神奈川県川崎市にある東扇島は東京湾川崎沖に造成された人工島です。
川崎市の湾岸エリアは工業地帯のため釣りができるエリアは浮島つり園と東扇島西公園のみ。
今回は周年魚影が濃くたくさんの釣り人でにぎわう東扇島西公園の釣り場を解説します。
東扇島西公園のロケーションと特徴
東扇島西公園(ひがしおおぎしまにしこうえん)は釣り人からは「西公園」と呼ばれ、神奈川県川崎市にある東扇島の南西部に位置しています。
公園北側に火力発電所があり、温排水の影響により冬期でも比較的魚影が濃いのが特徴です。
南側の先端部は潮通しがよく、夏以降はイナダやタチウオの回遊もあります。
ベンチや芝生エリアも隣接し、トイレや手洗い場も整備されているため、サビキやウキ釣りといったファミリーフィッシングにも最適です。
全体的に柵が整備されているので子供連れでも落水のリスクはとても低いので安心。
公園内には勇竿釣具店の売店もありとても便利です。
東扇島西公園の施設概要(アクセス・営業時間・駐車場・釣り餌)
アクセス
- 電車:JR川崎駅からバスと徒歩で約35時間
- 車:JR品川駅から30~40分(首都高湾岸線使用)
電車の場合、川崎駅前から市営バス「川07系統東扇島西公園前行」にて「東扇島西公園前」で降車し、徒歩2分程度。
週末は車で混雑するため、公共交通機関での来園が推奨されています。
営業時間
24時間入場でき、駐車場も利用可能です。
深夜帯をふくめて終日釣りができます。
駐車場
出典:川崎市
有料駐車場が2か所あり、24時間営業です。
首都高側に近い第1駐車場には勇竿釣具店の売店があります。物資の調達が必要な場合はそちらに駐車しましょう。
あらかじめ釣り具・釣り餌の準備がある場合、公園先端部方面へは第2駐車場が便利です。
バイクや自転車は同駐車場に無料で駐車できます。
園内へのバイク侵入は禁止です。
トイレ
トイレは駐車場近くにそれぞれ1か所ずつあります。
釣り具・釣り餌店
- 勇竿釣具店(東京・川崎方面から下道経由で向かう場合)URL:http://yuzao.jp/
- 勇竿釣具店東扇島西公園売店(現地調達の場合)
- 上州屋川崎店(電車経由の場合)URL:http://www.johshuya.co.jp/shop/choka.php?s=23
東扇島西公園のポイント解説
東扇島西公園はかなり広い釣り場を有しているのですが、週末はかなり混みあいます。
目的の釣り座を確保できるとは限りませんが、まずはポイントごとの特徴をおさえておきましょう。
全体的に岸壁際は深くて4m程度。遠投して8、9m程です。
先端部(上図D)はやや水深があり、手前でも10m前後の水深があります。
その先には航路があり、20m以上水深がありますが、低酸素水塊が発生しやすいエリアです。
A:入口付近テトラ帯
第1駐車場付近にあるテトラ帯は水深も浅く2~4m程度です。
火力発電所の温排水の影響を一番受けるエリアと言えます。
基本的に長竿でウキ釣りをするのが人気で、メジナ・ウミタナゴ・黒鯛などを狙う人が常にいます。
やや投げると、根混じりですが、シロギスやマゴチも狙うことができます。
B:中ほど
入り口から少し歩き、ポイントCの方位計前までは同じような条件の釣り場が続きます。
釣り座の後ろにはウッドデッキが続き、芝生広場もあります。
家族連れの場合、Bエリアのどこかに釣り座を確保するのがよいでしょう。
奥側(方位計前側)に行くほど沖目まで根が続くようになります。
公園中ほどまでは30m以上投げないと根がかり必至で、方位計前付近ではさらに遠投する必要があります。
基本的にウキ釣り・サビキ釣り・ヘチ釣りに適した場所です。
ちょい投げでは毎投根がかりと仕掛けロストが発生してしまいます。
釣り慣れた人は遠投でカレイ・シロギス・マゴチを狙えます。
スズキ狙いのエビ撒き釣りも人気です。
※エビ撒き釣り:生きたモエビをカゴにいれてしずめ、水中に撒きつつ、つけエサのモエビを食わせる釣り。特にルアーに反応しない日中のスズキも口をつかう当地に有効な釣法
C:方位計前
公園奥側の芝生広場と展望台に前に「方位計」と呼ばれる円形の場所があります。
方位計前は公園内では一番根が粗く、かなり沖目まで根がつづきます。
地形変化が大きいので魚影も濃いのですが、釣り方によっては、ほとんど釣りになりません。
ウキ釣り・サビキ釣り・中層までのルアー釣り(例:タチウオ狙いのワインド)・ヘチ釣りがおすすめです。
D:先端
先端部は公園内で一番潮通しがよく、水深も11m~13mほどあり砂泥底です。
ちょい投げでも根がかりしづらく、カレイやマゴチ狙いの一級ポイントとされます。
イナダやサバなど回遊魚も狙いやすいため西公園で一番人気のポイントと言えます。
先端部は、常に人が入っているので、釣り座を設けるにはかなり難しいのが玉に瑕。
東扇島西公園で狙える魚は?
東扇島西公園で狙って釣れる魚を紹介します。
- イワシ
- サヨリ
- サバ
- ウミタナゴ
- クロダイ
- メジナ
- スズキ(シーバス)
- カレイ
- アナゴ
- ドチザメ
- ホシザメ
- アカエイ
- シロギス
- メバル
- カサゴ
- シリヤケイカ
- マダコ
- イナダ
- タチウオ
- イシモチ
潮通しの良さと、温排水の影響から周年魚影が濃い釣り場で様々な魚が狙えます。
回遊魚は群れが入っていないと釣れないので、釣果情報をチェックしつつ出かけましょう。
家族釣れの釣りでは、サビキ・ウキ釣り・イソメをつけての足元脈釣りをしていればなにかしら釣れます。
東扇島西公園でのイワシとアジ釣り
夏から秋にかけてイワシやアジの群れが岸壁近くを回遊します。
小型のアジやイワシはサビキ釣りで狙いましょう。
トリックサビキやパニックサビキで釣ると釣果が倍増します。
釣果が伸びない場合は5m程度の長竿でやや沖目を釣るとアタリが増えます。
中型以上のアジは遠投カゴ釣り・カゴサビキで底付近のタナを狙うとよいでしょう。
▼群れがよっているときはトリックサビキやパニック仕掛けがおすすめ
▼群れが遠いときや大型狙いは投げサビキやジグサビキがおすすめ

