片瀬漁港は神奈川県藤沢市にあり、相模湾に面し、鎌倉・腰越と辻堂・茅ケ崎の間に位置しています。
ファミリーフィッシングでもにぎわい、一帯は江ノ島観光で人気。
特に夏場は片瀬東浜・西浜で海水浴場が開かれるため混雑します。
今回はそんな片瀬漁港(境川河口)の釣り場を解説します。
季節ごとに釣れる魚、おすすめの釣り方、具体的なポイント情報・釣り禁止情報をしっかりおさえて釣行しましょう!
片瀬漁港(境川河口)のロケーションと特徴
片瀬漁港の岸壁で釣りができるのは西側の先端手前のみ
片瀬漁港は江ノ島の対岸にある
電車でのアクセス
- 江ノ島電鉄「江ノ島駅」から12分程度
- 小田急江ノ島線「片瀬江ノ島」から5分程度
車でのアクセス(東京方面からの場合)
- 品川から国道1号と首都高速神奈川1号横羽線/K1 経由で1時間20分(空いている場合)
片瀬漁港の施設概要(営業時間・駐車場・トイレ)
- 営業時間:漁港内・西遊歩道の海釣りゾーンならびに境川河口は24時間釣りが可能
- 駐車場:江ノ電駐車センター(漁港隣接)24時間営業
- トイレ:漁港入り口にあり 24時間営業
<駐車場料金(江ノ電駐車センター)>
- 普通車:通常期200円/30分 土日祝・繁忙期250円/30分
- バイク:1回 500円/1日 (利用時間9時〜17時)※利用時間を超えると出場不可
※バイクのみ現金、普通車は交通系ICカード(PiTaPaを除く)/ iD / nanaco / WAON使用可能。
片瀬漁港(境川河口)の釣りポイント解説
赤エリアは釣り禁止エリア。港内では西遊歩道先端手前外側のみ釣りが可能
片瀬漁港周辺は水深が浅い砂泥地です。
地形的に根魚は狙いにくいですが、砂底・泥底を好む魚や回遊魚が狙えます。
境川河口(通称:片瀬川)からは淡水が流れ込むため、汽水を好む魚も多く生息します。
ポイントA:西遊歩道先端手前右手(海釣りゾーン)
柵は大人の腰下程度なので、子供連れの場合ライフジャケット着用が安心
片瀬漁港の西側にある防波堤(先端部に白灯あり)は遊歩道として整備されています。
片瀬漁港内で釣りができるのは先端部手前外側の一部です。
あまり広くないエリアなので、定員は20~30名程度。
足元は水深2m程度。砂泥地が広がっているので、ちょい投げに適しています。
シロギス・メゴチ・舌平目(クロウシノシタ)のほか、ヒイラギも多く釣れます。
カレイも釣れますが、それほど個体数は多くありません。
初夏以降はイワシや小鯖が増え、サビキで狙うと効果的。
イワシ類を狙って、カマスやイナダが回遊することもあります。そんなときはジグサビキも効果的。
泳がせ釣りではイワシについているヒラメも狙えますが、アカエイが多いため尻手ロープのない置き竿は危険です。
ポイントB:境川河口(片瀬川)右岸・左岸
砂泥地で澪筋以外の変化はほぼない。冬場のハゼは遠投が必用
境川河口は右岸左岸ともに釣りが可能です。
砂泥地で根がないため、ちょい投げに向いています。
目立った根はないものの、台風後などに流下してくる大型ゴミがある場所があり、根がかりの原因になります。
河川を水上バイクやボートが通るので、投げ釣りをする際は道糸を沈めるなど注意しましょう。
水上バイクを運転する人の中にはマナーやルールを守らない人もいます。
河川内で高速運転したり、至近距離を勢いよく移動する人もいるため、常に警戒して釣りをしましょう。
ちょい投げでは夏から晩秋にかけてマハゼがよく釣れます。
その他、クロダイ、シーバス(スズキ)、ヒイラギ、サッパ、シロギス、メゴチ、舌平目(クロウシノシタ)、メッキがメインターゲットです。
メッキは9月~10月が最盛期ですが、水温が高い年は12月ぐらいまで釣れることがあります。
