本記事を読めば海の手漕ぎボート釣りをはじめたい方にも全体のイメージができます。
手漕ぎボートは岸釣りより遠くのポイントを狙え、釣り船よりはコストが安いという特徴があります
。解放感も抜群。一度沖まで漕ぎ出してみましょう。一度体験すれば慣れてきますよ。
手漕ぎボート釣りの魅力とは?
釣り船では船長がポイントを判断しますが、ボート釣りでは自分でポイントを開拓していくという楽しみがあります。
岸釣りと似ていますが、年々釣り場がすくなっているおかっぱりの釣りと異なり、ボート釣りであればより広いポイントを自由に釣ることができます。
海の手漕ぎボート釣りができる釣り場について
岸払い前にボート店スタッフから情報を集めよう
手漕ぎボート釣りができるのは主に湾内で風や波の影響を受けにくい場所です。
関東では、内房や三浦半島の東海岸・西海岸が有名です。
西にいくと真鶴・福浦や伊豆半島にも手漕ぎボート店があります。
手漕ぎボート釣りのメリット・デメリット
砂浜から沖へ出る手漕ぎボート店は必ず足が濡れる。夏はサンダル・冬は長靴を用意したい
次に手漕ぎボート釣りのメリットとデメリットを挙げておきます。
手漕ぎボート釣りのメリット
- パターンがあえば釣り船なみに釣れる
- 釣船と比べて費用が安い(大体1艘二人乗りで3500~4900円程度。割勘にするとお得!)
- 釣船と比べて自分の好きなポイントを好きなやり方で好きなだけ釣れる
手漕ぎボート釣りのデメリット
- 風に弱い(風が強いとボートがでない・揺れが強いので酔う可能性がある・転覆する可能性もある)
- ボートを漕ぐのに一定のスキルと体力が必要
- 屋根がないので夏場の陽ざしは強烈
岸釣り・ 釣り船・ 手漕ぎボート釣りの比較
海岸からの釣り(おかっぱり)、釣り船、手漕ぎボート釣りについて、3つのポイントで比較します。
- 安全性
- 釣果
- コストパフォーマンス
1.安全性
岸釣り > 遊漁船の釣り > 手漕ぎボート釣り
解説:やはり地に足がついているのが一番安全です。手漕ぎボート釣りの場合、船内での安全は自己責任ですので、常にライフジャケットを着用して転覆へ留意して釣りをしましょう。
2.釣果
岸釣り < 手漕ぎボート釣り < 遊漁船の釣り
解説:やはりポイントが限られた岸釣りよりは、ポイントを自由に移動できるほうが釣果も上げやすいと言えます。手漕ぎボートもポイントをしっかり把握したり魚探を活用することができれば釣り船に匹敵する釣果を上げられます。
3.コストパフォーマンス
岸釣り > 手漕ぎボート > 遊漁船の釣り
解説:関東の釣り場は場荒れしているところも多いのが現状。ボートでちょいっと漕いでしまえば、意外や意外、じゃんじゃか釣れることもしばしばです。
手漕ぎボートで釣れる魚
遊漁船で釣れる魚はボート釣りでも大体釣れます。
たとえば神奈川県の三浦半島界隈であれば、季節によりますが、以下のような魚が狙えます。
<三浦半島の浅場で釣れる魚>
- コマセ釣り:アジ、サバ、イナダ、ソーダガツオ、マダイ、チダイ(ハナダイ)
- アオイソメをつかった釣り:マコガレイ、アナゴ、シロギス、メゴチ、ホウボウ
- 泳がせ釣り:マゴチ、ヒラメ、イナダワラサ、ハタ、ホウボウ
- その他:アオリイカ、スミイカ
手漕ぎボート店の予約方法
三浦半島の入り口金沢八景(金沢漁港)にある相川ボート店。
ボート店には2種類あります。
1つ目が予約必須の店。もう1つが予約不要のところです。
まずウェブサイトを確認して、予約が必要か確認しましょう。予約が不要のボート店で注意したいのは、ボートの確保が早い者勝ちという点です。
特にハイシーズン(5~9月)の週末など遠方から到着する場合、ボートが出払っていることもあります。
電車で早朝に到着できる方、車で到着できる方は、予約不要のボート店でも大丈夫です。
一方k電車釣行で遠方から到着予定の方は予約できるボート店で事前にボートを確保しておくと安心です。
横須賀・大津港まるまつ丸。ウェブ予約ができる親切なボート店
ボート店の予約方法ですが、Webフォームやメール予約・SNS経由の予約が可能な店も一部あるものの、その多くが電話予約です。
