不安定な空模様がつづく梅雨が終わり、夏本番をむかえる7月・8月。
海の堤防にも本格的な釣りシーズンが到来します!
今回は、身近な堤防から狙うことができる代表的な対象魚と釣り方について解説します。
<登場する魚>
- タチウオ
- アジ
- イナダ
- キス(シロギス)
- マゴチ
シーズン開幕!数釣りが楽しいタチウオの引き釣り
タチウオは夜釣りで狙えるターゲット
7月8月は、日差しが強く体力的にも厳しいと思う人もいるのではないでしょうか。
そこでおすすめなのが、暑さを一切気にせずに楽しめる「夜釣り」です。
夏の夜釣りといえば、エサであればアナゴ釣り、ルアーであればアジングなどがありますが、これからの時期の夜釣りで全国的に狙える人気ターゲット、タチウオについて解説します。
タチウオは細長い見た目からは想像できませんが、かなり引きが強く、群れで回遊しているので活性が高い日に当たれば初心者でも数釣りが楽しめます。
タチウオは釣った後もかんたんに料理できる
タチウオの塩焼き。ぶつ切りにして焼くだけ
タチウオは鱗や棘が無く、骨もそれほど固くないため調理も簡単です。
鋭い歯のある頭と内臓をとった後、ぶつ切りにしてバター焼きや塩焼き、煮付けなど様々な料理にして美味しく食べられます。
釣りたてのタチウオの切り身を炙りにしてポン酢で食べると実に美味
タチウオの「引き釣り」は初心者でも釣果を生みやすい
タチウオを狙う方法はルアーや餌で様々ですが、今回は比較的喰いがいい「引き釣り」を紹介します。
引き釣りは「テンヤ」もしくは「タチウオテンヤ」と呼ばれる、オモリと大きな針が一体化した専用の仕掛けを使います。
餌釣りといっても、常に手元を動かす釣りなのでルアー釣り感覚で攻めることができ、生エサを使用するので非常に食いが良いのが特徴です。
ワインド等のルアーでねらってもなかなかバイトがないときにも、この餌をつかった引き釣りの場合は、連発ということもあります。
タチウオの引き釣りタックル選び
タチウオを引き釣りで狙うタックルについてですが、こだわらなければ安価なロッドとリールでも十分に楽しめるのが嬉しい所です。
タチウオテンヤ釣りにオススメの釣り竿
ロッドですが、アクションをつけるために常に手持ちでリールを巻きながら釣るスタイルなので、なるべく軽量で持ち運びもしやすいルアーロッドがオススメです。エギング・シーバス・ショアジギング用の竿を選びましょう。
中でも比較的安価で感度にも優れているエギングロッドが非常に使い勝手が良いです。高価なメーカーものは必要なく、数千円代のものでも十分に釣れます。
一方で、タチウオの引きは強いのと堤防の足場が高い等、ヒット後の抜き上げが必要なポイントの場合、ある程度の強度がないとロッドが破損してしまう可能性もあります。
ロッドの長さについては、ある程度の遠投が必要な場合は10フィートほどの長めのロッドを、足元から十分な水深(5メートル以上)がある場合は8フィート前後の短めのロッドでかまいません。
<タチウオテンヤ用のロッド選択で考慮するポイント>
- 汎用ロッドで十分
- タチウオテンヤを投げる時や抜き上げ時に過負荷にならないパワー(想定される最大サイズを考える)
- ポイントの距離によって8~10フィートをチョイスする
- 穂先が柔らかめで食い込みがよく、しっかりした胴で合わせて抜き上げられるものが最良
<タチウオテンヤ釣りでオススメのロッド>
しっかりしたものであればパックロッドでも大丈夫!
タチウオテンヤ釣りにオススメのリールとは?
