横浜市にある人気の釣り場「ふれーゆ裏」のポイントや期待できる釣果について、実釣経験から解説します。
シーズンによって釣れる釣り物や、釣行前に押さえておきたいローカルな特徴も紹介!
ふれーゆ裏とは
船が停泊するわけではないので広く探れる
「ふれーゆ裏」と聞くと、なんだか呪文みたいに聞こえますね。
横浜市鶴見区にある横浜市高齢者保養研修施設「ふれーゆ」の裏手に約700m広がる海沿いの遊歩道・護岸エリアがあります。
正式には「末広水際線プロムナード」という名称があるのですが、釣り人は「ふれーゆ裏」という愛称で呼んでいるのです。
海に向かって右手に大黒ふ頭を、左手に扇島があり、鶴見つばさ橋が一望できるロケーションでもあります。
鶴見つばさ橋が見えるほかに、とりたてて見晴らしがよいわけではないので、基本的に訪れる人の大部分が釣り人です。
鶴見川の左岸河口にあたるという点がポイントです。
汽水域を好むシーバス・ハゼ・黒鯛をはじめ、夏から秋にかけて湾奥まで入ってきたイナダなどの回遊魚まで釣れます。
釣り場全域に柵が整備され、ふれーゆの営業時間内はトイレや自販機も近く、女性や子供と一緒のファミリーフィッシングにも安心。
メバリングやアジングなどのライトゲームから、大型のシーバスや「ベイシャーク」と呼ばれるドチザメやアカエイなどの大物も狙うことができます。
ふれーゆ裏へのアクセス
電車の場合
東京方面から「ふれーゆ裏」へ向かう場合は、品川駅から電車と川崎臨港バスを利用し約50分で到着します。意外と近いですね。
- JR利用:鶴見駅東口
- 京急利用:京急鶴見駅
いずれも、川崎鶴見臨港バス8番乗り場でふれーゆ行きで約10分。終点のふれーゆから徒歩2、3分程度歩きます。バスの運賃は220円です。
※年度末などはストライキによりバスの運転本数が少なくなることもあります。そういったときは思い切ってタクシーに乗ってしまうのも1つです。
車の場合(駐車場所)
ふれーゆには駐車場もあるため車やバイクで向かうことも可能です。
品川から約30分。東京方面からであれば首都高の汐入出口で下道におりて向かうのが最短です。工業地帯のためそれほど混んでいないため、汐入からは10分程度で到着します。
横浜方面(三浦半島)から向かう場合、大黒ジャンクションで生麦方面への分岐に乗らないと東扇島を経由してかなり等周りになってしまうので注意しましょう。
最寄りの駐車場は「ふれーゆ」のコインパーキングです。
<コインパーキング営業時間 >
- 8:00-20:30(春夏4月-9月)-19:30(秋冬10月-3月)
- 最初の2時間=1時間につき200円 プール・大浴場利用者は、1時間につき100円 2時間超えた時間30分につき100円(※大型車両は異なる)
週末は、ふれーゆのプールや浴場を利用する方や釣り客で混みあうこともありますが、平日は常に空いています。
ふれーゆ裏は季節ごとに色々な魚が狙える釣り場(対象魚)
ベイシャークことドチザメ
ふれーゆ裏は、鶴見川の影響を受けながらも、多種多様な魚を狙うことができます。
サビキやウキ釣りの対象魚
サッパ・コノシロ・アジ(朝夕まずめ・夜)・イワシ・メバル(夜)・メジナ・ウミタナゴ・タチウオ(夜)
ぶっこみ釣り(ちょい投げ)の対象魚
アナゴ(夜)・ベイシャーク(ドチザメ)・アカエイ・イシモチ・カレイ・シロギス
へチ釣りの対象魚
黒鯛・メジナ・ウミタナゴ・カサゴ
ルアーで狙う魚
シーバス・メバル・アジ・シリヤケイカ・タチウオ(夜)・イナダ・マダコ
※ふれーゆ裏は1月以降、春まではバチ抜けによる荒食いも期待できるポイントです。