電話予約時は、どのボート店も早朝5~7時台と15時前後は、出船と沖上がりの手続き・作業で多忙です。
その時間帯をさけて連絡するとよいでしょう
当日の出船状況の確認方法
三浦海岸。奥に見えるのは千葉。右に曲がれば手漕ぎボート王国・金田湾
手漕ぎボートの釣りは、風や波の影響を大きく受けます。
このため、ボート店は安全管理上、一定の波風が立つと出船を取りやめます。
<出船の予想と判断方法>
- 3日前から毎日天気予報を確認。GPVなどの風速と波の予想ツールをつかうと便利
- 前夜にボート店のサイトや電話確認(サイトがある店では出船予想がUPされています)
- 当日朝一の天気を見て、状況によってボート屋へ電話して営業確認(駄目な場合は、風裏のボート屋を探す)
※東京湾は北風に弱く、4m以上ふくとボート店は出船を見合わせることがしばしばです。快適に漕げるのは風速2m程度。それ以上吹くと漕ぎ慣れていない人では楽しく過ごすのが困難です。
ボート店によっては出船予想をサイト上に公開しています
手漕ぎボートで沖に出て沖上がりするまでの流れ
三浦半島金田湾の手漕ぎボート店『釣りの浜浦』沖のポイントまでの曳舟がある
天気も良くボートが出船できることが分かった場合、以下のようなSTEPですすめましょう。
- トイレとボート店の受付を済ませ、釣り竿の用意(スナップサルカンまでつけておき仕掛けは装着しない)をしてボートに乗り込む
- ボート店によっては朝はポイントまでの曳舟サービスがあるので一気にポイントへ向かう
- 釣る。時合のある釣りは適度に休憩する。凪の日はアンカーをして寝るのもいい気分です
- トイレは自力で戻るor小をバケツや手桶にして海に帰す
- ボート上で食事をとる(おにぎりやサンドイッチなどの軽食をみなとります)
- 15時付近までがボートの制限時間なので間に合うように帰る(場所にもよるが40分前には引き返すのが安心)
手漕ぎボート釣りにもっていきたいアイテム15選
タックルは陸上で準備してサルカンまで装着しておくのがオススメ
ここでは手漕ぎボート釣りにもっていきたい14のアイテムを紹介します。
- 釣り竿&リール&仕掛け・ルアー
- ライフジャケット
- グリップ付きのグローブ(ぴったりしたサイズがオススメ)
- 長靴やサンダルなど
- 水と食事
- スカリとクーラーボックスと氷や保冷剤
- ナイフ
- 酔い止め
- 携帯電話と防水ケース
- 魚探(中級者以上)
- パラシュートアンカー(中級者以上)
- 竿受け
- 尻手ロープ
- 日焼け止め
- たも網
1.釣り竿とリール
基本的にボート釣りでは水深が5メートル以上のポイントを釣るため、タックルはリール竿で釣りものにあったものが最低2本あるとよいかと思います。
持参する釣り竿が1本の場合、水没や破損した場合釣りが継続できなくなるため、予備も含めて2本がベストです。
ちなみに、手漕ぎボート釣りになれないうちは釣り竿が3本以上あると邪魔だということを覚えておきましょう。
慣れてくれば3本以上竿をだすことも可能ですが、初心者のうちは2本までにとどめて、それぞれの竿に集中して釣りをすることをオススメします。
ボート上は狭いため、竿は短めのものが便利です。2m以上の釣り竿は手漕ぎボートには適していません。
キャスト時もそうですが、穂先等に道糸が絡まったり、エサの付け替えをする際は1.5m~1.8m程度の竿が便利です。
またラインは、ナイロンではなく1~2号程度のPEラインを巻いておくと感度がよいため釣果を増やすことができます。
<タックルのセット例>
※以下からボート釣り初心者は2本まででチョイス。
春(4月5月):釣り物=カレイ・マゴチ
- ちょい投げがしやすいスピニングタックル(1.8mまでのロッド+PE1号までを巻いたリール)を1本
- マゴチのルアータックル1本
夏(6月7月8月):釣り物=シロギス・マゴチ・回遊魚・コマセ釣り(アジ・サバ等の五目)
- ちょい投げがしやすいスピニングタックル(1.8mまでのロッド+PE1号までを巻いたリール)
- 釣ったシロギスやメゴチを泳がせるライトゲームタックル(1.8mまでのロッド+PE2号までを巻いたリール)