次にリールですが、シーズン初期は大きくても指3.5本サイズ(タチウオの体高を指の本数であらわしたもの)までが多いので中~小型スピニングリールが最適です。
大型のスピニングリールはそこまでの巻き取りパワーは不要なのと、長時間キャストをしていると体力的な消耗が人によっては大きいのでおすすめしません。
価格帯としては長期的な使用を考えないのであれば格安セールで売られているようなもので問題ありません。
ただ、有名メーカーが製造している5,000円以上するものと比べると、耐久性が弱ったりストッパーがついてなかったり、糸ヨレ等のトラブルが多いは事実なのでどちらを使用するのかを判断して用意しましょう。
<リールの選び方のポイント>
-
- PE1号が100m巻ければ問題ない。高切れを考えても150mあれば十二分
- ドラグ性能はあまり重要ではないのでストッパーがしっかりきくものを選ぼう
- 夜間の釣りなのでラインのヨレが起きにくいもの
道糸は飛距離と強度を考慮してPEライン1~1.5号がオススメ
道糸の号数としてはPEライン1号~1.5号がオススメ。
最近は、購入時から既にPEラインやナイロンラインがリールに巻かれているものも出てきました。ダイワやシマノなどのPE付きのリールは安定性も高いので、釣りに行く手間も少なくてすぐに使用できるのでオススメです。
夜間の堤防から狙うタチウオの場合、群れが堤防際まで接岸することがほとんどですが、広く狙うことで釣果があがる場合もあります。
飛距離を保つためには、PE1号を用意しておくとよいでしょう。指4本サイズ以上のやや大型の群れが接岸している場合はPE1.5号がオススメです。
リーダーはフロロカーボン5号20lb~8号30lbを状況によって使い分けるとよいです。
タチウオの鋭い歯にかみきられないようにテンヤにワイヤーハリスが付属している場合もありますが、入れ食い状態でない限り、食いが落ちるため、太目のフロロハリスで対応することをオススメします。
タチウオテンヤについて
肝心のタチウオテンヤですが、これは釣果を大きく左右する要素です。
まずテンヤに付属しているエサを刺す剣は、必ず2本以上あるものを選んで下さい。できれば3本あるとしっかりと固定できて遠投を繰り返しても外れたりズレる心配がないので最高です。
また、テンヤのオモリ部分にライトを当てると蓄光できるタイプのものがアピール力に優れているのでオススメです。
ここで取り上げているテンヤは値段も少々しますが、非常によく釣れるので購入して損はありません。ぜひためしてみてください。
ちなみに、テンヤは根掛かりやライントラブルで無くなることもあるので、重量別に5個ほどは手元に確保しておきましょう。余分に用意しておくと精神的にも余裕をもって釣りができます。
<テンヤの選び方のポイント>
- 異なる重さのテンヤを複数ずつ用意しておく
- 表層狙いがほとんどなので、比較的軽めのものがオススメ
- エサがずれにくいものを選ぶ(ケンが2個以上)
ケミホタルは2種類
テンヤホタルはテンヤにしっかり装着できる優れもの
もう一つタチウオ釣りに欠かせないのが「ケミホタル」で、グリーンの50サイズが視認性も優れています。
装着部分はハリス部分です。また、テンヤ部分に装着するテンヤホタルもバイトを集めることができるので好みで使ってみましょう。
こちらもテンヤと同様に、ポイントで焦ることがないように複数個用意しておきましょう。
タチウオの引き釣りのエサ
エサは安価で容易に入手できるキビナゴが基本です。
マイワシは食いが抜群に良いのですが、身が柔らかくすぐにボロボロになってしまうのが難点。大きいシルエットが特徴なので、アピール度を高めたいときに利用しましょう。
ただ、キビナゴもタチウオがヒットするとボロボロにされてしまうので、入れ食いに近い状況になっているという情報があれば、エサ持ちの良いドジョウを3尾ほど持参しておくと良いです。
ドジョウは皮が固いのでタチウオを何尾か釣っても無傷で済むので、エサを交換する手間が省けますが、尻尾が噛み切られると途端に食いが悪くなるのでそうなれば交換のタイミングです。