イナダやタチウオなどは夏以降イワシをおって湾奥まで回遊がある場合は狙うこともできます。タチウオは近年冬場にも接岸しています。
その他
イシガニ・タイワンガザミなどの蟹類がとれます。
ふれーゆ裏のおすすめの釣り
昼間は、サビキやウキ釣りで小物を狙い、まずめ時や夜はシーバス・タチウオ・メバル・アナゴ・アジを狙うとよいでしょう。
シーバス
夜間に潮が動いている時間帯を中心に狙います。
電気ウキ仕掛けでイソメを房掛けして狙う釣り人やぶっこみ釣りの人などもいますが、ふれーゆ裏ではルアーで狙う人が多いです。
足場が高いため、たも網がないとランディングできません。必ず持参しましょう。
バチ抜けシーズンは、表層で盛んに捕食しているシーンも見られます。
メバル
昼間でも岸壁際を狙えば小型のメバルを釣ることができますが、基本は夜間の釣りです。
満潮時前後の潮が動いている時間帯を中心に釣りましょう。
シーバス同様、バチ抜けシーズンは釣りやすいと言えます。
タチウオ
もともと横須賀方面と比較して、ふれーゆに回遊するタチウオの数は多くはありませんでした。
近年は夏から冬場にかけて釣果が出やすい傾向にあります。
タチウオは、さらに湾奥に位置する「みなとみらい地域」まで出没しているので、川崎から横浜沖付近で繁殖し越冬している可能性もあります。
夏以降イワシなどを追って夜間接岸してきますが、釣れる釣れないの差が大きい魚です。
タチウオだけの釣りに絞らず、アナゴのぶっこみ釣りなどと並行して行うことでボウズの確率をさげることができでしょう。
アナゴ
餌も多く良型のアナゴが多い
ふれーゆ裏は、大型のマアナゴやクロアナゴを狙うことができるポイントです。
最大で80cmクラスのアナゴを釣る人もいます。
アナゴを釣る際は、夕まずめから2時間程度狙うと釣果を出しやすいでしょう。
ベイシャーク(ドチザメ)・アカエイ
ドチザメ。狙う際はしっかりとしたタックルで
ふれーゆ裏で釣れる魚で最大級なのが、ベイシャークことドチザメと、アカエイです。
両者ともにぶっこみ釣りで狙います。
専門に狙っている人も増えてきている釣りですが、タックルの強度が弱いと釣り上げることができないので注意が必要です。
たも網も必須。
また、アナゴを狙っているときなど、予期せずこれらの大物が釣れると竿が一気に海に引き込まれます。
ドラグをゆるめておくことや尻手ロープをつかって対策しておきましょう。
アカエイもよく釣れる釣り場。毒棘には注意したい
ふれーゆ裏で切り身などのぶっこみ釣りをしていると高確率で釣れる魚がアカエイです。
尾の付け根に毒棘があるので、注意しましょう。
扱いなれない場合は、ハリスから切ってリリースしてやるのも一つです。
黒鯛(チヌ)
ふれーゆ裏では、チヌことクロダイもよく釣れています。
ぶっこみ釣りで狙う人よりは、へチ釣りでタイコリールをつかって狙う人が大半です。
常に混んでいる釣り場のため、みなさんちょい投げ等の竿の間を渡り歩くようにクロダイを狙っています。
が、他人の竿に近づくとトラブルも多いため、状況に応じて挨拶するなど、お互い気持ちよく釣りをしましょう。
シリヤケイカ
ふれーゆ裏はシリヤケイカが多く接岸するエリア
毎年5月~7月初旬あたりまでは、ふれーゆ裏でシリヤケイカがよく釣れます。
湾奥で釣れるイカは少ないですが、シリヤケイカはヒイカとならんで、狙って釣ることができる釣り物です。
群れで移動しているため、岸壁周辺によってくれば数釣りも可能。
釣り方は、エギにナス型オモリ等3~5号程度で重量を増し、底付近を狙う釣りが中心です。
タコエギや、ダウンショットリグのスッテやウキ釣りでの餌スッテを使う釣り人もいます。
それほラインの太さは関係ありません。