片瀬漁港の釣り場Aと同様、泳がせ釣りではアカエイがかなり多いため、尻手ロープのない置き竿は危険です。
写真右手、境川の河口部は比較的釣り座が確保しやすい
片瀬漁港での釣り禁止場所
片瀬漁港は釣り禁止区域が明記されています。
港周辺で釣りができるのは、西遊歩道(プロムナード)先端手前港外側のみです。
特に港内側の泊地(船着き場)エリアでの釣りは漁業者とのトラブルに発展しがち。
しばしば通報され、釣り人が警察官による注意「退場勧告」を受けるシーンを目撃したことがあります。
現時点でのルールは明確なので、他の釣り人、地元の釣り人が釣りをしているからといって、禁止エリアでは釣りはしないようにしましょう。
西遊歩道先端部(白灯台)
西遊歩道先端部。遊漁船や漁船が出入りするため釣り禁止
西遊歩道(プロムナード側は二輪車乗り入れ禁止)
西遊歩道内側(港内側)
西遊歩道側の港内船着き場は釣り禁止です。
東遊歩道(赤灯台)
釣りをしている人がいますが、赤灯台付近は釣り禁止です。
赤灯台のある東遊歩道(プロムナード)は釣り禁止です。
その他港内全域
写真中央部でルアー釣りしている人がいますが、スロープエリアも釣り禁止です
片瀬漁港内の船溜まりエリアは全域で釣り禁止です。
「泊地」とは船を停泊させる場所を指します
石積みエリアに乗り上げての釣りは禁止
西遊歩道の「海釣りゾーン」手前の石積みエリアの上で釣りをするのは禁止です。
しばしばライフジャケットをせず、石積みにのっている親子連れをみます。
が、穏やかな海でも子供は落水すると救助困難になる可能性があります。
片瀬漁港・境川河口でよく釣れる魚
サビキや餌釣りで釣れる魚
- アジ
- イワシ(ウルメイワシ・カタクチイワシ主体)
- 小鯖
- シロギス
- 舌平目
- メゴチ
- マゴチ
- イナダ
- シーバス(スズキ。境川側に特に多い)
- カレイ
- ヒイラギ(かなり多い)
- マハゼ(境川側に特に多い)
- カマス
- クロダイ(チヌ)
- 稚鮎(5月31日までは採捕禁止)
- クサフグ
- アカエイ
- ゴンズイ
- ホタテウミヘビ
- ダイナンウミヘビ
ルアーで狙って釣れる魚
- アジ
- カマス
- イナダ
- マゴチ
- シーバス(スズキ)
- クロダイ(チヌ)
- メッキ(境川)
毒魚もよく釣れるので気をつけたい
片瀬漁港・境川河口(片瀬川)ではゴンズイとアカエイの魚影がかなり濃いと言えます。
ゴンズイ
ゴンズイは西遊歩道の釣りゾーンで夜釣りをしていればほぼ必ず釣れます。
ゴンズイ
胸鰭と背びれに合わせて3つの毒棘があるので、リリースする際は、フィッシュグリップを使いましょう。
食べると美味しいのですが、持ちかえる際は毒棘をプライヤーで折ってから持ち帰ることをおすすめします。
アカエイ
境川河口から片瀬漁港西遊歩道にかけてはアカエイが多く回遊するエリアです。
イワシをつけての泳がせ釣りや、切り身餌でのぶっこみ釣りをすると、かなりの確率でアカエイがヒットします。
アカエイの尾には毒棘があり危険です。
取り扱いになれない場合はハリスを切るなどして対処しましょう。
片瀬漁港でおすすめの釣り方①イワシ・小鯖のサビキ釣り
片瀬漁港では5月以降、大きな群れでカタクチイワシ・ウルメイワシ・小鯖が回遊します。
家族連れにおすすめなのがサビキ釣りです。
西遊歩道先端手前右手(海釣りゾーン)と境川河口両岸のエリアで狙えます。
群れが足元に回遊しているときはサビキでよいですが、群れが遠くにあるときは「投げサビキ」や「ジグサビキ」で狙ってみるとよいでしょう。
サビキはトリックサビキやパニック仕掛けが圧倒的に有利です。細糸は糸がらみが多いため、4セットほど持参すると安心。
釣り餌を買う時間がない場合も「アミ姫」があれば釣りができます!