他にこれは、船のタチウオ釣りても裏技として知られていますが、釣れたタチウオの尾部分をカットして餌とするのもオススメです。
また、鯖を斜めに細長くカットした切り身を塩で締めたものを縛るのも餌持ちがよく効果的です。
▼ドジョウ型のワームもオススメ
▼あらかじめ加工されたサバ餌もお手軽
タチウオの時合について
できるだけ、夕まずめ1時間前には釣り場に到着しておきましょう。
まず周りの方(ルアー・餌釣り関わらず)に挨拶しつつ、情報を収集します。直近のベイトの入り具合や釣れたタナについて複数の情報を得られることでしょう。また、海を見ればイワシなどのベイトの寄りもチェックできます。
暗くなる前から釣り場で待機をしていると、タチウオが釣れる場所であれば、電気ウキ仕掛けで釣る地元のベテラン釣り師がやってくる時間帯があり、彼らと仲良くなると貴重な情報が得られます。毎日釣り場に通っているため、ベイトやタチウオの入り具合について詳しいのです。
また、タチウオが釣れ始める時合は、場所・天候・潮の状況によって異なります。
夜から始めるのではなく、夕方あたりからはじめることによって、その波が体感できるのでおすすめですが、人気のポイントは昼過ぎの釣り人の入れ替わり時間(朝から釣りをして昼過ぎあたりに納竿する釣り師も多い)に合わせて入っておく必要があります。
引き釣りのやり方
釣り方ですが、こだわりがなければ、まずは遠投して海面付近から探ってみて下さい。海面から3メートルぐらいまでがよいでしょう。
特に夕方から夜にかけて、タチウオがカタクチイワシやアジを食い上げ浮き上がっていることが多いので、浅いタナを重点的に探ると効果的です。
着水してからリールを巻き始めるまでの秒数をカウントしておけば、ムラなく全てのタナを探れます。
アクションは、基本的にはゆっくりとリールを4回転ほど巻いてストップしたり、時折ロッドを上にあおってテンヤを大きく動かす誘いを入れるという繰り返しです。
タチウオは泳ぎが得意ではないので、あまりにも早い誘いは逆効果です。アタリがコツコツと小刻みに伝わってくる場合は一呼吸置いてから巻きアワセを入れて下さい。
ときどきラインが突然緩む食い上げのアタリが来る場合もあるので、その時はゆるんだ糸を素早く巻き取ってからアワセを入れるようにします。
いずれにせよ、タチウオテンヤのメインフックが大き目で太いという点と、タチウオの口周りは硬い点を考慮し、しっかりとアワセを入れる必要があります。
もし、アワセが足りない場合、途中でバレてしまうことが多いので注意が必要です。
▼太刀魚釣りのスペシャリストYAMASHITAの山中陽介氏によるテンヤで狙うタチウオ完全解説動画。ヤマシタの猛光太刀魚テンヤを利用したテクニックがわかりやすく紹介されてます。
タチウオ釣りの注意点(エサのズレ)
引き釣りで注意が必要なのが、「テンヤにセットしたエサのズレ」です。
エサが外れかけの場合はどんな人でもセットし直すと思いますが、見逃しがちなのがエサがズレているという点です。
こうした場合も必ず交換するか再度針金で縛り直すようにしましょう。この調整を怠ると動きが悪くなり、タチウオの食いが非常に悪くなるので要注意です。
船でのタチウオ釣りもそうですが、エサが曲がっていたりすると仕掛け全体の動きがおかしくなるのか、タチウオは反応しにくくなります。
タチウオは歯が非常に鋭いので、釣り針を外す際はタオルやフィッシュグリップ等で首元をしっかりと固定してペンチなどで外すようにして下さい。
万が一噛まれた場合に備えて絆創膏は用意しておきましょう。切り傷などの場合は消毒した上でワセリンを塗ると血を止めることができます。かすっただけでも血が出るので注意しましょう。
タチウオの引き釣りのゲスト
- ハモ(関東圏ではまれ)
- シーバス(関東ではこちらが多いがそれほど釣れない)
▼詳しいタチウオの引き釣りノウハウはこちら
朝夕のマズメに回遊する良型アジを投げサビキでゲット!