根がかりしやすい釣りなので、極端に細いラインを使うことなどは避けましょう。フロロカーボン4~5号がおすすめです。
PEラインは1号~1.5号でOK。
シリヤケイカは朝夕のまずめ時を狙いましょう。潮がよく動く時間帯にも釣果が出やすい傾向にあります。
シーズン中の週末は、早朝到着すると釣り場がないこともあるので、夜のうちから到着して釣り座を確保する必要があります。
ふれーゆ裏のポイント解説
参照:Googleマップ
広大な「ふれーゆ裏」の釣り場は全体的に万遍なく釣れます。
ポイントごとの特徴もあるので、上記の図を元に解説していきます。
ポイントA(入り口付近)
ふれーゆ裏の入り口付近は、ふれーゆの施設に最も近く、トイレや自販機など補給や休憩もしやすく家族連れに人気のポイント。
水深3m程度で、鶴見川による淡水の影響をもっとも受けやすいポイントです。
底質は砂泥底で根がかりが少なく、ちょい投げでシロギスやカレイ、イシモチが狙えます。
シーバスやサッパなどもよく釣れているポイントです。
夜にマアナゴを釣るのもよいでしょう。
河川の影響をうけている点から、晩秋以降の落ちハゼ狙いにもおすすめ。
落ちハゼを狙う場合、仕掛けは頻繁に動かさず、ちょい投げをしたらそのままにしておくのが良いでしょう。
ポイントB
ふれーゆ裏エリアに入り、最初の角付近と曲がって東側に向かうポイント。
ここは潮通しもよく、入り口から近いため一番多くの釣り人が釣り座を設ける場所です。
入り口ほどではないですが、ふれーゆにも近くトイレや自販機なども利用しやすいと言えます。
サビキ釣りでアジやイワシ、サッパ・コノシロが釣れますが、大型のアジを狙う場合は朝夕のまずめ時が有利です。
ポイントC
ポイントBからCは特に変化のないポイントが続きます。
Cの角付近手前は水深が約4mとふれーゆ裏のなかでは一番深く、港の奥から引いてくる潮の影響も受けるため、人気のポイントです。
ぶっこみ釣り、ルアーともに釣り人が多いエリアですが、ふれーゆからは徒歩10分程度かかるため、家族連れの釣り座としては向いていません。
こちらはベイシャークを狙うぶっこみ釣りの釣り人。石鯛竿などをつかって狙っていることが多いとのこと。
こちらはポイントCの角。
左右の潮がぶつかるポイントでもあり角周辺は人気。
ややラインが流されやすいのでぶっこみ釣りでは重めのオモリをつかいましょう。
ポイントD
ポイントDの奥は柵があり立ち入り禁止。
この付近は、ふれーゆ裏のなかでも最も浅いポイントで、干潮時は底の根が見えるエリアでもあります。
メバルやカサゴ、ムラソイなどがもっとも釣れるエリアで、特に最奥の地帯はへチ釣りやウキ釣りなど常連の釣り人が常に楽しんでいるポイントです。
夏前後であれば、シロギスもよく釣れます。
ふれーゆ裏の周辺情報
入り口の開門時間
ふれーゆ裏の入り口は正門と中門があります。
正門は24時間開いているのですが、中門は9時~17時までしか開いていません。
そのため17時を過ぎると正門まで遠回りしなければならなくなってしまうので注意しましょう。
トイレ事情
最寄りトイレ施設はふれーゆです。
施設は9時~20時(季節で異なる)の時間だけオープンしているので、夜間や早朝釣りにくる人は注意しましょう。
ふれーゆ以外で最短のトイレがある施設は、1.5kmほど離れたコンビニ各店になるので注意です。
休憩スペースなど
ふれーゆ館内の1Fや3Fには休憩スペースと、飲料・アイス・冷凍食品の自販機等があります。
ふれーゆ営業時間中は避難も可能。
釣りに来たものの、雨風が強くなった場合や夏の炎天下になったときは休憩しましょう。
ふれーゆ裏の釣り以外の楽しみ
お風呂に入ろう!
