関西で熱狂的な人気を誇る堤防からのタチウオ釣り。
近年、東京湾でも熱烈なファンが多くなってきた釣り物です。
今回は、タチウオの釣り方の中でも、主にテンヤをつかった引き釣りを紹介します。
東京湾の堤防でタチウオが釣れる季節
おかっぱりからタチウオを狙って釣れるのは、夏から秋の海水温が高い時期がメインです。
餌となるカタクチイワシやウルメイワシを追って、夕まずめ~夜間に岸壁に接岸してくるタチウオを狙います。
近年では、温暖化の影響からか、カタクチイワシやサッパなどを追って、真冬をふくめて周年タチウオが狙えています。
東京湾のタチウオのメインベイトはイワシ。これはタチウオの胃袋のなかにあったカタクチ
タチウオを狙える釣り場
タチウオを狙える釣り場としては、横浜~横須賀エリアのポイントが特に人気です。
- 川崎東扇島西公園(先端付近ほど反応がいい)
- 横浜ふれーゆ裏
- 横浜福浦岸壁
- 横須賀うみかぜ公園
- 横須賀海辺つり公園(AM5時からPM22時まで)
- 横須賀三春町岸壁と大津港新堤防
※2019年には、湾奥の豊洲付近(豊洲ぐるり公園)まで回遊し、タチウオがよく釣れていました。
タチウオは、居つきの魚ではないため、回遊していないとまったく釣れません。常に近隣釣具店の情報やSNSの情報に注目しておくとよいでしょう。
<チェックしておきたいサイト>
川崎東扇島西公園:勇竿釣具店
福浦岸壁: ポイント金沢文庫ユニオンセンター店
横須賀うみかぜ公園:上州屋横須賀中央店
横須賀海辺つり公園:ポイント横須賀大津店
横須賀海辺つり公園のサイトにUPされている釣果は日中の時間帯のものなので、夕まずめ以降の釣果は掲載されていません。最寄りのポイント横須賀大津店で情報を得るとよいでしょう。
タチウオが釣れる時間帯は朝夕のまずめと夜間
船釣りでタチウオを狙う場合、比較的水深が深めのところを日中釣ります。
一方、岸から狙う場合は、夕まずめから朝まずめまでの時間帯を狙います。夕まずめと朝まずめが一番釣れ、夜間は回遊や活性にムラがでてきます。
夜釣りをする場合は、場所の確保や現地の状況を把握するためにも、夕まずめの1時間前には到着しておくとよいでしょう。
週末や休日の場合、人気の釣り場は常に混んでいますが、ファミリーの釣り人は夕まずめに入るまでに帰ることが多いのでその入れ替わりで入るとよいでしょう。15時程度に到着すると比較的狙ったポイントに入りやすいと言えます。
日中は別の釣りをし、夕方から半夜で狙うベテラン釣り師も多くいます。
タチウオの引き釣りの仕掛けは「テンヤ」
タチウオ専用のテンヤ
タチウオの引き釣りでは、大きな釣り鈎が1本ないし2本あるテンヤを使います。人によってトリプルフックをアシストフックとして利用する人もいますが、1本針でも十分フッキングします。
オモリの号数によって飛距離と沈下するスピードが変わるわけですが、ポイントが遠かったり、向い風が強いときは号数を大きくします。
ポイントが近い場合やタチウオが浮いているときは、できるかぎり表層をゆっくり引くためにサイズが小さいテンヤを使いましょう。
基本的にマズメのタチウオは海面から3m以内の表層にいることがほとんどです。
集魚のためにケミホタル類をテンヤに装着するのもオススメです。集魚効果だけでなく、キャストや仕掛けのピックアップの際の目印にもなります。
テンヤ仕掛けにはワイヤーハリスが付属されているものもありますが、目立って釣果が落ちるため、よっぽど入れ食い状態でない限りフロロカーボンの5~10号程度を使うのが一般的です。ハリス切れにそなえて8号をつけておくとよいでしょう。
▼横浜・横須賀近辺でのマズメ時の釣りは「ヤマシタの猛光太刀魚テンヤのMサイズ」がオススメです。向かい風やボトム狙いではLもよいでしょう。
テンヤを使った「タチウオの引き釣り」のエサとつけ方
関西の場合、引き釣りでドジョウがよく用いられます。
東京湾の場合は、キビナゴやマイワシをつけることが一般的。釣具店で冷凍パックを買うか、スーパーの鮮魚エリアで購入しておきましょう。
キビナゴは生のままよりは、1夜干しなど多少締まっているほうが身切れしにくいのでおすすめです。
基本的にキビナゴを使い、大物狙いではマイワシをつかうとよいでしょう。
釣れたタチウオの尾は誰しも廃棄しますが、これを冷凍しておき、エサにする裏技もあり、ずれにくいメリットがあります。
他に、塩漬けにしたボラの幼魚を使う人もいます。自分が自信をもって釣れる餌を見つけましょう。
▼針持がよく準備しやすいドジョウ型ワームも人気
タチウオの引き釣りのやり方
変わりゆく太刀魚の泳層を探る
まず、夕まずめ前の明るい時間帯は比較的深いタナから探っていきます。キャスト後、テンションフォールをしながら、カウントダウンして沈めていきます。
フォールの間にバイトが出る可能性もあるので、ベールを戻してテンションフォールさせていきましょう。
錘の号数や潮によって異なりますが、だいたい1秒ごとに1メートル沈下していくイメージでいればよいと思います。
堤防からの釣りはだいたい10~20メートル程度の水深なので、10カウントで底付近、5カウントで中層などと考えるとよいでしょう。