尚、釣れたイワシ類を底上で泳がせると、マゴチやヒラメも狙えます。
▼おすすめのサビキ系アイテム
▼パニックサビキについての解説記事!
▼よく釣れる小鯖についての解説記事!
片瀬漁港でおすすめの釣り方②ちょい投げでのキス釣り
デカいキスは引きが強い
5月以降キスことシロギスがよく釣れるようになります。
ちょい投げは家族連れにもおすすめ。サビキ同様、西遊歩道先端手前右手(海釣りゾーン)で狙えます。
夏はちょい投げ程度でよいですが、水温が下がり始めてるときや潮位が低いときは遠投して広く狙ってみましょう。
天秤はなんでもよいですが、ジェット天秤系は飛距離も出しやすく仕掛けの絡みも少なくなります。
ちょい投げ仕掛けはハリス0.8号がおすすめですが、海が濁っていれば1号~1.5号でも問題なく釣れます。
クサフグが多く、仕掛けが頻繁に切られるので、5セット以上持参もしくは結びなおせる替え針を準備しておきましょう。
キス以外では、舌平目(クロウシノシタ)がよく釣れます。
尚、カレイ類は砂泥底で釣れそうに見えますが、ほぼ釣れません。
▼おすすめのちょい投げキス釣りアイテム
▼ちょい投げキス釣りについての解説記事!
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片瀬漁港でおすすめの釣り方③ぶっこみ釣り
境川河口両岸のエリアでおすすめなのがぶっこみ釣りです。
流速もあるので、20号前後のオモリで、遠投してオモリを固定して釣りましょう。
イソメの房掛けで、以下の魚が狙えます。
- スズキ(シーバス)
- クロダイ(チヌ)
- キビレ
- イシモチ
- 舌平目(クロウシノシタ)
- アカエイ(非常に多い)
- ホタテウミヘビ
▼おすすめのぶっこみ釣りアイテム
▼ぶっこみ釣りについての解説記事!
片瀬漁港でおすすめの釣り方④青物狙いのライトショアジギング
夏から秋に片瀬漁港付近にワカシ(ブリの幼魚)・イナダ(ブリの若魚)・ソーダガツオ・シイラが接岸します。
あまり大型の魚は釣れませんが、小型のメタルジグをつかって狙ってみましょう。
20~30グラムで十分です。
基本的に回遊魚を狙いますが、ボトム付近を狙うとヒラメ(1kg未満のソゲが多い)やマゴチも釣れます。
▼おすすめのライトショアジギングアイテム
片瀬漁港でおすすめの釣り方⑤秋シーズンのメッキゲーム
夏から秋頃にかけて片瀬漁港付近にはメッキ(ロウニンアジ・ギンガメアジなどの幼魚の総称)が群れます。
特に境川河口域がポイントで、小型ルアーをつかったライトソルトゲームにうってつけです。
小型のシンキングミノーを中心に狙ってみましょう。
ある程度飛距離が出せ、立ち上がりがはやく、細かいアクションでもしっかり崩れる動くルアーが最適です。
メッキは境川河口左岸・片瀬橋と弁天橋付近を中心にランガンするとよい
▼おすすめのライトショアジギングアイテム
片瀬漁港でのアジングは潮位が高い夜間が中心
片瀬漁港は水深も浅いためそれほど大きなアジが回遊しません。
夏から秋にかけて、満潮とまずめ時・夜間が重なるタイミングでは、シラスをおって20㎝クラスのマアジが回遊することもあります。
ちなみに、メバリングはほとんど期待できません。
片瀬漁港でのカマス釣りは群れの接岸状況をチェック
アカカマスが釣れていたらぜひ釣りにいきたいところ
毎年夏から冬にかけて、湘南エリアにはイワシやシラス(イワシの幼魚)を追ってアカカマスやミズカマスが接岸します。
江ノ島とならんで片瀬漁港もカマスが狙えるスポットの一つ。
特にアカカマスは味がよく、人気のターゲット。
ジグサビキで狙うほか、夜間足元まで来ている個体は、2グラム未満のジグヘッド&ワームで狙ってみましょう。
カマスはシラスを狙っていることが多く、シルバー系・クリア系・グロー系のストレートワームが人気です。
