忖度なしの「アナリスターマゴチ」実機インプレ!マゴチXやライトゲームロッドとの違いを解説!

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アナリスターマゴチのネーム部
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サイマキやハゼ餌をつかった船マゴチは主に東京湾で人気の釣り物。

もともと真夏中心の釣り物でしたが、近年はロングシーズン化し春から晩秋まで狙われています。

一部、周年出船している船宿もあり、

今回は2016年に発売されたダイワのアナリスターマゴチについて、下位機種ライトゲームXやライトゲームロッドとの違いを解説します。

目次

アナリスターマゴチの基本スペックと所感

<アナリスターマゴチのスペック>

出典:ダイワ

ダイワの船マゴチ用中位機種アナリスターマゴチは、2016年に発売されて以来、マゴチ釣りでマゴチXに続いて人気の竿です。

だいだい釣り船に20人乗っていれば、7人がライトゲーム竿、5人がマゴチX、3人がアナリスターマゴチ、5人がその他の竿というぐらいの比率。

上位機種にメタリアマゴチ(215㎝1モデル)があり、下位機種にマゴチX(210㎝1モデル)があります。

船上でみかける順は以下の通り。

 

  1. ライトゲームロッド
  2. マゴチX
  3. アナリスターマゴチ
  4. メタリアマゴチ(あまり見ない)

 

販売数としては圧倒的にマゴチXが多いようです。ORETSURI経由でもマゴチXはかなり売れています

そういった背景もあり、マゴチXは外装面を中心に2021年にアップデートされたものの、アナリスターマゴチはアップデートなしで販売され続けています。

アナリスターマゴチは215㎝に加えて、235㎝のやや長竿があるため、置き竿や2本竿でのステップアップを考える場合にも人気。

組み合わせとしては以下のようなパターンが想定できます。

 

<2本竿での組み合わせの例(ダイワ)>

  • (手持ち)マゴチX210+(置き竿)アナリスターマゴチ235
  • (手持ち)アナリスターマゴチ215+(置き竿)アナリスターマゴチ235
  • (手持ち)メタリア215+(置き竿)アナリスターマゴチ235
  • (手持ち)ライトゲームX73MH(M)190+(置き竿)アナリスターマゴチ235