東扇島西公園でのメジナ釣り
岸壁際がポイントです。
上記ポイントA付近で浮き釣りをするのが一番確度が高い釣り方です。
日中釣れるサイズは小型ですが、夜間には30cmを超える型もあがります。
東扇島西公園でのシロギス釣り
全体的に根が荒い釣り場なので、ちょい投げでシロギスを釣るのは困難です。
家族連れでの釣行の場合はシロギス狙いは控えたほうがよいでしょう。根がかりが頻発して大変です。
釣り慣れている人の場合、遠投で砂泥底を狙うと釣果につながります。
※先端部はちょい投げでもシロギスが狙えます。

東扇島西公園でのカレイ釣り
先端部以外は遠投で狙いましょう。
仕掛けをあまりうごかすと根がかりにつながるため注意です。
▼根周りの砂地を狙う場合、軽量のオモリにムツ針系のハリをつかうことで根がかりを軽減できます。

東扇島西公園でのアナゴ釣り
根が多いためアナゴの住処も豊富です。
ちょい投げでは根がかりが頻発するため遠投で狙いましょう。一帯は周年餌も多く、厳冬期を含めてアナゴを狙うことができます。
ぶっこみ釣りで夕まずめから2時間程度の時合を狙いましょう。
24時間釣りができるため粘っても良いですが、時合は何度もやってくるわけでもありません。

