神奈川県逗子市にある逗子海岸は海水浴で人気のスポット。周辺ではさまざまな釣りを楽しむことができます。
今回は逗子周辺の釣り場とルールを解説します。
※本記事は逗子在住の筆者@tsuyoshi_hirataが解説します。地元のゴミ拾い活動や、ゆるやかなスタンスから釣り場として禁止されていないエリアなので、釣りのルールやマナーをよく守って楽しみましょう。小坪港内は釣り禁止です。
逗子の釣り場の特徴
逗子海岸は全長850m程度のちょうどよいサイズの海岸
逗子海岸は相模湾に面し、鎌倉と葉山に挟まれた三浦半島西岸の付け根に位置しています。
南に田越川(たごえがわ)が流れ込み、河口と海岸エリア、小磯での釣りを楽しむことができます。
北に小坪港や大崎までや和賀江島付近の小磯、南に小浜・浄水センター裏という釣り場もあります。
全体的に水深が浅く、逗子海岸の岸よりは満潮時でも1m前後と遠浅。100m遠投してもそれほど変わりません。
あまり大型の魚は望めませんが、キスなどの小物釣りなら十分に楽しむことができます。
電車でのアクセス
JR逗子駅もしくは京急逗子・葉山駅から徒歩で15~20分程度です。
駅から気軽に歩いていけます。
※京急逗子・葉山駅南口側のセブンイレブンでは釣り餌・釣具は手に入りませんが、途中の愛古堂や渚橋のファミリーマートで釣り餌が手に入ります。(後述)
車でのアクセス(東京方面からの場合)
品川駅から逗子海岸まで1時間10分~30分程度(道路がすいている場合)。
首都高→横浜横須賀道路→逗子ICという流れです。
逗子海岸の施設概要(営業時間・駐車場)
逗子海岸はフラットかつ奥まっているので比較的波が立ちづらい
逗子海岸では24時間釣りができます。
ただし、海水浴シーズン中は逗子海水浴場区域(海岸中心部に設置)のみルールが変わります(後述)。
駐車場は豊富にありますが、ハイシーズン(おもに海水浴場開設期間)は高騰するので注意が必要です。
逗子周辺のポイント解説(釣り場の特徴)
A:田越川河口部(導流堤・砂地メイン・粒根あり)
田越川側では小型メインだがウナギも狙える
田越川河口部は逗子海岸南部に位置するエリアです。
右岸に設置されている導流堤から田越川側もしくは逗子海岸側を釣ることができます。
田越川側は澪筋が左岸側にあり、シーバスなどはこのエリアを狙うのですが、個体数があまり多くありません。
ところどころに粒根・流下してきたゴミ・台風などでうちあげられた漁業関係のロープなどがあり、ボトムを狙うと根がかりすることがあります。
一度引っかかると取れない根がかりです。
干潮時は澪筋以外に水がなくなるため、ほぼ釣りにならず、満潮時は水底のゴミが見えないので、油断するとルアーや仕掛けをロストすることになります。
また、河口から1本目の渚橋周辺(左岸側は岩盤があり)根がかりが多いエリアです。
導流堤から逗子海岸側を狙う場合は、30mほどの位置にブイとロープ(水上バイクなどが出艇するエリア)が100mほど沖合まで続いているので注意が必要です。
夜間にシーバスなどを狙ってルアーをキャストすると高確率でルアーロストにつながります。
全体的に狙えるのは、シロギス(ピンギスが多い)、ヒイラギ、ウナギ、クロダイ、キビレなどです。
渚橋上流部は干潮時に渚橋左岸部から降りて渡ることができる。護岸に階段もあるが荷物が多いと上り下りがむずかしい
渚橋左岸部から降りた小場所。周辺は岩盤底なので、手前をさびくと根ががかる
南西風が吹く日の導流堤先端は波に注意(右手は30mの位置にブイとロープあり)
導流堤から逗子海岸側を釣る際は足元の沈み根に注意(特に満潮時)
逗子海岸で釣れるシロギスの平均サイズ
B:逗子海岸(サーフ・砂地メイン、北側3分の1は根)
逗子海岸は1年中クサフグが多い
逗子海岸は逗子の釣り場の中心エリアです。海岸部で釣りをする人はあまり多くありません。
海はとてもきれいなのですが、遠浅で地形変化が少なく、餌も多くないため魚種が少ないからです。
クロダイ・アカエイ以外で大型の魚もほぼいません。
