レンタルロッドで船釣りに挑戦してみると次第に自分の竿がほしくなってきますね。
はじめは借りてしまうのがお手軽ですが、丈夫さ重視のためグラス素材主体のものが多く、感度が低めで重いものことがほとんど。
船釣りは自分の手になじむものや狙う釣り物に適した専門の釣り竿を手に入れることができれば、さらに楽しい世界がまっています。
今回は初めて船釣りに挑戦される方や初心者向けに船竿の選び方をわかりやすく紹介します。
まとめサイトの謎ランキングやズレた選び方ではなく、実釣に役立つ情報を提供します。
※本記事で紹介する船竿は、これからはじめる際に最も汎用性が高いライトゲームロッド類について紹介します。
船竿の特徴について
船竿はルアーフィッシングではベイトロッドと呼ばれる形式のものがほとんど。
リールシート上部に両軸リール(ベイトリール)を装着します。
シロギスやカレイなど投げて手前に探ってくるような釣りではスピニングロッドも使われます。
一方、船の釣りの場合、釣り座の直下に落とし込むのが基本です。
船釣りではオマツリをさけつつ仕掛けを操作しやすくするため、物理的に真下に落としてタナを探る釣りがメインになるわけです。
タナを細かく探ったり微調整をする釣りの場合は、スピニングリールだと作業工数が多くなります。
<リールによって異なる動作>
- 両軸リール(ベイトリール):クラッチを切る→道糸を出す→クラッチを戻して、リールを巻く
- スピニングリール:リールのベールを起こす→道糸を出す→ベールを戻してリールを巻く
仕掛けを落とす際の動作はそれぞれ同じように見えますが、スピニングリールを利用した場合、実際は持ち手を変えたりベールを起こして戻すという動作が入ります。
このため1日船釣りをしていると手返しの点でかなりのロスが生じます。
釣りは仕掛けを水中におろしていない限り魚を釣ることができません。
そのため、手返しがよくなるということはそれだけ釣果を上げる可能性をあげることに繋がるわけです。
船竿の選び方
次に、はじめて船竿を買うときの選び方についてお話します。
まず釣り自体が初心者である場合は、以下のポイント全体を把握しておきましょう。
<船竿を選ぶ6つのポイント>
- 竿の調子(釣り竿の曲がり方)
- 適したオモリの重さ(オモリ号数)
- 竿の長さ
- 竿の素材(カーボン・グラス・ガイド素材)
- 竿の見た目
- 竿の値段とラインナップ
では、それぞれ説明していきます。
①竿の調子
船竿の調子は、竿がどの部分から曲がるかという意味合いです。
極先調子(9:1=キューイチ)、先調子(8:2=ハチニー、7:3=ナナサン)、胴調子(6:4、5:5)のように分かれています。
これは竿全体が10だとすると、どの部分から竿が曲がるかを指しています。9:1であれば、だいたい先端側が全体の1割部分から竿が曲がるわけです。
次にそれぞれ調子の特徴をみていきましょう。
写真はカワハギ竿。極先調子(9:1)の釣り竿はアタリがとりやすいが魚がバレやすい
極先調子(9:1)の釣り竿は主にカワハギ釣り・フグカットウ釣り・スミイカのテンヤ釣りで用いられています。
カワハギやフグのようにエサをとるのがうまい魚のアタリを繊細に感じ取ることに適しています。
また、より軽いオモリでの底取りもしやすい調子です。
一方、9:1の釣り竿にはデメリットもあります。
魚がかかったときに竿の曲がりによるショック吸収力が低く、魚がばれやすいのです。
また、同じ原理で魚のアタリを弾きやすくなります。
ほかに、穂先(竿の先端)部分が折れやすいデメリットもあります。
特に繊細なカワハギ専用竿などは「穂先ガード」を付けて持ち運ぶのが一般的です。
写真はスミイカのテンヤ竿。ほぼ竿先しか曲がっていないのがわかる
<9:1の船竿で狙いやすい魚>
- カワハギ
- フグ
- スミイカ(テンヤ・スッテ)
- タコ(テンヤ・エギ)
先調子(8:2)の釣り竿はコマセをつかった釣りなどで、「シャクリ」という竿を勢いよく立てる動作の制御がしやすい竿です。
適度にアタリもわかりやすいメリットもあります。
コマセをつかったアジ釣りや五目釣りなどでは、それほど神経質に釣り竿をしゃくらなくても魚が釣れます。