※一般に仕掛けとタナの安定性から長竿を置き竿にする釣り人が多い。
※1本竿でやる人が235を買うことは少ないようで、だいたいが215をつかっている印象です。

アナリスターマゴチのインプレ

ここからはアナリスターマゴチの実機インプレです。

こちらは全体。アナリスターシリーズ統一のデザインとカラーリングですね。

同じアナリスターでも、比較的販売数が出るものはエアセンサーシートモデルにアップデートされています。

前述の通り、アナリスターマゴチは以前のシートのまま。

餌マゴチは、ほぼほぼ東京湾に限られてきますしね。それは仕方ない。

グリップまわりに派手な色があることもあり、ネーム部はバランスをとってか「Xシリーズ」より主張が控えめ。

いつもマゴチ釣りに使っているゲンプウ200PGを合わせてみました。

マゴチ釣りにリール性能は高度な不要なので、ゲンプウ(XT)とかフネX(XT)あたりがちょうどいいと考えています。

ダブルハンドルのほうが前アタリからのやりとりをしやすいです。

ちなみにゲンプウもそうですが、やや長竿に軽めのリールを装着すると、自然と竿先が下がるようになります。

自然に起きる竿先下がりは、特にビギナーであるほど問題です。

どういうことか。

手持ちで狙う場合、釣り慣れていないほど、タナの位置を固定する力が持続できないため、中盤戦以降のタナボケ(サイマキが底を這ってしまう)につながるのです。

竿を水平下付近に維持し続けるのは集中力が必要ですしね。

タックルバランスが悪い場合、手持ちで頻繁にタナ取りするよりは、置き竿で一定タイミング(例:30秒~1分に1回)でタナを取り直した方がよい場面もあります。

リールの重さによる竿先下がりを強制的に直すなら、オシアコンクエスト200PGやバサラ100のような重めのリールを合わせましょう。

持ち重り感がやや軽減します。

ゴールド系カラーはアナリスターにもよく合いますしね。

個人的にはオシアコンクエスト派なのですが、ダイワの竿なので、バサラ100のほうがしっくりくるかもしれません。

ゲンプウはゲンプウでアナリスターの赤系とよく合いますね。

リールシートは3フィンガーパーミングするとブランクに薬指が触れる仕様。感度は向上することでしょう。

とてもパーミングしやすいリールシート&トリガーのバランスです。

ブランク構造はアナリスターシリーズ共通で「X45」が採用され、ねじれに強いのが特徴。

細身ながらバットはしっかり。このあたりの強さはマゴチXとほぼ同じな硬さです。

50㎝を超えてくるとマゴチも力強い引きなので、安定して合わせてやりとりできますね。

ガイドを固定するスレッドは大人な色合い。

肝心の穂先もアナリスターの特徴ですが、白ベースです。

船マゴチの場合、置き竿の場面もあるため、手感度はもちろん目感度も屈指する必要があります。濁った海に対してこの白い穂先はかなりみやすいです。

特に2本竿で置き竿にする時間が長い場合、目感度での判断力が上がるのは明らかに白穂先です。

マゴチXはデザインの統一性を重視して黒い穂先ですが、眼でもあたりを敏感にとりたいのであれば、圧倒的に白穂先がおすすめです。

専用竿「マゴチX」やライトゲームロッドとの違い

次にアナリスターマゴチと下位機種21マゴチXとの違いを比較していきます。

<新型(21)マゴチX・Rのスペック>

出典:ダイワ

アナリスターマゴチとマゴチXの主な違いは以下の通り。

 

(マゴチXは)

  • 長さが1モデルで、210㎝とわずかに短い
  • 自重がわずかに重い(アナリスターマゴチ215に対して+7g)
  • カーボン含有率-20%
  • ソリッド穂先が黒系(ブランクス本体と統一)
  • ソリッド穂先がアナリスターマゴチよりハリがある印象
  • TOPガイドのみSiC。アナリスターはすべてSiCガイド

▼マゴチXについての解説はこちら

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手持ちのマゴチXが旧型なので、そちらをもとに比較していきます。