場所にもよりますが、ほぼ1年を通して堤防から狙えるアジ。
特に海水温が高くなる真夏は、最も数釣りが楽しめる時期です。
サビキ釣りで無限に釣れるような印象さえ受ける小アジも唐揚げや南蛮漬けなどにして美味しく食べられるのですが、ずっと釣っていると、「もう少し大きなサイズを釣りたい…」と、思うのが釣り人の心情でしょう。
そこでおすすめなのが投げサビキ仕掛けで少し沖の良型を狙う方法です。
刺身や塩焼きサイズを釣ることも決して夢ではないので、挑戦する価値は大いにあります!
投げサビキで狙うアジ釣りタックル
ロッドは遠投できて柔らかめなものがオススメ
タックルですが、ロッドは遠投ができるように柔らかめの振出竿を使用するとよいでしょう。本格的な磯竿でなくても釣具店で「サビキ竿」として2000円以下で売られているようなものが非常に柔らかく、アジの口切れによるバラシも少ないのでおすすめです。
また、サビキ竿の場合はどれも軽いのでファミリーフィッシングの際に子どもでも十分に扱えます。
近場と遠目を両方狙い続けるために、短いロッドと投げサビキ用の長めのロッドの2種類をロッドケースに入れておくのがオススメです。
▼ダイワのリバティクラブはリーズナブルでおすすめの磯竿。
スピニングリールにナイロンラインでOK
リールは小型スピニングリールにナイロンラインの4号前後を巻いたものを使用します。
この辺りはそれほど気にしなくてもかまいません。
神経質にならなくてもラインの強度さえしっかりと確保できていれば釣果にもそれほど影響しませんし、結局の所、投げサビキといってもちょい投げで事足りることが多いので、PEラインは必ずしも必要ではありません。
むしろPEラインは扱いに慣れていないとライントラブルが多く、せっかくの時合いを逃してしまうことにもなりかねません。なので初心者の場合は要注意です。
▼ダイワのレブロスはリーズナブルでおすすめの汎用リール
ウキは視認性が高い棒ウキがオススメ
投げサビキで必須なのがウキですが、オモリ負荷10号で視認性に優れた棒ウキを使います。
仕掛けの飛距離は、ウキの形状や素材等によっても少なからず変わってくるので、「遠投用」と書かれてあるものを用意しておきましょう。
「サビキ仕掛け」には地域差がある点を覚えておく
サビキ仕掛けですが、地域によってもよく釣れるサビキというものは必ず存在します。
事前に釣具店のスタッフなどに聞いておくと良いです。
ポイントのベテランそうな方が釣り座の隣になった場合は、挨拶がてら聞いておくとよいでしょう。
スキンはダメで、サバ皮しかこないなど、貴重な情報が得られるかもしれません。これはアジが捕食しているベイトがアミなのか、シラスなのかなどによって異なってきます。
ただ、そうしたご当地サビキとは別に「ケイムラ仕様のサビキ(紫外線発光カラー)」は用意しておいて決して損はありません。
ハリスの号数は20~30センチ級がヒットすることを想定して1.5~2号前後の間で揃えます。大型がかかったときも、2号あれば抜き上げも可能です。他の釣りと同様にトラブルに備え、多少余分に用意しておくと安心して釣りに望めます。
コマセカゴは状況によって遠投カゴを用意
コマセカゴ(ジャミカゴ)は、足元で使用するものと同じでかまいません。
より遠投をするようであれば遠投かご釣りのカゴをセットするとよいでしょう。
撒き餌の分量について
カゴよりも、中に入れるマキエの量と種類が重要です。
良型アジが回遊してくる夕マズメに備え、マキエはしっかりと用意しておきましょう。
夕まずめから釣りはじめる場合も、できれば事前に投げサビキ用のアミエビを解凍しておくと時合を逃しません。
基本はオキアミではなくアミエビを使用します。アジ用のコマセを配合し水分量を調整するのも一つです。
冷凍アミエビを用意できない場合は、加工品をつかうのもお手軽です。