▼アナゴ狙いのぶっこみ釣りは手前マツリ対策で1本針がおすすめ。替え針は時合いに備えてしっかり用意
東扇島西公園でのアジングとメバリング
秋から冬:10月~12月頃、夏:3月~5月程度まではメバルの釣果が増えます。
軽量のジグヘッド&ワームで狙いましょう。
アジは夏になると浅場を好み、終日西公園付近に居着きます。
時合の釣りなので、夕まずめや朝まずめのほか、夜間潮が動く時間帯に釣行しましょう。
メバルはシロメバル主体
▼1.5g前後のジグヘッドにグラスミノーSSでばっちりです!


東扇島西公園でのタチウオ釣りについて
夏~秋にかけてタチウオの回遊があります。
近年は真冬でもイワシなどのベイトがいればタチウオは釣れます。
回遊しないと全く釣れないので、釣具店やSNSの釣果情報をチェックしておきましょう。
電気ウキ仕掛け・テンヤ仕掛け(3~5号)が人気で、ワインドで楽しむ人も増えてきました。

東扇島西公園でのマゴチ釣り
6月になると水温もさらにあがり、産卵を意識したマゴチが浅場に接岸しはじめます。
西公園では、ハゼやザリガニをつかったぶっこみ釣りが人気です。
3号~5号程度の軽めの中通しオモリをつかうことで根がかりを軽減できます。
竿は長めのルアー竿をつかうほか、磯竿をつかうことで活餌に負荷をかけないで遠投できます。
7月以降は東京や神奈川の河川でデキハゼ(マハゼの若魚)が確保できるようになり、8月以降はちょうどいいハゼも釣れはじめます。
予め確保してから釣行するのも一つです。
勇竿釣具店で活きエサを調達もできます。在庫をウェブサイトで確認しておきましょう。


東扇島西公園でのシリヤケイカ釣り
シリヤケイカは船釣りでは敬遠されるが、湾奥で釣れる貴重なイカ
毎年ゴールデンウイーク頃に横浜~川崎付近の湾奥へシリヤケイカが回遊します。
朝夕のまずめ時が一番ねらい目で、軽量オモリ(3号程度)胴突きスッテ仕掛けやエギの頭に3号のナス型オモリをつけて狙いましょう。
ハリスは細くなくても十分乗るので、根がかり対策で4号・5号をつけるとよいでしょう。
餌巻きエギ(サバやきびなごを巻く)も効果的です。