- コマセ釣りをするライトゲームタックル(1.8mまでのロッド+PE2号までを巻いたリール)
- メタルジグ等をキャストできるシーバスタックル(1.8mまでのロッド+PE1.5号までを巻いたリール)
秋(10月11月):釣り物=カワハギ・回遊魚・コマセ釣り(アジ・サバ等の五目)・カレイ
- ちょい投げしやすいスピニングタックル(1.8mまでのロッド+PE1号までを巻いたリール)を複数
- コマセ釣りをするライトゲームタックル(1.8mまでのロッド+PE2号までを巻いたリール)
- メタルジグ等をキャストできるシーバスタックル(1.8mまでのロッド+PE1.5号までを巻いたリール)
- 先調子のカワハギタックル(1.8mまでのロッド+PE1号までを巻いたリール)
冬(12月1月2月3月):釣り物=コマセ釣り(アジ・サバ等の五目)・カワハギ・カレイ
- ちょい投げがしやすいスピニングタックル(1.8mまでのロッド+PE1号までを巻いたリール)を複数
- コマセ釣りをするライトゲームタックル(1.8mまでのロッド+PE2号までを巻いたリール)
<シロギス釣り用のタックル>
シロギス専用竿でなくてもバスロッド・メバリングロッド等も流用可能
夏のメインターゲットであるシロギスを釣る場合、ロッドは専用船竿だけでなくバスロッド・エリアトラウトロッド・メバリングロッドのウルトラライトからライトクラスも十分流用できます。
ライトクラスまでのロッドの場合、遊漁船と異なりオモリを5号程度までの重さにし、ロッドへ負荷をできるだけかけないようにキャストすることをオススメします。
PEラインは1号以下でキャストして広く探りましょう。
<マゴチの泳がせ釣り用タックル>
手漕ぎボートの泳がせ釣りは受太郎・受二郎などの竿受けが便利
事前に購入したり持参したイワシやウグイ(銀白)やハゼ、釣れたキスやメゴチを泳がせるマゴチ釣りの場合、ベイトタックルを利用した方がタナをとりやすいのでオススメです。
マゴチ専用竿もしくは、ライトゲーム用の汎用ロッドで調子は7:3程度で穂先が柔らかめで、胴に一定の強さがあるロッドを選びましょう。
2.ライフジャケット
ライフジャケットはボート店でも無料レンタルできます。
一方、レンタルアイテムは発泡スチロールを浮力体にした厚手のかさばるタイプが中心です。
安全性は高いですが、夏場はかなり暑さを感じやすいのも事実。
もし慣れたものがある場合は持参したほうがよいでしょう。
3.グリップ付きのグローブ
100均のラバーグローブが便利
船を漕ぐ際とアンカーを海底から揚げる際は、かなり力をつかいます。
アンカーはボート屋により5~10キロ前後とかなりの重さになることもあります。
繰り返し作業をしていると手の平(とくに指の付け根部分)に豆ができとてもつらくなってしまうので、グローブは必須です。
グローブがぶかぶかの場合、皮膚が引っ張られる動作が連続するため、手の平にマメができやすくなります。
ぴったりしたサイズをつけることをオススメします。
滑り止めがついた作業軍手でもよいですが、餌付けや仕掛けのメンテナンスのために指先が切っておくとよいでしょう。
見た目が気にならなければ、100円ショップで販売されている滑り止め付きのグローブでも問題ありません。
4.長靴やサンダルなど
浜辺に隣接する手漕ぎボート店の場合、波打ち際から乗船します。
乗船場所の地形や波の状況にもよりますが、基本的にすねから下が濡れますし、陸に戻る際も濡れます。
そのため秋冬は長靴をはいていき、春夏はサンダルやウォータシューズの類をもっていくとよいでしょう。
サンダルはつま先が隠れるほうがより安全です。
※漁港内にあるボート店の場合はスロープ等をつかって乗船するため、足が濡れることはありません。(金沢漁港:相川ボート、大津港の各ボート店)またボート店によっては長靴がレンタルできるところもあります。
5.水と食事
あたりまえですが、船上にはコンビニがありません。
ボートを漕いで身体を動かすと、いつもより食欲がでてきます。多目の水分と食料をもっていきましょう。
また、つかれたときには甘いものが食べたくなるので、熱で溶けないお菓子類をもっておくと、後半も元気が出てくるのでオススメです。