投げサビキで釣果を伸ばす2つのポイント
基本的に投げサビキ釣りは20~30メートル沖に投げてあとはアタリを待つだけですが、釣果を出すには「ウキ下の調整(タナ)」と「手返し」が重要です。
小型のアジと異なり、良型アジは底付近を回遊していることが非常に多いので、ウキ下は底から1.5~2メートルほど上に設定します。
この釣りでは実釣時間も日が沈むまでの2時間ほどであることを考えると、どれだけ手返しを早くしてマキエをしっかりと撒けるかも重要です。
カゴにマキエが無い状態ではいくら仕掛けを流しても集魚効果はないので、面倒くさがらずに手返しを意識して実行できるかが釣果の大きな分かれ目です。
アジは釣れ始めたらバタバタと連続してヒットするので、集中して釣りましょう。
追い喰いは狙わないほうがよい
良型のアジは、よほど大規模な群れで活性が高いときを除いて「追い食い」を期待しない方が良いと言えます。
アジも20センチを超えると引きも強く、追い食いを待っている間に、最初の1尾が外れることも少なくありません。1尾ごとに回収する方が結果的に数が伸びます。
アジは大型になっても口の弱い魚のため、大きくなればなるほど自重によってバレやすくなります。
欲をかかないことが、釣果につながる。
そのように覚えておいたほうが無難です。
釣ったアジの処理
さて、時合いに集中して釣ることが重要と言いましたが、釣れたアジをエアーポンプのない水汲みバケツなどに入れていると、酸欠やストレスなどですぐに死んでしまいます。
かといって締めるために1尾ごとにナイフを使用したのではあまりにも効率が悪いので、針から外すタイミングでサバ折り(頭を背中側にひねる)にしてひとまず海水を入れたバケツに入れて血抜きをしましょう。
ある程度の数が釣れたら、魚だけクーラーに移すという流れにするとスムーズにいきます。特に刺身で食べるのであれば味が大きく変わるので、血抜きは忘れずに行うことをおすすめします。
死んだアジをバケツに入れっぱなしにしておくのも季節がらすぐに痛む原因になるので、血が抜けたらすぐにクーラーへ移すことを意識しておきます。
ほかに、潮氷で氷締めしていく方法もあります。
釣リ場への配慮。コマセは流して帰ろう
アジの投げサビキ釣りではマキエを使用するので、夕まずめが終わりアジの時合がさった後は、堤防の上にこぼれたマキエは必ず海水でしっかりと洗い流しておきましょう。
この際に、ナイロン製の小型洗濯ブラシがあると、堤防をよりきれいにすることができます。
釣り公園とことなり、堤防は釣り人に開かれたものではなく、ただ単に関係者から釣りを黙認されているものです。
コマセの放置は臭いにつながり、釣り人以外の方の迷惑になりますし、あとから釣りをする人への礼も欠いた行為です。
ゴミの放置や釣り人による事故等も含めて、釣り場自体が釣り禁止になってしまうこともあります。
一人一人が釣り人としての意識を高め行動していきましょう。
アジ投げサビキ釣りのゲスト
- サバ(ある程度沖目を流せれば大型のサバも釣れます。タナは表層)
- ワカシ(ブリの幼魚)、ショゴ(カンパチの幼魚)
- カタクチイワシ、マイワシ、ウルメイワシ
- ボラ
- カマス
強い引きを体感!飲ませサビキで狙うイナダ釣り
これまで夏に堤防でサビキ釣りをしていて、小アジや小サバがヒットしたと思ったら、突然強い引きで仕掛けを切られたという経験はないでしょうか?
釣り場で逃した大物の大きさといったらありませんね。
この大物は、いろいろな魚ですが、もしかしてイナダ(地域によって呼称が違います)と呼ばれるブリの若魚の仕業かもしれません。毎年夏になると全国各地の沿岸部に群れでやってきます。
若魚とはいえ、そのパワーはかなり強烈。
群れで回遊しているので比較的釣りやすくまさに真夏の人気ターゲットと言えます。
そこで今回は、イナダをサビキ仕掛けで簡単に狙う方法について紹介します!
