多くの日本人に愛される国民的な魚がマアジ。刺身・寿司・干物の定番ですね。
釣りのターゲットとしてもマアジは大人気で、岸、船、餌、ルアーといろんな釣り方があります。
マアジはサイズによって「豆アジ」「小アジ」「中アジ」「大アジ」というように呼ばれますが、どのような基準があるのでしょうか?
尺アジ、ギガアジ、テラアジ、鬼アジという釣り人がよく使う名称の判断基準はどこにあるのでしょうか。
今回は「ジンタ」「豆アジ」「小アジ」「中アジ」「大アジ」などマアジの名前の違いについて解説します。
結論:アジのサイズごとの呼び名は人によって異なる
はじめに結論です。
マアジのサイズ別呼称には明確なルールがありません。釣り人によって異なります。
水産業で流通する場合も地域によって基準や呼び名が異なります。
釣り人からみたアジの呼び名は概ね、以下の通りです。
- 豆アジ:10cmぐらいまで(だいたい人差し指程度のサイズ)
- 小アジ:10~15cmぐらいまで(片側のサクで寿司が一貫作れる程度)
- 中アジ:15~25cmぐらいまで
- 大アジ:25㎝以上。最大は50㎝程度
<その他アジの呼称>
- 尺アジ:30㎝以上のアジ
- メガアジ:30㎝以上のアジ(特にルアーマンからそう呼ばれる)
- ギガアジ:40㎝以上のアジ(特にルアーマンからそう呼ばれる)
- テラアジ:50㎝以上のアジ(特にルアーマンからそう呼ばれる)
- 鬼アジ:鬼アジは大阪湾の沖合で釣れる40cmを優に超える大型のマアジ。標準和名オニアジとは別
- 黄アジ:沿岸部に居つくマアジの総称。背がモスグリーンで尾などに黄色味がある。しばしば金アジ黄金アジと呼ばれる
- 黒アジ:沖合を回遊するマアジの総称。背や尾が黒い
- 青アジ:マルアジの別名。背中が青黒く見えるため
次に「豆アジ」「小アジ」「中アジ」「大アジ」の特徴について解説していきます。
「豆アジ」はサビキ釣りで人気
豆アジ=ジンタと呼ばれるサイズ
豆アジは10㎝以内程度のアジを指す釣り人が多いです。
主に堤防からのサビキ釣りで狙われています。
シラス漁などの網に混じる指先程度の小粒のアジは特に「柿の種」「豆」「アジゴ(鯵子)」「ジンタ・ジンタン(仁丹に由来)」とも呼ばれます。
初夏に生まれたアジは夏から初秋までにサビキで釣れる程度のサイズに成長します。
豆アジは身がほぼないため、唐揚げにして丸ごと食べるのが一般的。
丸のまま食べることから、独特の風味があり大変美味。
※特にサビキはたくさん釣れすぎるので、ほどほどに。
豆アジは鱗やゼイゴはそのままに手で下処理できる
<豆アジの釣り方>
- サビキ釣り
<豆アジに適した料理>
- 唐揚げ
- 南蛮漬け
- 塩漬け(アジガラス)。特に柿の種サイズ
「小アジ」の引き味は弱いが意外に脂もあっておいしい
小アジはおおよそ10~15㎝程度のアジを指す人が多いです。
特に冬から春にかけて多く釣れます。
岸からのアジングでは小さい口に掛けるのが難しく、かなりテクニカルな釣りになりがち。
このころになると、少量ながらサクが取れるようになり刺身にもできます。
お寿司であれば片側のサクで1貫分になるのがこのころです。
小アジサイズはヒラメ釣りなどの餌としても最適。
<小アジの釣り方>
- サビキ釣り
- ウキ釣り
- アジング(ワーム)
- ライトアジ
<小アジに適した料理>
- 唐揚げ(ゼイゴが気になってくるサイズなので取り除く)
- 背ごし
- 刺身
- 鯵辛
「中アジ」引き味が良くなるサイズ。もっとも釣り人に好まれる?
多くの釣り人は中アジが一番うまいと言う
中アジは15~25cmぐらいまでのサイズ。
中羽(ちゅうっぱ)とも呼ばれ、釣れる量や食味の良さで釣り人に一番人気のサイズです。
定番のアジフライや刺身は中アジサイズがもっとも適しています。
<中アジの釣り方>
- サビキ釣り
- ウキ釣り
- 遠投かご釣り
- アジング
- ライトアジ
- ビシアジ
<中アジに適した料理>
- 刺身
- アジフライ
- 塩ユッケ、ユッケ
- たたき
- なめろう
- 鯵辛
- 干物
「大アジ」の引きは強烈だが「大味」の個体が多い
40㎝級の大アジ(黄アジ型)
大アジはだいたい25cm以上のサイズで、最大で50㎝以上の個体がいます。
特にルアーマンからは「メガアジ(30㎝以上)」「ギガアジ(40㎝以上)」「テラアジ(50㎝以上)」「鬼アジ(40㎝以上、大阪湾付近)」とも呼ばれるサイズです。
エリアによりますが、大アジサイズはより沖合を回遊し「黒アジ型」になっていることもしばしば。
黒アジ型のマアジ。大型で細長く筋肉質。脂が少ない
引き味は大サバのように強く、2号未満の細ハリスは切られることが増えてきます。
2号~3号のハリス、もしくは2号ハリスにクッションゴムを併用しましょう。
大アジクラスの個体に共通するのが食味がやや大味という点です。
中アジに比べた場合ですが、脂ノリ以前に身のうまみが弱く感じられる個体が多いです。
刺身にすると立派な見栄えですが、加熱調理やたたきなどが適しています。
9月の大アジ(黄アジ型40㎝級の刺身)
<大アジの釣り方>
- 遠投かご釣り
- アジング(魚食性がさらに強くなり、メタルジグやスピンテールジグへの反応もよい)
- ライトアジ
- ビシアジ
<大アジに適した料理>
- 刺身(やや身が固い場合が多く、飾り包丁を入れるとよい)
- アジフライ(サクが大きいので、2つもしくは3つに切り分ける)
- 塩ユッケ、ユッケ
- 炙りたたき
- 鯵辛
- 干物
まとめ
食味の差はあれど、だいたいみんなうまいのがアジ
今回は大衆魚「マアジ」のサイズ別の呼び方について解説しました。
人や地域によって「豆アジ」「小アジ」「中アジ」「大アジ」という呼称の基準は異なります。
またサイズごとに適した調理法も変わってくることをご理解いただけたかと思います。
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