ペットボトルの水を2Lもっておけば、手も洗えるので便利です。
500mlの無糖炭酸水で手を洗うと汚れと臭みも落とすことができます。
汗をよくかくシーズンの場合は、塩分を中心にミネラルの補給も重要です。ポカリスウェット等のスポーツドリンクを用意しておきましょう。
夏場は飲料水だけで2Lは必要です。
余ったら持ち帰れるカロリーメイト類もコンパクトで便利です。
大量に購入してタックルボックスの隅に忍ばせておくのがおすすめです。
魚肉ソーセージも小腹が空いたときに釣りながら食べられ、アジ釣りなどの付けエサにも使えます。
6.スカリとクーラーボックス(氷や保冷剤)
ダイワの友バッグ。手漕ぎボートの泳がせ釣り最強装備
手漕ぎボートにはイケス付きもたまに存在しますが、基本的についていないと考えておきましょう。
釣った魚はスカリを借りて使う以外に、締めてクーラーボックスにいれて冷やすことをおすすめします。
凍ったペットボトルを数本自宅からもっていくのもオススメですが、釣り上げた魚を迅速に冷やすためには、クーラーボックス内で海水と氷が混ざるようにしておく必要があります。
シロギスやメゴチの場合、スカリの網目から逃げてしまうので、釣れた都度クーラーボックスにしまっていくのがよいでしょう。
メゴチは体表の粘りが強いため、釣れたらエラ蓋の棘をカットしてジップロックにいれて保冷するとよいです。棘をカットしないとジップロックに穴があいてしまいます。
ちなみにマゴチやヒラメの泳がせ釣りをする場合、エサのメゴチ等を活かしておく必要がありますが、バケツにいれておくと海水が温まり弱ってしまいます。
この場合は、ダイワの友バッグを利用すると便利です。
マゴチやヒラメなどが釣れた場合はスカリ(活かしビク)にいれておき、沖上がり後に締めてクーラーボックスで持ち帰るのも一つです。
スカリにマゴチ等をいれる際は海面で行わず、一旦タモ入れをし、ボートの上にスカリをひきあげてから行うと逃げられる失敗を減らせます。
7.ナイフ
手漕ぎボートで釣りをしていると、予期せずアンカーが根にハマって外れなくなったり、イワシの畜養イケス・定置網の固定ロープ・海苔棚に絡まってしまうことがあります。
この場合、まず潮や風で流されている反対側まで一気に漕ぎ、そこからアンカーを引っ張ってみましょう。
ほかに、一旦テンションをゆるめて一気に張るという動作を繰り返すと外れることがあります。
どうしても外れない場合は、落ち着いてボート屋さんに電話連絡して救助を求めることがベストです。
一方、急な天候悪化による高波や強風などで危険が迫っているときは、救助を待っている間にボートがアンカーにひっぱられ、波にあおられ転覆してしまう可能性も高まります。
そのような緊急事態を想定して、いつでもアンカーロープを切れるようにナイフか鋏をもっておきましょう。
ボート店によってはロープとアンカー代を弁償する必要がありますが、転覆して命の危険にさらされたり、ずぶ濡れになり、すべての所持品が海の藻屑と化すよりはよいでしょう。
8.酔い止め
手漕ぎボートは極めて不安定で、波風の影響を受けやすいというデメリットがあります。
そのため釣り船より酔いやすいのも事実です。
前日はよく寝て、家を出る前に酔い止めを飲んでおきましょう。
オススメの酔い止めはアネロンです。
この薬は複数回服用する必要はなく、ボートに乗る1時間前に飲んだほうが効果的です。お子さんには子供用アネロンを飲ませておきましょう(9歳以上服用可能)
9.携帯電話と防水ケース
携帯電話はボート店への緊急連絡するのためにも必要です。
またボート店によっては、ポイント指示についての警告が携帯電話経由で行われるところもあります。
乗船時にはボート店の電話番号をあらかじめひかえておきましょう。
また、スマートフォンは専用の防水ケースにいれておくと安心です。
10.魚探(中級者以上)
ボート釣りではどんな初心者でも自分が船長になりポイントを漕いで探ることになります。
アジなどを狙う場合、主に群れが回遊する高根(周囲から根が盛り上がっている場所)を探す必要があるため、魚探があると便利です。