一方、先調子気味の釣り竿を使うと、しっかりメリハリをもってしゃくることができるのです。
アマダイの釣りでは餌が残っているかを敏感に感じ取る必要がある。8:2がオススメ
8:2調子が生きてくる釣りは、昨今東京湾や相模湾でも人気の「アマダイ釣り」や「タチウオ釣り」です。
まずアマダイの釣りは水深が深め(60~100m程度)です。
コマセを使わないため、釣り針に餌のオキアミがしっかりついていないと、釣り上げることができません。
本命以外の黄鯛・トラギス・アカボラ(ヒメコダイ)・ヒメが餌をついばんだり、本命アマダイの細かいアタリに気づかないと、いつまでも空針状態で釣り続けてしまいます。
では、9:1調子のカワハギ竿などが向いているかというと、40~80号程度のオモリ負荷に対応できないことが多く、操作性が下がってしまいます。
またヒットしても深場から釣りあげるまでにバレやすくなってしまいます。
こうした要素を踏まえ初心者がアマダイを釣る際は、7:3の調子の竿より8:2の釣り竿で挑戦するのがオススメです。
次にタチウオ釣り。東京湾のタチウオ釣りでは天秤に2m程度のハリスをつけ、その先にサバやコノシロの身餌をつけます。
8:2の竿はこの身餌をシャクる時にしっかり餌を動かしやすいのです。
7:3の釣り竿は一番汎用的に使えるので初心者が最初の一本に選ぶのに適している
<8:2の船竿で狙いやすい魚>
- アマダイ
- タチウオ
- カワハギ(たるませてからの聞きあげの釣り等)
先調子(7:3)の釣り竿は感度を重視しつつ、食い込ませる部分やバレにくさも意識したバランス型の調子です。
コマセの釣りをしていると、魚のアタリはあるものの、エサのオキアミが先端のみ食いちぎられていたりすることがあります。
これは魚が竿や仕掛けの抵抗感に警戒心をもっている状態かもしれません、
魚の活性にやや難があるときは、やや胴が曲がる調子の船竿を使うと魚をヒットさせやすくなります。
ダイワのマゴチX。7:3調子の船竿
また7:3の調子はマゴチ釣りのように、繊細なアタリに対して食い込ませる穂先と固めの胴部分による強いアワセが必要な釣り物にも適しています。
<7:3の船竿で狙いやすい魚>
- コマセ釣り全般
- マゴチ
- その他すべての魚(汎用)
シマノ ライトゲームSS TYPE64 MH230 は胴調子の竿。
胴調子(6:4、5:5)の釣り竿は眼で穂先のアタリをとるという眼感度重視ではなく、仕掛けを安定させ、違和感なく魚に食い込ませるという点に注力したものです。
真鯛のようにコマセカゴの存在や上下の動きなどに警戒心を持つ繊細な魚や、泳がせ釣りでヒラメや青物を狙うときに使われます。
この調子の竿は海外での呼び名から「ムーチングロッド」とも呼ばれます。
真鯛を専門に狙う際は、コマセカゴや仕掛けなどを指定されたタナからできるかぎり動かさないことが必要です。
胴調子の船竿は波風による船の揺れなどを吸収してくれます。
そのため、多くの真鯛釣り師は胴調子の竿を「キーパー」に取り付けて置き竿にして狙っています。
また青物(ブリ やカンパチ類)やヒラメを狙う際に胴調子の竿をつかうと、魚が餌を食べた際も違和感を持たれづらいため、しっかり食い込みやすくなります。
さらに大型魚の強い引きも柔軟に曲がる竿が吸収するため、有利に釣りあげることができます。
<6:4、5:5の船竿で狙いやすい魚>
②船竿に適合するオモリの重さ(号数)
オモリと竿のバランスがあっていないと釣りにくい
ルアー竿では対応しているオモリのグラム数が釣り竿に表示されています。
例えばブラックバス釣りのライトクラスのスピニングロッドであれば、3-12gのように設定されているので、ルアーはその範囲内の重量を選べばよいわけです。
一方、船竿の場合は「オモリの号数表記」で選択する必要があります。
ライトアジ釣りでよく用いられるコマセカゴ(ビシ)は30号か40号が一般的
たとえばライトタックル指定の釣り船でアジを狙う場合、40号のコマセカゴで釣ることが一般的です。
メインで狙うことが多い釣りで利用するオモリを事前に確認しておき、幅広く対応している釣り竿を選ぶようにしましょう。