飲ませサビキのイナダ釣りタックル
イナダ釣りのロッドは強引に寄せられるものを
まずはタックルですが、イナダも40センチクラスになると引きもなかなか強烈です。
しっかりとした竿を用意しましょう。
特に釣り場が混んでいるような状況では、時間を掛けてやり取りすると、左右でオマツリしトラブルになることも多くなります。ある程度強引なやり取りが必要です。
足元から水深がある場所では、遠投する必要がそもそもありませんので、短めの2メートル(約6.6フィート)前後のロッドが扱いやすいです。
オモリ負荷30号前後の船竿でも対応できますし、エギングロッドでも多少時間はかかりますが、釣り上げることは可能です。
磯竿でも良いのですが、どうしても長さがあるので足元を狙うときには邪魔になることが多いのであまりおすすめしません。
イナダ釣りのリールは中型以上がオススメ
リールは巻き上げ力がある中型スピニングリール(ダイワであれば3000番台)を使用して下さい。
しっかりした竿に中型スピニングリールを合わせておけば比較的強引なやりとりも可能なのでトラブルを避けて確実に魚を取るという意味でも用意しておきましょう。
ラインはナイロンであれば5号
ラインは、PEラインであれば1号~1.5号。
ナイロンラインであれば5号程度があれば、純粋な引っ張り合いで切られるということはまずありません。いずれも巻きっぱなしの劣化ライン注意しましょう。
サビキ仕掛けは小さめの針でハリスが太いものをチョイス
サビキ仕掛けは「小針でハリスが太い」タイプを選んで下さい。
比較的針が太く作られたジグサビキや飲ませ専用のサビキなどもよいでしょう。
というのも、60センチ以上のワラサであればエサのアジは大きなものを好むのに比べて、40センチ以下のイナダはアジのサイズが大きくなるにつれて目に見えて食いが悪くなります。
仮に餌をくわえても、口が小さいので飲み込むまでに非常に時間が掛かり、やり取りの途中ですっぽ抜けてしまうことも珍しくありません。
ということで、出来るだけ小針のサビキで小さなアジを掛けることが最初のポイントです。
また、ヒットした後に小アジを釣るようなハリス2号程度のサビキであれば瞬間的に切られてしまうので、ハリスは4号~5号のものを用意しましょう。
飲ませサビキでイナダを狙う釣り方
釣り方は非常にシンプルです。
まずはコマセカゴにアミエビを詰めて仕掛けを沈めて、小アジがヒットしたら少し深いタナまで仕掛けを下して本命のアタリを待ちます。
アジもしばらく泳がせると弱ってきますが、穂先の動きを見ていると分かります。
穂先が時折揺れるのはアジが元気な証拠で、弱ると全く動きがなくなり竿を持ち上げてみても反応がなくなります。
こうなると非常に食いが悪いので一旦回収して、アジを外してから再投入して下さい。
アタリは突然やってくることが多いので集中力を切らさないようにしましょう。イナダが近づくとアジが食われまいと大暴れして、そのまま待っていると一気に竿先が海面に突っ込むので、小さくアワセを入れてやり取りを開始します。
相手が引っ張り込むときは、耐えて巻けるときに素早く相手との距離を詰めて下さい。
海面まで浮いてきたら玉網で取り込むか、タックルと仕掛けの強度に自信がありガッチリと針掛かりしていて周囲に人がいない場合はそのまま抜き上げても問題ありません。
置き竿にする場合はロッドを尻手ロープ等で固定して、それが難しい場合は必ず手持ちの状態で待ちましょう。
イナダはヒットすると一気に走るので、置き竿にしていると一瞬で引きずり込まれます。
ある程度釣り歴が長いと誰しも経験があると思いますが、トイレにいったり居眠りをしていたり、不思議と目を離した隙にヒットすることが大変多いので油断は禁物です。
飲ませサビキで狙うイナダ釣りのゲスト