秋のカワハギシーズンには根際や点在するツブ根周りを狙うことで釣果が伸びます。この時も魚探があれば海底地形を把握することができます。
海底のかけあがりも正確に把握できると、底物(シロギスやカレイやヒラメ・マゴチ)の釣果を伸ばすことができるでしょう。
11.パラシュートアンカー(中級者以上)
手漕ぎボートは風や潮流に弱いため、金属やコンクリート製のアンカーを落として釣りをすることが基本です。
一方、回遊しないヒラメやマゴチなどの釣り物を広く探る場合は、アンカーをせず、風や潮の流れにのって流し釣りをする方法もあります。
風や潮にまかせて流し釣りをする際に、パラシュートアンカーを利用すると船の移動距離が少なくなり、流し釣りにチャレンジしやすくなります。
例えば手漕ぎボート釣りで狙うマゴチの場合、ボートの移動スピードが速すぎるとバイト数が極端に減ります。
手漕ぎボートで泳がせ釣りにチャレンジする人には必須装備です。
12.竿受け(竿置き=ロッドキーパー)
ボート釣りで泳がせ釣りやコマセの釣りをする際や複数本の竿を操作する際は竿受け(竿置き=ロッドキーパー)を用意することをオススメします。
ボートの形状にもよりますが、第一精工の『受太郎』や『受二郎』シリーズがオススメです。
13.尻手ロープ
ボートから竿受けが脱落しやすく、竿が落ちやすい
竿受けの利用にかかわらず、置き竿にしている竿は落下する可能性があります。
<竿がボートから落下する原因>
- 大型の魚がかかり引き込まれる
- 波によるボートの揺れ
- 竿受けの固定不良
大切なタックルを失わないためにも、置き竿にする際は尻手ロープをつけておくことをオススメします。
14.日焼け止め
夏場にハーフパンツで手漕ぎボート釣りをしていると・・・
ボート釣りの場合当然ですが、太陽光線を遮る場所がありません。
初夏から秋にかけては紫外線量が高く、1日ボートで浮かんでいるだけでかなりの日焼けをします。
特に夏場は火傷状態になりかねないですのでラッシュガードなどと合わせて日焼け止めを利用しましょう。
15.タモ網
シロギスやメゴチの釣りでは網入れは不要ですが、マゴチやヒラメや回遊魚などの大物を狙う際はたも網を持参したいところ。
ボート店でも借りられることもありますが、数に限りもあります。
せっかくかけた大物を目の前で逃がさないためにも、使いなれたものを持参するとよいでしょう。
ちなみにボートの場合は柄が短いもの、もしくは伸縮して軽いものがオススメです。
手漕ぎボート釣りのエサについて
アオイソメはシロギス・メゴチ・カレイ・カワハギを狙える万能餌
ボート釣りの餌については、カレイやカワハギであればアオイソメ、シロギスやメゴチであればジャリメ、コマセカゴをつかった釣りならばアミコマセ2キロとつけエサのオキアミがあるとよいです。
アミコマセをつかった釣りは後片付けが面倒でもありますが、マルキューのアミ姫のように携帯できる商品も登場しています。
常温保存可能なので念のためコマセも持参して、現場の釣況によって使う使わないを判断してもよいでしょう。
たとえば、カワハギ釣りはアサリやイソメが基本ですが、アミコマセで魚を船の下に寄せて釣るという、ボート釣りならではの合わせ技も知られています。
<ボート釣りでオススメのエサ>
- カレイ(春先・秋):アオイソメの房掛けに岩イソメを混ぜる
- シロギス(春~初秋):ジャリメをメインに大型狙いはアオイソメを使う
- カワハギ(主に秋):イソメを1㎝程度に切って使う。もしくはアサリやむきエビ(裏技でアミコマセで寄せる)
- ワカシ、イナダ(主に夏から秋):アミコマセを寄せ餌にして、オキアミを使用
- アジ(通年):アミコマセやイワシミンチを寄せ餌にして、オキアミもしくはイカタン・アオイソメを使用
<虫エサ類の解説記事>
<アミコマセ・オキアミの解説記事>
手漕ぎボート釣りでのルアーについて
ボートマゴチに有効なジグヘッド&ワーム
ルアー釣りの場合は、タックルボックスにあまり多くもっていっても邪魔なので、必要最低限に絞っていったほうがよいです。
<マゴチやヒラメ狙い>
- メタルジグ
- ジグヘッド&ワーム
- ラバージグ系(チャターベイト含む)
- シンキングミノー