タナに到達したら竿を高めに構え、竿先で2回ほどしゃくり、リールを2、3回まいて余分なラインを巻き取ります。この繰り返しでフォールタイミングでバイトが集中します。
一方、ただ巻で連発するときもあり、常にまわりの釣り人の釣況もチェックしながら、シャクリの幅や飛距離、沈めるスピードをコントロールしていくところに面白さがあります。
夜間は基本的に表層で釣れる
東京湾(横浜~横須賀)のタチウオを岸から狙う場合、表層にあつまるカタクチイワシなどを食いあげているのか、夜間は水深1~3メートル程度のタナで釣れることがしばしばです。
キャストしてすぐに緊張感をもちながらフォールさせていきましょう。
群れが近くによらないときや沈んでいるときは「メタルジグ」や「鉄板バイブ」を併用
タチウオを狙っているときにどうしても釣れないときは遠投+ボトムがカギになることがあります。
ウキ釣りや引き釣りで釣果がどうしても出ず、メタルジグやバイブレーションなどを遠投したりボトムをしっかり狙っている人にバイトが集中することもしばしば。
この場合は、テンヤの重量をまして様子をみるか、あきらめてメタルジグなどにシフトすることオススメします。
タチウオは食べるのが上手ではないので、比較的ゆっくりフォールする幅広タイプのメタルジグ(スロータイプ)を利用すると効果があります。
引き釣りのタックルは、シーバスタックルやショアジギングタックルで十分対応できます。テンヤだけでなくメタルジグ類ももっていきましょう。
テンヤで狙うタチウオ釣りのメリット
テンヤでの引き釣りは、電気ウキの釣り比較して、1投ごとにタナを細かく変えながら探れるという点がメリットです。
ジグヘッドとワームを使ったワインド釣法との比較では、エサのシルエット・フラッシング効果・ニオイによる集魚力・バイトしたときの味などに差があります。
タチウオをテンヤで狙うときのタックル
竿は9フィート前後で40g程度まで投げられるルアーロッド
ロッドは主にシーバスロッドやショアジギングロッド等9フィート前後の長めのものがオススメです。
操作性の観点から、磯竿系よりルアーロッドを選び、オモリ負荷は40g程度まで投げられるものがよいです。
長めの竿であれば遠投もしやすいですし、高めの足場や足元に障害物がある場所でも好都合です。
汎用スピニングリールにPE1号を100m巻いておけばOK
リールはドラグを使わない釣りなので、ストッパーがしっかりしていれば汎用スピニングリールで大丈夫です。
PEライン1.5号を100m以上巻く
PEラインを用い、1号~1.5号程度を使います。
遠投目的で、より細いものをつかってもよいですが、合わせ切れする可能性があるのと、PEラインの浮力によってテンヤの落下スピードをゆるやかにできるので1.5号がオススメです。
ラインの残量については、60m以内の飛距離がほとんどのため100m巻いてあれば問題なく釣りになります。
メタルジグの遠投などをする場合や高切れに備えての保険をかける場合、200m巻いておくとよいでしょう。
リーダーはフロロカーボン8号前後
テンヤにはPEラインを直結せずリーダーとして8号前後のフロロカーボンラインをつけておきます。6号以上はシーガーの船ハリスがリーズナブルです。
ワイヤーハリスにするとハリス切れは減らせるのですが、アタリが減るのと食い込みが悪くなるので太目のフロロカーボンがオススメです。
5号程度のフロロカーボンでも小型は抜き上げられますが、1m前後の場合抜き上げ時にハリス切れが増えてきます。
基本的に遠投をしなくても釣れる釣りなので、確実にとれるセッティングで臨むとよいでしょう。
東京湾の岸壁から狙う「タチウオテンヤ」入門動画
筆者がおかっぱりタチウオをテンヤで釣りはじめたのは、この動画の影響が大きいです。
YAMASHITA山中陽介さんの解説をチェックして何度か釣行すればいつかタチウオが釣れることでしょう。
ロッドアクション部分は特に必見です。
ヤマシタの「猛光太刀魚テンヤ」は、リーズナブルでよく釣れるテンヤです。
高切れやタチウオの歯によるロストを考慮して異なる号数を複数持っていきましょう。
▼基本シングルタイプのSをつかい、遠投が必要ならばMを使います。Lはほとんど使わないのですが、向かい風や速くフォールさせたいときにもっておくとよいでしょう。SとMを2個ずつ、Lは1個あればよいかなと。
タチウオの「ずしん」とした引きを楽しもう!
おかっぱりとはいえ、指5本・ドラゴンサイズ・メーターサイズも釣れている東京湾のタチウオ釣り。
ポイントやタナの選択や仕掛けや餌の工夫など、様々な面白さがあります。
タチウオは、刺身でも炙りでも、焼いても煮つけても揚げても旨いので、ぜひ釣りあげて楽しみましょう。
タチウオ釣りで便利なアイテム
▼タチウオの歯はとても鋭いため、素手で持たず、フィッシュグリップを利用するとよいです。ランガンだと、ワニグリップが軽量。太刀魚KOバサミは締めも一気にできるのですが重いです。シマノのADプライヤー(タイプF)は剛性も高くスプリットリングを開けられるためワインドなどジギングにも使えるのでタチウオ釣りにもオススメ。
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