- スズキ(シーバス)
- タチウオ
- ハモ
- サワラ(堤防際までくることはそれほどない)
- ショゴ(カンパチの若魚)
- カサゴ等の根魚
- ヒラメ
- マゴチ
- ウツボ(タナを下ろしすぎると、、)
浅場でも数釣りできる!ちょい投げシロギス
人気のターゲットであるシロギス。
水温が上がってくると岸からちょい投げで簡単に狙えるようになります。
本格的な投げ竿でサーフから遠投する釣りも気持ちがいいですが、堤防からルアーロッドのちょい投げで狙うシロギスも気軽で、おもしろい釣りです。
釣れたシロギスやメゴチを泳がせると、高級魚であるヒラメやマゴチも狙えます。ぜひチャレンジしてみましょう。
ちょい投げ釣りで狙うシロギスタックル
ロッドはコンパクトなルアーロッドがオススメ
本格的な投げ釣りと異なり、タックルと仕掛けはシンプルです。
2メートル前後のライトクラスのルアーロッドを用意し、小型のスピニングリールを合わせておきます。
ラインは、ナイロンであれば2号8ポンド程度。PEラインであれば0.6号程度で十分です。
仕掛けは、ルアーロッドの負荷内に収まる小型のジェット天秤かシロギス用のキス五目天秤+ナス型オモリ5号程度を用意しておきましょう。
ハリスは船用のショートハリスの2本針(競技用針)が、全体の長さも短く、トラブルもすくなくおすすめです。
餌なのですが、青イソメでもジャリメでも釣れますが、吸い込みの良さはジャリメが数段上です。活餌と比べて人工エサは数段アタリが落ちますが、活き餌が切れることを想定してサンドワームやパワーイソメを用意しておくのも保険的によいでしょう。
ちょい投げで狙うシロギスの釣り方
まずポイントである堤防の底が砂底・砂泥底であるという条件が必要ですので、事前に調査しておきましょう。
この釣りは本格的な投げ釣りではないので、気軽なものです。
フルキャストも必要ありませんが、ある程度、沖目から探りをいれていくとよいでしょう。
まずは着底後、糸ふけをまきとり竿先でオモリの重さを感じます。その後、竿を縦もしくは横(水平)に30センチほどサビキます。
この時に「ブルブル」とアタリがでるかもしれません。また、さびいたあとに糸ふけを巻き取り停止させると仕掛けが底上を漂い、シロギスにアピールします。
よくシロギスは、底にべったり張り付いているように思われますが、実際は海底より10センチほど上を群れで泳いでいます。
メゴチが釣れるが、シロギスが釣れないという場合は、仕掛けが海底上をただよっているイメージを持ちながらロッドを操作するとよいでしょう。
ちょい投げシロギス釣りの注意点
トゲモミジガイ。よく釣れるヒトデ
シロギス釣りで釣果が伸びない人の特徴として、「投げたまま仕掛けを放置する」というのがあります。
仕掛けを放置すると、ヒトデや海毛虫、またはメゴチのヒットが多くなります。
ウミケムシ
シロギスは海底を群れているものの、移動する速度が速く、回遊していない場所にキャストしても一向に釣れません。
そのため、他の釣り人の迷惑にならないように配慮しながら広く扇状にポイントを探します。
海底が砂底の場合、波や海流により砂の隆起が生じていることがありこれを「ヨブ」と呼びます。竿先をサビキながらこのヨブを探り、仕掛けを漂わせて誘うと効果的にシロギスを誘うことができます。
ガルプやパワーイソメのような人工エサを使う場合は、特に仕掛けを動かすということを意識しておきましょう。
ちょい投げシロギスのゲスト
- キュウセン(ベラ)
- メゴチ
- フグ類
- ヒラメ
- マゴチ
シロギスを釣っていると、釣れたシロギスやメゴチにヒラメやマゴチが食いついてくることがあります。
ハリスがあまりにも細いとこれらは瞬断されるので、棚ぼたを狙いたい方は、シロギスの喰いは落ちるものの多少太目の仕掛け(2号程度)を使うとよいでしょう。