こちらはアナリスターマゴチとマゴチXの全体比較。

遠目に見ると、穂先とグリップ類もカラー以外は似たようなデザインです。

左マゴチX、右アナリスターマゴチ

アナリスターマゴチが5㎝長いわけですが、5㎝では使い勝手はほぼ変わりません。

グリップエンド側のEVAがやや細目。

リールシートやロックナットも似たようなデザイン。

とはいってもアナリスターは色が独特なので、はた目から見るとまったく違うような竿にみえますね。

ここでパーミング性能の差をあげておきます。

トリガー位置を合わせた時に、旧型マゴチXのほうがリールシートがやや前側にあります。

3フィンガーグリップで小指と薬指をトリガーにかけてパーミングしてみます。

その後、人差し指をレベルワインド側にずらす。船小物釣りになれている方でよく見る持ち方です。

こうした持ち方をすると、マゴチXのほうがトリガーから距離が離れるので、やや持ちづらい感があります。

このように人差し指をロックナット上にもっていき、よりパーミング性能を高めようとします。

アナリスターはトリガーから距離がより短く、マゴチXはやや遠くなるという話です。

マゴチXでこの持ち方は手が大きくないとやりづらい

かなり微妙な話なのですが、手が大きくない場合、このような持ち方をすると、パーミングのしやすさに差がでます。

より小型のリールを使う場合はなおのこと差がでます。

それと、アナリスターマゴチはトリガー前が削られ、横幅もスマートになっています。

上:旧型マゴチX 下:21マゴチX

ちなみに、新型の21マゴチXはリールシート部がやや削られてスマートに変更されています。

各種マゴチ竿とライトゲームロッドの穂先を比較

次にマゴチ釣りで重要な穂先を見ていきましょう。

マゴチ釣りで穂先は釣果の入り口。

マゴチの前アタリや、フグやイカのちょっかいを判断できないとマゴチでは釣果を上げることができません。

マゴチXはTOPガイドのみSiCで、アナリスターはすべてSiCガイドです。

また細かい点ですが、アナリスターのガイドフットは穴抜きがされ、やや軽量化されています。

まず、マゴチ釣りでよく用いられるバランスシンカー15号をぶら下げてみます。

スペック上の先径はマゴチXのほうが0.2mm細いようなのですが、テーパーの差なのかグラスソリッドの硬さの違いなのか、アナリスターマゴチのほうがよく曲がります。

ソリッド部のグラス使用率差だと思うのですが、マゴチXのほうがソリッドにハリがある印象です。

このことからマゴチの微妙な前アタリや居食い、フグのバイトに対しては、アナリスターマゴチのほうが目感度がよいことがわかりますね。

穂先の白もあるので差がでるはず。

こちらは20号オモリに変えたもの。

次に手元にあった、がまかつのマゴチスペシャルを加えて比較してみます。

まず15号オモリから。

マゴチスペシャルはソフトな穂先ですが、先径1.3mmということもあり、曲がりという点ではマゴチXやアナリスターマゴチと差がでています。

20号オモリではこのようになりました。

また、マゴチスペシャルは7.5:2.5調子なのですが、穂持ち(グラスソリッド手前)があまり曲がらない特殊なタイプ。

マゴチXとアナリスターマゴチは穂持ちから曲がります。

次にライトゲームロッドとの差はどうなのでしょう。

手元にあった、シマノの19ライトゲームBB(73MH195)と旧型のライトゲームSS(TYPE73 M190)を加えて比較してみます。

柔らかい順に以下の通り。

  1. シマノ旧型ライトゲームSS(TYPE73 M190
  2. 同19ライトゲームBB(73MH195)
  3. アナリスターマゴチ
  4. マゴチX
  5. マゴチスペシャル

あれ。

あまり考えないでざっくり比較したので、ちょっと意外でした。

というのも、一般的にライトゲームロッド類のほうがマゴチ竿より穂先が固めに作られていると考えていたからです。

が、よく考えるとそれはダイワのライトゲームXとの比較であって、シマノのライトゲームBBとの比較では同じではないというわけです。

上がライトゲームX73M190の穂先、下が21マゴチXの穂先。前者はより丈夫にできている

マゴチ釣りに対応するライトゲームXの73調子は先径が1.6mmとやや太目で統一されています。

1.6mmあるとビギナーでも穂先を折りづらいですし、低めのカーボン使用率をとっても、ライトゲームXは初心者が安心して使えるように、より丈夫さに振り切ってつくられている印象です。

対して、ライトゲームBBはカーボン使用率もやや高めで、先径が1.0mmで統一されています。

だからアナリスターマゴチやマゴチXより穂先が柔らかいわけですね。(実際には同じようなグラスソリッドでも硬さ・ハリの違いがあります)

20号オモリをぶら下げた様子です。

この結果をみて、考えたのは以下の通り。

もし「マゴチ釣りで穂先の繊細さがほしい」というニーズがあったとします。

で、もしシマノ・ライトゲームBB73M195、73MH195 ユーザーであれば、「あえてマゴチXを買わなくもいいんじゃないの」という観点です。

このあたりをマーケティング的に考えると、シマノは「局地的な釣りはライトゲームロッドで吸収し、ライトゲームロッド内でアップセルを狙う」的な考え方なのかもしれません。