25-80号と記載された船竿があったときに、40号のオモリをつけて釣りをすれば、比較的余裕をもって釣りができます。
この範囲外のオモリも使えなくはないですが、竿のオモリ号数に対し、軽すぎるオモリを使うと竿先で錘の着底を判別しにくいです。
逆に竿の対応オモリ号数に対し、重すぎるオモリをつかえば魚もかかっていないのに竿が曲がりすぎてしまいます。
これをオモリ負けといいます。
オモリ負けした竿では操作もしづらく、アタリもなにもわからないようになってしまいます。
③竿の長さ
ほとんどの場合、船竿は短いほど軽く扱いやすくなり、長いほど操作がしにくくなり、持ち重りします。
長い竿のメリットは、竿のリーチを生かしてより小さな操作で仕掛けを大きく動かすことです。
ほかに、長さによってわずかな動きでしっかり合わせを入れることができます。
船の揺れによる仕掛けの上下を吸収するため、置き竿にも適しています。
また、あえて左右の釣り座と竿の長さを変えることによって、隣の釣り座と筋をずらせるメリットもあります。
船釣り初心者でアジや五目釣りなどをする場合は、1.8m-2m程度の釣り竿が仕掛けの操作もしやすく軽量でもあるので、1日操作しても疲れません。
メバル釣りなどの場合、仕掛け自体が長く、メバルサビキでは枝針も多くなります。
こうした釣り物では竿が3m強あったほうが有利です。胴調子であれば長さに加えて船の揺れも吸収しやすくなりますし、食い込みもよくなります。
他に真鯛狙いの竿(コマセ)についても3m前後の竿が選ばれます。
これはコマセかごを安定させ、警戒心の高い真鯛の食い込みをよくし、強烈な引きに耐えるためです。
基本的に船竿は2m前後が汎用的で、そこから釣り物によって長さの長短を変えていくものと覚えておけば問題ありません。
<長竿が適している釣り物>
- 真鯛
- メバル
<短い竿が適している釣り物>
- カワハギ
- フグ
- ビシアジ
- ライトアジ
- 終日手持ちで仕掛けをよく操作する釣り
④竿の素材(カーボンorグラス・ガイド素材)
「カーボン」か「グラス」かの違い
釣り竿の感度は「カーボン素材」が「グラス素材」に優ります。
船竿はルアーロッドと比較してねばり(食わせ要素)や強度を考慮してグラス素材の含有率が高めです。
一方、カワハギなどの感度重視の釣り物向けの竿は、カーボン含有率が高いことが多いです。
高級竿は入門品よりカーボン含有率が高く設定されています。
グラスメインの竿よりカーボンメインの竿のほうが強度が弱く、高級な竿ほど破損しやすい傾向にあります。
高級竿は、特に竿先をはじめ取り扱いに注意が必要です。
カーボンメインのロッドはグラスメインのロッドより軽いため、手持ちで1日操作するようなカワハギ・マゴチ・タチウオやLTウイリー五目といった釣り物に向いています。
基本的に手持ちで釣りをするロッドは、カーボン含有率が高めでなるべく軽めのロッドを利用したほうがおすすめです。
イシモチは本アタリまで時間がかかるため感度が低いほうが食い込みがよくなる
グラスメインのロッドは強度が必要な大物の泳がせ釣りや、あえて感度を落とすことで食い込みをよくする釣り(たとえばイシモチ)に向いています。
ガイドの違い
船竿はトップガイドのみSiCガイドであるものが多く売られています。
ブラックバスやシーバス釣りなどで、オールSiC(高強度ガイドの普及品)のガイドになれている方にとってはやや印象的かもしれません。
- 値段:SiCガイド > ハードガイド
- 強度:SiCガイド > ハードガイド
こちらが釣り竿のガイド素材の価格と強度の関連性です。
船釣りの場合、初心者は巻き上げ時にサルカン(スナップスイベル)部分をトップガイドに巻き込んでしまうことが多く、ガイドを破損する可能性も高め。
そのため、入門ロッドでもTOPガイドだけはSiCガイドが採用された製品を選ぶと安心です。
SiCガイドはサルカンなどが接触しても割れたり傷がつくことがすくない素材です。
ダイワやシマノなどの主要メーカーの入門ロッド(ダイワ:Xシリーズ、シマノBBシリーズ)は基本的にTOPガイドがSiCです。
ほかにガイドを固定している金属の種類(フット部分)がありますが、ステンレスが一番汎用的。