また、シロギスが釣れるところにはキタマクラやクサフグ等のフグ類が群れていることもあります。
仕掛けがすぐに切られる場合、これらのフグが群れている可能性があります。
仕掛けを消耗しますので、こうした場合は、できるだけ早めにポイントを移動しましょう。
ちなみにフグにハリスを切られないためには、ハリスの接合部にカラーパイプをつけると効果的です。
▼シロギスの釣り方ノウハウ記事
堤防から活餌で狙うマゴチ釣り
夏場は高級魚マゴチも岸から狙える範囲に接岸します。
ちょうどシロギス・メゴチ・マハゼが釣れはじめる時期なので、これらをエサにして、堤防からマゴチを釣る事も可能です。
堤防から活餌でマゴチを狙うときのタックル
ロッドはエギングもしくはシーバスロッドがオススメ
マゴチを活きエサで狙う際はエギングやシーバスロッドが手軽です。8フィート前後のミディアムライト~ミディアムヘビークラスのロッドを用意しましょう。
スピニングリールはPE1号、もしくは1.5号を100メートル程度巻いたスピニングリールを合わせておきます。
ラインは、飛距離を考えてPEラインを選びます。
仕掛けは、ルアーロッドの負荷内に収まる中通しオモリと1本針(サルカン+ハリス5号)を用意しておきましょう。
餌なのですが、シーズン初期はシロギスやメゴチ、8月以降はマハゼがオススメです。また、小型のザリガニの爪をもいだものでも狙うことができます。
堤防から活餌で狙うマゴチの釣り方
堤防からマゴチを狙う場合、砂底・砂泥底であるという条件が必要です。多少根混じりでもよいですが、オモリが引っかかるため、砂底がベストです。
生き餌は水汲みバケツにいれておき、エアレーションをつかって酸素を送ります。
キスやメゴチ、ハゼであれば上顎にチョンがけします。
キャストはロッドの反発をつかわないで、中通し錘の重さで行います。ロッドの反発を利用してキャストすると、活餌の口がちぎれてしまうこともしばしばです。
着底後、糸ふけをまきとり竿先でオモリの重さを感じます。その後、竿を縦もしくは横(水平)に15~30センチほどさびきます。
基本的には投げて放置ではなく、海底をさびき、マゴチがいるところを探ります。
このとき、時々仕掛けを停止させることにより、マゴチが口を使う間を演出しましょう。
マゴチは、底にべったり張り付いている魚ですが、眼は上側についていて、視線より上にある餌に反応します。
常に、オモリと、ハリス、活餌の位置を想像しながら、海底から30㎝以内に餌があるようにしましょう。
マゴチはアタリがあってからすぐにアワセると、すっぽ抜けやすい魚です。
エサの種類にもよりますが、竿先にでるアタリがあってから、ラインのテンションをたもったまましばらく待ち、胴部分にかけて引き込まれる様子があってからしっかり合わせましょう。
堤防から活餌でマゴチ釣りの注意点
堤防からマゴチを狙う際の注意点を確認しておきましょう。
- 活きの良いエサを使う
- ハリスは5号を標準とする。細すぎると合わせ切れします
- アワセは完全に乗ってから行う
- 穂先が固すぎる竿は違和感を持たれやすい
- ランディング時に頭部を左右にふるためラインが切られやすい。たも網を用意しておこう
▼マゴチ釣りの詳しいやり方はこちら
7月8月の堤防は釣り物が多い時期。暑さや日焼けに注意して楽しもう
今回は真夏(7月・8月)に、狙って釣ることができる人気魚種を取り上げました。
どれも気軽に狙えるものばかりなので、興味がある人は是非挑戦してみて下さい。
本格的な釣りシーズン、熱中症対策をしっかりと行って存分に釣りを楽しみましょう!
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