※マゴチの場合は、早い動きでは反応できないことが多く、軽量のラバージグやジグヘッド&ワームに組み合わせが昨今実績が高い釣り方です。あまり重いものはボトムでの動きが速いため追いつくことができません。潮の動きをみながら着底を判断できる、なるべく軽いウェイトのルアーを使いましょう。
<青物狙い>
- メタルジグ(メタルバイブ、スピンテールジグ)
- シンキングorフローティングミノー
※青物狙いの場合は、広範囲を狙えるメタルジグ類を主体に、シンキングミノーを利用します。ナブラが立っているエリアではフローティングミノーを使うのもよいでしょう。
手漕ぎボート釣りでの地形の把握
あらかじめボート店でポイントマップやレクチャーを受けてから出船しましょう。
座標を決めやすいGoogleマップの共有や山立て(陸上の2点が合わさるところでポイントを判断)などを教えてもらえるかもしれません。
▼大津港まるまつ丸によるポイントマップ。スマフォのGPSと併用するとポイントの判断がしやすい
魚探がない場合、根などは場所が判断しにくいこともしばしばです。
この場合、すぐに釣りをはじめず、重めの錘のみを底に落としたりキャストして海底の地形を把握してから釣りをする効果的です。
手漕ぎボートの乗船方法とつかれにくい漕ぎ方
なれてしまえば簡単な手漕ぎボートの漕ぎ方ですが、最初にいくつかのルールをふまえておくと上達が早くなります。
- まず漕ぎ手が船首(ボートが進む方向)にむかって背をむけて乗る
- 同乗者がいる場合は、漕ぎ手と向かい合うようにして船尾側に乗る
- 乗船時に重心をかけるのはボートの中心
- 漕ぐ際は手を伸ばしオールは端をもち、平らなブレードを水面に立てた状態にする
- 両脚はボートの底に設置されたスノコの段差に置く
- オールを海面にいれ、半円を描くように漕ぐ。
- 曲がりたいときは曲がりたい方向と逆側のオールを漕ぐと曲がる
ボートは手だけで漕がず、脚と背筋を上手く使って漕ぐのがコツです。
オールを引くとき腕を曲げず引っ張ると、自然と背筋と脚の伸び縮みで漕げるようになります。
手の力をなるべく使わず背筋と脚の力で漕ぐのがポイント
また、はじめはできるだけ大きな筋肉(背筋)等を使うのがおすすめです。
疲労してきたら、腕などの小さな筋肉をつかい休憩をしながら漕ぎ、再度大きな筋肉を使うなどインターバルを屈指すると疲労が一か所に蓄積しにくくなります。
<手漕ぎボートの操船方法がわかりやすく紹介されている動画>
はじめから波がある海で漕ぐのが不安な方は、池や湖などで練習してからチャレンジするとよいでしょう。
手漕ぎボートでの過ごし方
ボート上では常に重心を船の中心に置くように注意しましょう。
初心者の場合、いつのまにか船の端に体重をかけてしまったりしますが、そのときに波がくると、転覆する可能性があります。
同船する人がいる場合は、乗船前によく伝えておきましょう。
慣れないうちは、釣りに夢中になるにつれて次第に船べりに重心をかけることが多くなってきます。安全のためにお互いに気づいたら声掛けしながら楽しむことをオススメします。
特に2人乗りでふたりとも片舷に重心をかけているときは極めて危険です。
例えば、ボートが波に対して横向きになっている状態で、片舷で一人に魚がかかり、もう一人がタモ入れして傾いているとき沖から強い波がくると高確率で転覆します。
また、手漕ぎボートの安定性を過信しすぎて、立ち上がって釣りをしている人もしばしば転覆します。
筆者はこれまで数度手漕ぎボートで転覆した人を目撃したことがあります。明日は我が身とおもって気をつけましょう。
手漕ぎボートの荷物の積み方
手漕ぎボートは浮力がそれほど高くないため、以下の点に注意して荷物をつみましょう。
積み方によって、漕ぐときの水の抵抗をできるだけ少なくするのがポイントです
- できるだけ荷物はコンパクトにまとめる(複数人の場合でもクーラーボックスを一つにする)
- クーラーボックスや餌類(冷凍コマセなど重量があるもの)はトモ側(船尾側)にまとめる
- 船首側は軽めにする
- 漕ぐスペースは脚と手の動きを妨げないようにできるだけなにも置かない
手漕ぎボートの上って、トイレどうするの?