チタン・カーボン等になるとより軽量で感度が良くなります。
ちなみにガイドのフット部分はほぼステンレスなので、最初は気にしなくても大丈夫です。
⑤竿の外装と見た目
釣具店にいくと同じ釣り物でも色々なメーカーから船竿が販売されています。
いろいろとスペック面について話しましたが、自分がこれはかっこいいと思える釣り竿を選ぶことはとても重要です。
釣り竿は釣り人にとって自分の分身のようなものです。
はじめに対象魚やスペック面(調子・重さ・オモリ号数・素材)で選び、その中から、この竿だったら釣れる気がする。
もしくは手にもっているだけでなんとなくしっくりくる(カッコイイと思える)釣り竿を選ぶとよいでしょう。
好きな釣り竿であれば、きっと飽きず釣りをしていられるので、それだけ釣りへの集中力が続き釣果につながる可能性があがるわけです。
誰がなんと言おうと、自分にとって好きな見た目の竿を選びましょう。
船竿の見た目は、以下の要素できまります。
<船竿の見た目の要素>
- 全体的なトータルバランス
- グリップの素材(コルク・EVA樹脂などの人工素材)や形状
- 竿全体のカラーリングやコーティングの濃淡
- カーボンテープやガイドを巻くスレッドの飾り
多くの場合、高価な船竿ほど外装がきれいになってカッコよくなることがしばしば。
釣果と外装はあまり関係ありませんが、各社が行っているカーボンテープをX状に巻く技法は竿の剛性を高めたり感度をよくする効果があります。
⑥竿の値段とラインナップ
船竿も他の釣り竿同様ピンキリですが、大まかに以下のようなクラスがあると覚えておきましょう。
- 専用ロッド(特殊な釣り物・最上級品):5万円~
- 専用ロッド(上級竿):3万円~
- 専用ロッド(中上級竿):2万~
- 専用ロッド(ダイワ・シマノの入門竿):1万円台前半(ダイワがややリーズナブル)
- 専用ロッド(ダイワ・シマノ以外の入門竿):3,000円~1万円
船釣り初心者の場合は、「4」のクラスを選んでおけば間違いはありません。
もうすこし安く済ませたい場合は、5を選んでも問題なく使えます。
4と5の差で異なるのは、カーボン含有量等の違い(5はグラスメインの船竿が増えてくる)による重量や感度・強度の違いです。
ほかに、塗装などの仕上げや素材の高級感等のデザイン面も変わってきます。
オススメの汎用船竿3選(ライトゲームロッド)
ここまで説明した予備知識をもとに、釣り具店の人のよさそうな店員さんに聞きながら1本目の釣り竿を選ぶとよいかと思います。
とはいっても、ネットで購入したい人もいるので、ここで、わたしがオススメする船竿を紹介したいと思います。
船竿といってもたくさんの種類があります。
本記事では、1本あれば、なんでも使いまわしがきく万能的な船竿(汎用ロッド)を紹介したいと思います。
船釣り初心者は、いきなり各釣り物向けの専用ロッドを買わずに、まずあれこれ万能に狙える汎用ロッドを購入しましょう。
そのうち特定の釣り物を極めたくなったら、中上級クラスを手に入れるとよいでしょう。
そうすれば無駄な釣り竿を買うという後悔も少ないはずです。
<船竿を買うまでの流れ>
- まずは船宿レンタルロッドで試す(船宿にもよるが500円~1000円程度)
- 次に汎用船竿(ライトゲームロッド)を購入(オモリ負荷20号~80号程度がベスト)
- 釣り物に応じた中上級クラスの専門ロッドを購入(カワハギ、フグ、イカなどは汎用竿だとアタリがとれない)
結論をいいます。
ライトゲームロッドは、以下の3つから選択すれば間違いありません。
- ダイワのライトゲームXシリーズ
- シマノのライトゲームBBシリーズ
- アルファタックルのライトゲームFTシリーズ
オモリ負荷は20~80号が一番幅広く使えます。
価格面では以下の順に安価です。
- アルファタックルのライトゲームFTシリーズ
- ダイワのライトゲームXシリーズ
- シマノのライトゲームBBシリーズ
とはいっても、船釣りをどれくらいやるかわからないし、もう少し安価なものを選びたいという人もいるはずです。
そういった場合は、プロマリンのバトルスティックシリーズが極めて安価なのでオススメです。
