているポイントでは、イシモチの群れにあたることもあります。
サバの短冊でもイソメでも釣れます。
ベラ・トラギス
キューセン
トラギスは沖根周りで混じる
船釣りのおなじみゲスト、ベラやトラギスもよく釣れる魚です。
夏場などは本命のカサゴのアタリがでるまでに、ベラに餌をかじられてしまうこともよくあります。
こうしたときはアオイソメの使用をやめて、身餌や活きドジョウ餌が効果的です。
カサゴを釣った後の処理
基本的に釣れたカサゴはバケツに泳がせ、釣ることに集中しましょう。
アタリが遠のいた時や船の移動時に、カサゴの片エラの付け根をよく切れはさみでカットしてバケツに泳がせておくと血抜きが完了します。
血抜きをした個体は、いつまでも海水に入れ続けず、適宜クーラーボックス(海水+氷=潮氷)にしまって冷やしておきましょう。
抱卵個体や小型のカサゴと資源保護について
船釣りの場合、遊漁船組合が稚魚放流などを毎年実施しています。
とはいえ、船釣りでは岸釣りとは異なり、びっくりするほどの数が釣れてしまうものです。
そのため、抱卵個体とサイズにおいては自分のなかでリリース基準を設定するとスマートです。
カサゴの産卵期は冬です。11月~2月頃までは抱卵したメスの個体も増えます。
資源保護の観点から、抱卵個体はリリースするのも一つです。
お腹が膨れていて、肛門部分が赤くなっていたり、稚魚が出ている個体は適宜リリースするとよいでしょう。
またあまりにも小型の個体も食べるところはなく、出汁のみに活用できるぐらいです。
自分の釣果や料理の手間などを考えて、持ち帰り数やサイズを決めましょう。
カサゴ料理
沿岸に居ついているカサゴはまとまって漁獲されることが少なく、比較的高値で販売されている美味しい魚です。
白身で淡白な味をもち、様々な料理とあうので、いろいろ試してみましょう。
身以外の骨や頭もよいダシがでます。
カサゴの刺身
刺身やカルパッチョの場合は、1~2日程度冷蔵庫で熟成させたほうが旨みが出ます。
カサゴのカルパッチョ
淡白な味なので、カルパッチョにしてオリーブオイルとニンニクの風味を利かせてもよく合います。
カサゴの唐揚げ
カサゴの唐揚げは絶品。
焦げすぎないように注意しましょう。
頭部に刃先で切り込みをいれ、背びれ付近に包丁をいれておくと火の通りがよくなります。
カサゴの煮付け
薄目の煮汁で煮物にしてもよいですし、甘辛く煮つけても美味です。
煮付けにするときは頭部に身がないので、あらかじめとっておいたほうが食べやすいかもしれません。
カサゴ汁
カサゴは頭部や中骨等のアラからもよいだしが出ます。
捨てずに利用したいところです。
ブイヤベース
出汁のみ抽出して骨ガラを捨てた後、野菜類とあわせてブイヤベース風にするのもおすすめです。
※カサゴは骨が細かいので出汁のみ使用
カサゴチゲ
辛いのがお好きな方は韓国風のチゲにしてもよいでしょう。
カサゴの南インド風カレー
ココナッツミルクの旨みとタマリンドとトマトの酸味を利かせて、南インド風のフィッシュヘッドカレーにするのもおすすめです。
この場合、米はタイ産のジャスミンライスなどがよく合います。
ヒレ酒
カサゴの胸鰭と尾鰭は下処理をしてから乾燥させるとヒレ酒用のヒレになります。
冬場に軽くあぶってから熱燗にいれると独特の風味で格別です。
まとめ
今回は比較的簡単に釣れる船のカサゴ釣りを解説しました。
この釣りでテクニックを発揮できる点といえば、根がかりを軽減しながら、手返し良く数を釣っていくということだと思います。
とはいえ、あまり数を釣っても仕方がないという方も多いはず。
その場合は、適宜小型をリリースしながら持ち帰り数を調整するのがスマートです。
夏から秋の浅場狙いであれば、浮袋のエア抜きをしないでも問題なくリリースできます。
関連アイテム
▼カサゴ釣りはハリスが傷みやすい釣りなのですが、チモト部分が傷んだ場合は、ハリだけを交換するのが低コスト。ハリの形状はムツ針を選ぶと根がかりを減らすことができます。セイゴ針の方がフッキング率はよいのですが、飲まれる確率があがり、手返しが悪くなります。
▼セイゴ針の場合や、カサゴの活性が高い場合はしばしば針を飲まれます。プライヤーを用意しておきましょう。