隣接する「ふれーゆ」は、プールと浴場施設です。
釣りをして体が冷えたときや、疲労を和らげるには風呂に入るのがオススメです。
突然の雨にぬれた後などは至福。
営業時間に注意して楽しみましょう。
ふれーゆ裏で守りたいルールや注意点
釣り具の取り扱いに注意
人で混みあう釣り場であるので、針のついた仕掛けの取り扱いに十分注意しましょう。
ルアーでも餌でも過信せず、キャストする際は、一投ごとに周囲の確認が必要です。
場所柄、盗難のリスクも高いので釣り具や貴重品から目を離さないように注意しましょう。
ゴミを捨てない
ふれーゆ裏は、心ない釣り人によってゴミが目立ちます。
コマセ袋・釣り具のパッケージ・食品類のゴミなどを投棄する人が後を絶たない状況です。
良識ある大人のみなさんは、ゴミをかならず持ち帰りましょう。
余裕があれば自分の釣り座周りのゴミを拾って帰るのもよいでしょう。
風が吹くとライン屑やビニールゴミは拡散しやすいので、風に飛ばされないようにタックルボックスやリュック等にゴミ袋を結わえておくとよいでしょう。
タックルボックスなどにガムテープを丸めてはっておくと、糸ゴミなどを貼りつけられて便利です。
クロスキャスト・オマツリ
ふれーゆ裏は人気の釣り場のため、週末はもちろん、平日のまずめ時などは多くの釣り人が集まります。
ちょい投げやルアー釣りなどで、隣りの釣り座と仕掛けが交差しないようにしましょう。
釣り座に入る前に両隣の釣り座が近い場合は挨拶をしておくと、トラブルが起きたときに深刻化しなくて済みます。
ふれーゆ裏周辺の釣り場情報
東扇島西公園
最寄りの釣り場としては、東扇島西公園(川崎市)があります。
24時間開放されている無料の釣り場で、ふれーゆ裏同様常に人で混みあう釣り場です。
広大な釣り場ですが、先端部以外は根が荒く、底を狙う釣りの場合は根がかりに注意が必要です。釣り具屋の出張店舗もあり、餌も購入でき、トイレ・水道・有料駐車場があります。
釣れる魚は、ふれーゆとほぼ変わりませんが突端は、ふれーゆより沖に位置しているため、イナダやサバなどの回遊魚などを狙う場合はこちらの方が有利です。
タチウオもふれーゆ裏よりは安定して回遊します。
大黒海釣り公園
横浜市の大黒海釣り公園は有料ですが、ふれーゆ裏や東扇島西公園より沖に出ており、数多くの魚を狙うことができます。
沖堤防上に足場が作られて潮通しもよいポイント。
コマセによって常にイワシやアジなどが回遊する状態があります。
こちらも混みあいますので、週末は早い時間帯に向かうようにしましょう。
場合によっては入場制限があることも。
ふれーゆ裏はファミリーからベテランまでオススメの釣り場
ふれーゆは東京方面からも近く、多くの魚種を狙うことができます。
トイレや休憩スペースもあるため週末は家族連れをはじめ、ベテランまでが通う釣り場です。
人気の釣り場の宿命ですが、どうしても人で混みあうので、トラブルも発生しやすいと言えます。
釣り座を設ける際は、はじめに両隣に挨拶をするなどして、他者に配慮して釣りをしましょう。
関連アイテム
▼堤防からのちょっとしたウキ釣り・サビキ釣り・ちょい投げ・ルアー釣りはシマノのシエナコンボが便利
竿受け
ふれーゆ裏の柵はパイプ状のため、竿受けも対応しているものを持っていきましょう。サビキ釣りやウキ釣りの場合、長めの竿をつかい、竿受けも固定してより岸壁から離れたところを狙えるようにすると釣果が伸びます。特にまずめ時に釣れるアジは差がでるので、覚えておきましょう。
水汲みバケツ
コマセ釣りをする場合、必ず釣り場のコマセを洗い流してから帰るのがマナーです。ダイワのネット付きのバケツを使えば、魚も飛び出しませんし、柵から吊るせばスカリのような利用方法も可能です。
たも網は4m以上
足場がやや高く潮位によっても変わるため、4m以上のたも網を持参するとよいでしょう。大型のシーバス、ドチザメ、アカエイを狙う場合は必須です。メジャークラフトのファーストランディングセットはリーズナブルなたも網でオススメです。
15リッター程度のクーラーボックスがあると便利
ふれーゆ裏では、以下の魚種以外は基本的に小物ばかりです。
- シーバス
- タチウオ
- ドチザメ
- アカエイ
釣り場で水汲みバケツに魚を入れ続けている人を目にしますが、鮮度が悪化してしまい食味の劣化や食中毒の原因にもなります。食用目的であればクーラーボックス内に潮氷をつくり、速やかに保冷しましょう。