Amazonであれば3,000円前後~購入可能です。船宿のレンタルタックルとしても利用されているアイテムです。
プロマリンの竿はグラス主体のため、重量はダイワやシマノ製品と比べ持ち重りします。
一方、コマセを使ったアジ釣りなど、感度をさほど求められない釣りでは全く問題なく利用できます。
コスト重視なら主要メーカー品で一番安価なアブ・ガルシアの汎用船リール「ブルーマックス船」と組み合わせましょう。
道糸のPEライン1.5号200m込みで1万円弱でタックルをそろえることができます。
筆者が選んで実際に使っている船竿類もこちらにまとめておきました。
参考にしてみてください。
最初に手に取る船竿は「20号~80号」までのオモリを中心に使えるものがオススメ
より広い釣り物にチャレンジしたい場合は、20号~80号程度までのオモリ号数に適したモデルを購入するとよいでしょう。
メーカーにもよりますが、「MH(ミディアムハード)」とされるモデルです。
この範囲であれば、以下のようなライトタックルで狙われている人気の釣り物すべてに対応できます。
<人気釣り物とオモリ号数>
- シロギス(15号程度)
- カワハギ(25~30号程度)
- カサゴ(20~30号程度)
- カレイ(20~30号程度)
- マゴチ(15~20号程度)
- タチウオ(30~80号程度)
- アマダイ(60~80号程度)PEライン2号以内で60号、3号以上で80号などの指定が多い
- アジやコマセをつかったライト五目釣り系(40~60号程度)
- ライトヒラメ釣りなどの泳がせ釣り(30~60号程度)
※東京湾・相模湾での釣り物・釣り方をメインに想定してます。
オモリ負荷15号~60号に対応した船竿は主要メーカーでは「M(ミディアム)」にあたります。
秋冬以降の深場のアマダイやタチウオに手を出さなければこのMクラスの船竿でも対応できます。
Mクラスでは浅場のアジなどの小物の釣趣がさらに増します。
シマノとダイワの汎用船竿はどちらがよいのか?
船竿を購入する際に、最初の一本を考える時に必ず行きあたる点が、シマノとダイワのどちらを選ぶかです。
好みもあるところですが、シマノのライトゲームBBとダイワのライトゲームXを比較したときに以下のような差があります。
- カーボン含有率(高感度&軽量): シマノ・ライトゲームBB > ダイワ・ライトゲームX
- 価格がよりリーズナブル: ライトゲームX > ライトゲームBB(2,000円程度シマノが割高)
筆者の場合、感度と軽さを高めたいという考え方をもっていて、シマノの「ライトゲームBB」シリーズを船釣り初心者にはオススメしています。
ただし、穂先はライトゲームBBのほうが折れやすいので注意が必要です。
一方、もともと岸釣りでダイワを選んでいたからダイワが好き、ダイワのデザインがいいという人は迷わず選んでもよいと思います。
これは大差があるかというとそうでもないからです。
竿作りのコンセプトとマーケティング部分の差が製品の素材比率や販売価格に表れているだけだからです。
シマノ:ライトゲームBBシリーズ(2019年NEWモデル)
ライトゲームBBは国内2大釣具メーカーの1社シマノが提供する船釣りのライトゲーム用の入門ロッドシリーズです。
TOPガイドのみSiCでその他はハードガイド。
カーボン含有率は全体的に~80%とダイワのライトゲームXシリーズより高く、比較すると感度が高いのが特徴。
価格はライトゲームXシリーズよりは割高。
2019年に新ラインナップに変更されデザイン等が刷新され、さらに高機能に。
新ラインナップからは、カーボン素材(ブランク)の外装をネジレに強いハイパワーXで締め上げていて、さらに強度がUPしています。重量は旧モデルより増しています。
▼ライトゲームBBで最初の1本にオススメのモデル
▶上位モデルのライトゲームSSやライトゲームCi4+との違いは以下の通り。
- 上位モデルはグリップの形状がエクストリームガングリップを搭載
- ガイドがオールSiC
- カーボン含有率がより高い
- 穂先の素材が異なる
- 外装が異なる
ダイワ:ライトゲームXシリーズ