小型のカマスを泳がせるとヒラメやマゴチも狙えます。
片瀬漁港でのタコ釣りはNG
境川片瀬橋までが共同漁業権のエリア
片瀬漁港周辺は「共同漁業権 共第11号」のエリアです。
藤沢市漁業協同組合、江の島片瀬漁業協同組合が漁業権者で、第一種共同漁業として「たこ漁業」が設定されています。
そのため、「マダコ」をはじめとしたタコ類は採捕できません。
砂泥地中心のため、タコの生息数は江ノ島側比べて多くはありませんが、あやまって釣れた場合は速やかにリリースしましょう。
タコ・イセエビ・ナマコは採捕禁止。周辺サーフでのハマグリも採捕できません
タコ釣りをしたい場合、江ノ島の湘南大堤防付近は共同漁業権がないため、マダコを狙って釣ることができます。
夜釣りもOK
片瀬漁港西遊歩道(釣りゾーン)や境川河口では夜釣りが禁止されていません。
一方、前者は柵が低く、河口部は柵がありません。
落水のリスクをあらかじめふまえて、ライフジャケットを着用するなどして楽しみましょう。
子供連れの場合は、目を離すと取り返しがつかないことになります。特に注意しましょう。
片瀬漁港で守りたいルールとマナー
釣り禁止場所に注意
片瀬漁港は釣り場ルールが特に守られていないエリアです。
漁業者や一般観光客とのトラブルによっては現在の開放エリアも釣り禁止になってしまうかもしれません。
他の釣り人が竿を出しているからといって、真似をしないようにしましょう。
毒魚や持ち帰らない魚を岸壁上に捨てない
西遊歩道は江ノ島や片瀬西浜の見晴らしがよいため、一般観光客や犬の散歩をする地域住民も多いエリアです。
ヒイラギやゴンズイが防波堤上で干からびているのを見ることがありますが、危険ですし、悪臭の原因にもなります。
絶対にやめましょう。
ゴミは持ち帰る
ゴミの持ち帰りはもちろんのこと、コマセで汚した釣り座は水汲みバケツで清掃してから帰りましょう。
有志の釣り人による清掃用具がある
犬の散歩をする人も良く通るため、釣り針の扱いには気を付けたい
片瀬漁港周辺の施設
つり具の上州屋 藤沢店
- http://www.johshuya.co.jp/shop/top.php?s=129
- 神奈川県藤沢市川名113
- 0466-28-6595
- 10時~20時まで
島きち丸(船宿・釣り餌)
- https://shimakichimaru.com
- 神奈川県藤沢市片瀬海岸2丁目20-25
- 0466-25-9642
- 早朝から夕方ごろ
井上つりえさ店
- https://enoshima-inoue.jp
- 神奈川県 藤沢市 江の島1-6-22
- 0466-22-6779
- 6時~17時(火曜定休。土日5時~)
和田つりえさ店(閉業になりました)
- 神奈川県藤沢市江の島1丁目6−25
- 0466-22-1820
- 5時~17時(水曜定休)
まとめ
片瀬西浜からみた片瀬漁港方面
今回は、ちょい投げ・サビキ釣り・ルアー釣りで人気の片瀬漁港の釣り場を解説しました。
釣りができる場所が明示されている場所ですが、港内で釣り禁止場所で釣りをする人が多いエリアです。
まわりの人が釣りをしているからといって流されず、ルールやマナーを守って釣りを楽しみましょう。
片瀬漁港の釣りに便利なアイテム
水汲みバケツ
コマセ釣りでは水汲みバケツを必ず持参し、コマセを洗い流してから帰るのがマナーです。
フィッシュグリップ
片瀬漁港でよく釣れるゴンズイはフィッシュグリップでしっかりつかんでハリを外しましょう。
関連アイテム
周辺の釣り場
▼江ノ島での釣り場解説(片瀬漁港から車で3分)
▼腰越漁港の釣り場解説(隣)
▼辻堂海浜公園の釣り場解説(片瀬漁港から車で9分)
▼平塚新港の釣り場解説(片瀬漁港から車で21分)
▼大磯港の釣り場解説(片瀬漁港から車で28分)