こうしてあれこれ穂先をならべて比較することでわかってきた考えです。

アワセを考慮してバットの強さがMよりほしければMHを選ぶ。

アナリスターやマゴチXのような長さがほしければ、ライトゲームBB73MH225を選べばよいはずです。

置き竿用途で考えると、アナリスターマゴチ235より10cm短いですが、まーあまり変わりません。

ということで、ORETSURIらしく、忖度なしで「アナリスターマゴチがいいよ!おすすめ!絶対買ったほうがいい!」という話からは飛んじゃいましたね。

アナリスターマゴチを実釣で使ってみた印象

空前絶後のマゴチフィーバーが終わったあとの東京湾にアナリスターマゴチをもって、釣りにでかけました。

平日にも関わらず釣り客は16、7人程度。

大潮で混み具合もそこそこ。左舷胴の間で1本竿でチャレンジです。

千葉側はサバフグが多いとのことで、手感度をあげるために、いつもつかっているゲンプウより軽いスティーレSS(160g)を合わせました。

190cm程度のライトゲームロッドに比べて、215㎝は置き竿でも十分つかいやすい

手感度はマゴチXより上で、目感度も白い穂先が見やすくとてもアタリがわかりやすい印象を受けました。

さらに、穂先がとくに柔軟なため、マゴチの前アタリを察知してから聞き上げで攻めていく際に、違和感を持たれて離されるということがゼロでした。

大潮で前半は潮による動きもそこそこあり、油断しているとテンションを張りすぎて、餌を吐き出されるということがある場面です。

結果はマゴチのアタリは6回でそのすべてをかけることができました。

最大はこちら。千葉から八景側にもどってきて掛けたマゴチですが、産卵後のコンディションもすっかり戻り、かなりの引きでしたね。

船の釣果もおそらく0~6本。久しぶりのマゴチにしてはよい結果だったと思います。

まとめ

今回はダイワのアナリスターマゴチについて、下位機種マゴチXやライトゲームロッドとの違いなどを詳しく解説してきました。

それにしても、どうやってこの記事をまとめるのか悩みました。

アナリスターマゴチはもちろん良い竿で間違いないのですが、誰にとっても買うメリットがあるかというとそうでもないというわけです。

ということで、最後にアナリスターマゴチを買うメリットになりそうな点をまとめてみました。

 

<アナリスターマゴチのメリット>

  • アナリスターのデザイン(好みはあるが)
  • アナリスター230の適度な長さ
  • 軽さ(ライトゲームBB73、マゴチXよりわずかに軽量)
  • オールSiCガイド
  • 目感度の点で白い穂先(市販では「がまかつマゴチスペシャル」と「アルファタックル海人マゴチ」が白)
  • ハリよりアタリへの追従性が高いソフトな穂先(アナリスターマゴチとがまかつマゴチスペシャルの穂先は先径以外のソフトさが似ています)

 

こういった点にピンとくる方は、ぜひ買うとよいと思います!

個人的には、適度な長さ、軽さ、追従性が高いソフトな穂先がとても良い点だと感じています。

とはいえ、釣果や釣趣を上げるという点でいえばどうなのでしょう。

マゴチXを持っている人の場合で、アタリが微妙にわからないという方は、アナリスターマゴチの穂先による感度向上はメリットが高いはずです。

では、ライトゲームロッドを持っている人で、もっとマゴチを釣りたいと考えている人はどうでしょうか。

ライトゲームXを持っている人の場合も、マゴチXやアナリスターマゴチは穂先の感度という点でかなりメリットがあります。

続いて、ライトゲームBBを持っている場合はどうでしょうか。

実際のところ、穂先の感度という点では、すでにライトゲームBB73やライトゲームSS73を持っている人は、あえて手を出さなくてもよいのではないでしょうか。

以上、アナリスターマゴチを起点に、マゴチ竿について諸々考えてみました。

みなさんのマゴチ竿選びの参考になれば幸いです!

ではでは。

平田 剛士(@tsuyoshi_hirata

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