ライトゲームXは国内2大釣具メーカーの1社グローブライド(ダイワ)が提供する船釣りのライトゲーム用の入門ロッドシリーズです。
TOPガイドのみSiCで、その他はハードガイド。
カーボン含有率は~70%程度と全体的にシマノのライトゲームBBより低いのですが、価格はライトゲームBBシリーズよりリーズナブル。
8:2調子でも胴調子気味(粘りがあり、魚が乗ったときに強い)に設計されている印象。
全体的に感度重視というよりもアタリがでてからの釣趣・初心者特有の穂先折れへの丈夫さやコスパに重点が置かれているように感じます。
▼ライトゲームXで最初の1本にオススメのモデル
もう一つの選択肢①ダイワ:モバイルXシリーズ
ありそうでなかったパックロッドの船竿。電車釣行派にオススメ
モバイルXは移動をふくめた釣行スタイルを重視してつくられた船竿です。
船竿はこれまでパックロッドのラインナップがなく、新しいスタイルの提案や市場の創造という点でダイワがシマノにリードした感があります。
電車釣行派や荷物をコンパクトにまとめたい釣り人には最適で、スペック面はライトゲームXとほぼ同等。
価格は通常のライトゲームXシリーズより割高です。
たとえば東京都内などで、これから釣りをはじめる方や女性からすると、街中や駅や電車で長い竿を持ち歩くことに気が引けるかもしれません。
が、モバイルXならコンパクトにまとめてリュックなどにしまえれば全く気になりませんね。
▼モバイルXで最初の1本にオススメのモデル(やや割高なので、長さにこだわらなければライトゲームXがオススメ)
もう一つの選択肢②アブ・ガルシア:Kurofune 黒船シリーズ
黒船ライト五目は世界的な釣り具メーカーであるアブ・ガルシアによる船竿。
リーズナブルな価格帯ながらカーボン含有率が98%と高く、カーボンXテープを採用し強度の高いブランクスに仕上がっています。
利用者はシマノやダイワより少ないが、軽量でクセがないためオススメのシリーズ。
価格はダイワのライトゲームXよりやや安価。
はじめて選ぶ場合、カーボン含有率が高いため、穂先の破損などにより注意が必要ではあります。
▼黒船シリーズで最初の1本にオススメのモデル
もう一つの選択肢③プロマリン バトルスティック船シリーズ
バトルスティック船はグラス100%のため丈夫かつ粘りが強い。が、重い。
バトルスティック船はリーズナブルな釣り具を広く提供するプロマリンが販売する汎用船竿シリーズ。
グラス主体のラインナップで比較的持ち重りするが、かなり丈夫です。安価で破損しにくいため船宿のレンタルタックルとしてもよく用いられています。
Amazonでの実勢価格は3,000円前後と価格は圧倒的にリーズナブル。
1日船の貸竿4回分(1000円×4)で購入できるのが魅力的。船釣りで長く愛用する人もいる人気シリーズ。
▼バトルスティック船でライトゲームに対応しているのはオモリ20~80号に対応した195L。
船竿選びは好みも重要
ここまで船竿の選び方に迷っている方向けに、はじめての一本の選び方を詳しく解説してきました。
メーカーやスペック・価格など様々な要素で総合的に検討して購入するかと思います。
重要な点として改めてお伝えしたいのは自分がその船竿を手に持ったときに、しっくりくると感じられるかです。
船釣りに臨むとき、より気持ちよく釣りができるかはスペック以外に、その竿を信じられるかという要素もあります。
この記事がなんと言おうと、誰が何と言おうと、自分がこれだと思った船竿を購入すればよいと思います。
筆者は船竿のライトタックルでは、シマノのライトゲームBBシリーズがよいと思っていて回りの人にオススメしています。
あなたがダイワやそのデザインが好きであればライトゲームXがよいと思います。
釣具店のスタッフなど、人の考えは参考程度にして、最後の意志決定は自分の心の声に従ってみてください。
みなさんにとって船釣りのいい相棒に出会えるとよいですね。
選ぶときに迷った場合は筆者(@tsuyoshi_hirata)までお気軽にDMください。できるかぎり回答します。
Amazonでの船竿ランキング
▼Amazonでの船竿ランキングはこちら。※ランキングのロジックはサイトによって異なります。