岸からヒラメやマゴチなどを狙う場合は、鎌倉以西の海岸に通った方が無難です。
一方、初夏から秋の高水温期は20㎝程度のシロギスがちょい投げで数釣りできることもあり、決まった期間・時間に通う釣り人もいます。
海岸北側の底質は岩盤。ベラや黒鯛が多い
海岸北側の防波堤に乗ることはできるが自己責任で。周辺は浅く小物は狙えます。
GW周辺など大潮最干潮時は逗子海岸から大崎・小坪方面まで干上がるので穴釣りや磯遊びにもってこい
イナダやワカシなどの回遊魚がイワシを追って湾内にくることは稀
C:小浜海岸・浄水管理センター裏(サーフ・砂地メイン、一部根)
小浜海岸・夏から秋にシロギスが釣れる
小浜海岸は葉山町に位置し、隣接する浄水管理センター(通称:浄化センター)は逗子市にあります。
全長60m程度の海岸で、夏から秋にシロギスを狙うことができます。
浄水管理センターは裏手に平たいブロックエリアがあり、小浜海岸北側からわたることができます。
満潮時は、大人のひざ程度まで海水が上がるため、ウェーダーが必要。
夏場で濡れてよければいつでもエントリーできます。
浄水管理センター裏の釣り場(小浜海岸側)。足場は比較的よい
浄水管理センター裏に行くための入り口
浄水管理センター裏からは逗子海岸を望んで釣りができる
狙える魚は、シロギス、メゴチ、ヒイラギ、アカエイ、シーバス、クロダイなど。
浄水管理センターの温排水には、ボラなどの魚が集まり、シーバスや青物が寄ることもあります。
穴釣りでのカサゴ、ムラソイなどは、一見釣れそうですが、あまり期待できません。
D:小坪港・逗子マリーナ裏(港内釣り禁止)
逗子・小坪港遠景
港内は釣り禁止が明記されてしまった
小坪港(港内)はサビキやちょい投げなどが楽しめるスポットだったのですが、コロナ禍で釣り人が集中し、マナーも悪化したことから、2020年11月から釣り禁止・立ち入り禁止が明記されてしまったエリアです。
以前は黙認されていた防波堤も立ち入り禁止が明記された
逗子海岸周辺でよく釣れる魚
逗子海岸周辺でよく釣れる魚を紹介します。
シロギス(キス)
ピンギスはぶつ切りにしてアヒージョがおすすめ
おそらく逗子海岸付近で一番よく狙われてる魚がシロギスです。高水温期の朝夕は岸からのちょい投げで十分釣れ、潮周りによっては田越川・渚橋上流部でも釣れます。
全体的に小型が多いのですが、群れによっては20㎝程度のサイズが連発することも。
潮位にもよりますが、日中は沖目に移動するため、100m以上の遠投が必要になる場面も。
そんなときはやや水深がある森戸海岸への移動がおすすめです。
クロダイ・キビレ・ヘダイ
クロダイは逗子海岸周辺でよく釣れる魚です。
小型は昼間でもよく釣れるのですが、水深が浅いこともあり、日中に大型を釣るのは困難です。
夜間にウナギ狙いのぶっこみ釣りをしていると、大型のクロダイも釣れます。
海岸側はヘダイも見られる(相模湾ではよく見かけるようになった魚)
キビレも田越川から逗子海岸周辺でみられる
ヒイラギ
ヒイラギも逗子海岸周辺でよく釣れる魚です。
群れているため、1尾釣れると延々と釣れ続きます。
まとまった釣れた場合は唐揚げにすると美味。
ウナギ
田越川は堰がなく、ところどころにウナギが隠れるような地形が多いため、比較的ウナギがよく釣れます。
小型が多いので、大き目のハリを使うなどの工夫が必要です。
ハリを飲まれた個体をリリースする場合、無理に引っ張らないで、ハリスを切って離しましょう。
下流部のウナギはアオイソメ、中流部からはドバミミズを使いましょう。
田越川のウナギは小型のボラをよく食べているので、ボラを餌にするのも一つです。
クサフグ
逗子海岸周辺で一番釣れる魚はクサフグです。
海岸から河川中流部までがテリトリーで、群れが濃いため、一尾釣れると延々と釣れ続きます。
シロギス狙いでは、毎回仕掛けが切られてしまいがち。
ビニールパイプをチモトにつけるなどの工夫をしましょう。
あまりにも釣れる場合は、エリアを変えた方がよいかもしれません。
ゴンズイ
逗子海岸から田越川付近はゴンズイがよく釣れます。