東扇島西公園でのシーバス(スズキ)釣り
川崎周辺の港湾エリアはシーバスの魚影が濃く、東扇島西公園でも周年狙えます。
エサ釣りの場合は、電気ウキにアオイソメ仕掛けや、エビ撒き釣りが人気です。
ルアーの場合は、冬場はマイクロベイトパターン、冬から春はバチ抜けパターン、それ以外はイワシなどのベイトを模したルアーで狙うとよいでしょう。
日中のシーバスは岸壁際の海底付近や沖目のかけあがりでじっとしています。
▼夜釣りの電気ウキ×アオイソメ房掛けが高確率!
東扇島西公園で守りたいルールとマナー
冬~春はメバル狙いの小型ワームやプラグにシーバスがヒットしやすい
竿は2本まで
竿は原則2本とされています。
混雑しているときなど、多くの竿を出して釣りをするのは控えましょう。
釣り竿の間隔は一区画4m程度
釣り竿の間隔は一区画4m程度とされています。
混雑時などは隣に声をかけるなどすると、トラブルを軽減できるはずです。
投げ釣りでは周囲の確認
公園には釣りをしない人や子供も訪れます。
仕掛けを投げ入れる際は毎投確認してから行いましょう。
特に子供の動きに注意しましょう。
イガイ(カラス貝)取りなどの道具を使用した貝採りは禁止
クロダイのヘチ釣り餌としてカラス貝が人気ですが、当地でのイガイ取りをつかった貝採りは禁止です。
※神奈川県ではイガイ取りを使用できない
第42条 漁業者が漁業を営むためにする場合、漁業従事者が漁業者のためにする場合及び試験研
究機関が試験研究のためにする場合を除くほか、次の各号に掲げる漁具又は漁法以外の漁具又
は漁法により水産動植物を採捕してはならない。
(1) たも網、さで網及びざる
(2) と網
(3) やす及びいそがね(夜間において使用する場合及び水中眼鏡を併用する場合を除く。)
(4) くまで(幅 15 センチメートル以下のものに限る。)
(5) さおづり及び手づり
(6) 徒手採捕
(試験研究等の場合の適用除外)
出典:神奈川県海面漁業調整規則
ゴミを捨てない
ゴミの投棄は慎みましょう。釣り関連もそうですし、飲食物なども同じです。
釣りあげた魚は持ち帰らない場合、毒魚・小魚・ヒトデ等であっても海にリリースしましょう。
火気の使用禁止
公園全域で火気使用は禁止です。冬場特に注意しましょう。
コマセ汚れを洗い流して帰る
アミエビなどのコマセ汚れは水汲みバケツを使用して流してから帰りましょう。
混雑時は釣り座を広く占拠しない
無料で遊べるため、多くの釣り人が訪れます。
混雑時は譲り合って楽しみましょう。
その他知っておきたい東扇島西公園ノウハウ
根がかり対策
東扇島西公園は埋め立てで出来た人工島の上にあるため、基本的に岸近くは捨て石が沈んでいます。
護岸近くの水深は場所により3~7m、公園先端部以外の海底地形は基本的に岩礁帯です。
航路(扇島水路中心部)は大型船舶が行き来できるように、15~20mかけさがっていて砂泥地帯。
遠投すれば根がかりは回避できます。
混雑時の釣り座確保
週末の場合、早朝到着でも釣り座の確保が困難なこともしばしばです。
できるだけ連休や週末の釣行を避けたいところですが、もしどうしても釣り座を確保したい場合は、前日夜に到着して確保する必要があります。
釣れない場合
魚影の濃い「西公園」ですが、初心者のうちはまったく釣れないかもしれません。
釣れないことをさけるためには、あらかじめ以下の対策をしておきましょう。
- 勇竿釣具店、上州屋川崎東口店、SNSなどで釣況を把握しておき釣れているターゲットを狙いましょう
- いろんな釣りをせず、釣り方をサビキ・イソメをつけた脈釣り・ウキ釣りのいずれかに絞りましょう
- まわりの人が釣れている釣り方をまねしましょう
- サビキで釣れない場合は①ハリスが太すぎ②針が大きすぎ③サビキの種類のいずれかです。イワシなどはパニックサビキが万能です
まとめ
今回は川崎市にある東扇島西公園の釣り場を解説しました。
都内からアクセスがよく、年中魚影が濃い釣り場です。
家族連れでも楽しめる快適な釣り場のため、週末や連休は混雑し、釣り座を確保することが困難なこともしばしば。
できれば平日に釣行できるとよいでしょう。
参考サイト:川崎市・東扇島西公園
東扇島西公園の釣りに便利なアイテム
▼ちょっとしたウキ釣りやサビキ釣り、ルアー釣りはシマノのシエナコンボが便利
▼シーバス、マゴチ、カレイなど長めのたも網を持参して取り込みましょう。
▼水汲みバケツは透明のものを持参すると子供も喜びますよ
▼アイゴ・ハオコゼ・ゴンズイなどの毒魚が釣れるのでフィッシュグリップとプライヤーを持参しましょう
近隣の釣り場解説
▼近くにある「ふれーゆ裏」の釣り場解説記事