比較的大型も多く、夜釣りでちょい投げをしていると高確率でヒットします。
胸鰭、背鰭の棘に毒があるので、注意しましょう。
フィッシュグリップは必携です。
岸に放置するのは厳禁。
ホタテウミヘビ・ダイナンウミヘビ
逗子海岸や田越川周辺でぶっこみ釣りの仕掛けを放置したり、泳がせ釣りをするとしばしば釣れるのがホタテウミヘビやダイナンウミヘビです。
特にダイナンウミヘビは歯が鋭いので針外しやリリースの際に気を付けましょう。
ホタテウミヘビ
海底から顔を出すダイナンウミヘビ
アカエイ
逗子海岸周辺では、アカエイもよく釣れます。
小型から10㎏ぐらいのサイズまでいるので、投げ竿の放置などは注意です。
リリースする際は尾の付け根の毒棘に注意しましょう。
メッキ
田越川河口付近では秋を中心にメッキ(ヒラアジ系の幼魚の総称)が釣れることがあります。
渚橋から富士見橋周辺で満潮に伴い、イワシなどが遡上してくるタイミングでよく釣れます。
逗子周辺でのルールとマナー(釣り禁止・立ち入り禁止・注意事項)
釣りをしない人のほうが圧倒的に多い。周りに配慮しましょう
小坪港内は釣り禁止・立ち入り禁止
前述の通り小坪港内は釣り禁止・立ち入り禁止が明記されました。
海水浴シーズン中の逗子海岸に注意
海水浴シーズン中は多くの観光客が訪れます。
「逗子海水浴場区域」(海岸中心部に設置)での釣りは控え、海岸両端や河口部などで釣りを楽しみましょう。
海岸両端では釣りができる
×その他危険行為(人が密集する所での球技、釣り、ドローンの使用等) ※事前許可は可
出典:逗子市
また、逗子海岸は海水浴シーズン以外でも観光客、地域住民や犬の散歩などでにぎわうスポットです。
長竿の取り扱い、ルアーや重いオモリをつかった釣りは特に毎投周囲を確認して行いましょう。
ゴミ問題
逗子周辺は地域住民の意識が高く、海岸の美化・清掃も頻繁に行われています。
よく見かけるのが、田越川導流堤の穴にゴミを捨てていく光景です。絶対にやめましょう。
また、高切れが起こってしまうと、危険です。道糸は点検し、無理な投げ釣りは控えましょう。
風が強い日は、ビニール類や仕掛けなどが飛ばされないような工夫(バッグにしばる等)も大切です。
バーベキュー以外のゴミは海岸中央トイレ付近のゴミ箱へ捨てられるので、不法投棄はやめましょう。
毒魚やフグを岸壁や砂浜等の上に捨てない
海岸エリアではクサフグやゴンズイがよく釣れます。
食べられないから、持ち帰らないからといって、陸上に魚を放置する行為は慎みましょう。
逗子海岸周辺の釣具・釣り餌店
ファミリーマート 逗子渚橋店
夜間でも生き餌(イソメ・ジャリメ)・オキアミ・アミエビや簡単な仕掛けが手にはいるスポットです
愛古堂
遊漁船の出船にあわせ、早朝から営業している逗子にある歴史ある釣具店です。逗子周辺での釣りに必要な仕掛けはみな手に入り、イソメなどの生き餌もあります。
- 5時00分~18時00分、水曜定休
- https://aikodo.jp/
まとめ
今回は逗子海岸周辺の釣り場情報を紹介しました。
水深は浅く、釣りのスポットとしては物足りないと感じる人も多いはずです。
一方、小物狙いであれば、サーフ、河口、小磯、防波堤など、多くの楽しみ方があります。
地域のみなさんは環境意識がとても高く、ゴミのポイ捨てなどは厳禁です。
路駐なども絶対にやめましょう。
逗子岸周辺の釣りに便利なアイテム
水汲みバケツ 透明
透明な水汲みバケツはリリース前提の小物を観察するのにもうってつけ。子供連れの場合、さらに楽しめるはず。逃がすのであれば、観察後に速やかにリリースしましょう。
フィッシュグリップ
ゴンズイ、ヒイラギなど棘やぬめりがある魚はグリップがあると安全につかめます。
ジェット天秤
ちょい投げは5号程度のジェット天秤が便利。水深が浅いため、重いオモリは警戒心の高いシロギスが散るきっかけになってしまいます。
小型クーラーボックス
ちょい投げであれば~10リットルのクーラーボックスがあれば十分です。
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