男性であればこのように手漕ぎボートでも用を足せるが・・・
女性の場合、ボート屋へ電話連絡をすると迎えにきてくれるところもありますが、男性の場合は有料だったりします。
ではトイレはどうするかというと、小さいバケツや手桶をボート屋さんで借りていって、しゃがんでそのなかに用を足し船の外に捨てるというのが一般的です。
立って用を足すと転覆の可能性が高まるので控えましょう。
大が出ないように、乗船前にトイレはしっかりすませておくのも基本です。
万が一の差し込みには、腸の異常蠕動をやらげる作用のあるストッパ下痢止めをもっておくと安心です。
手漕ぎボートが転覆しやすいタイミング
<手漕ぎボートが転覆しやすいタイミング>
- アンカーの上げ下げ
- 立ち上がって釣ること、小便すること
- 片舷に重心がよっている状態
- 近くを大型船が通った時
- 風波が強い
- 横波を受ける時
アンカーをうつ際は、できるかぎり根が荒くないところにうちましょう。はまると大変です。
筆者も以前三浦半島の小網代湾で根回りでカワハギ釣りをしているときに、アンカーがはまったことがあります。
強風が吹きはじめるタイミングで焦りました。
また、夏から秋の手漕ぎボート釣りの好ポイントでもあるイワシの畜養イケスには360°回転するロープ(1本)があります。
付近で釣りをするときは、ロープがどちらにあるか把握して近くで釣りをするときは十分気を付けましょう。
このロープは風向きによって向きが変わります。釣りはじめは問題ないと思っていても次第にロープの位置が変わっていて絡まることもあります。注意しておきましょう。
アンカーの上げ下げはバランスを崩しやすいので必ず座って行う
ロープにアンカーが絡んで、強風や高波にやられると転覆する可能性も高まります。
釣り人が落水しやすい条件
クーラーにこしかけると高確率で落水します
またボート自体が転覆まではしないものの、釣り人が落水しやすい条件があります。
<釣り人が落水しやすい条件>
- 二人乗り時
- 初心者を含むとき
- クーラーボックスの上に腰をかけている
転覆のときに挙げた条件に加えて、この3つが加わると、落水しやすくなります。
また、凪の時は油断しがちですが、油断大敵です。
手漕ぎボートに乗る相手の選び方
手漕ぎボートというのは、ときに人間のパーソナルスペースが重なるぐらいかなり狭い場所です。
この人とは仲良くできないなー、苦手かもという人間と乗るのは本当にきついので、一緒に乗るメンバーは何時間でもお互いに楽しくいられる信頼できる人にしましょう。
手漕ぎボート釣りで安全のために注意したい17のポイント
タックルのセッティングができたら出発地点でスタンバイ
たのしいボート釣りですが、注意したいポイントもたくさんあります。
初心者は覚えておきたいないようですし、ベテランほど慣れて忘れがちな点でもあります。
- ライフジャケットは常時着用し外さない(ボート屋には無料レンタルがあります)
- ボート屋から監視できないエリアまでは漕ぎ出さない
- アンカーがきかない深さへは行かない(ボート屋にもよるが大体水深20~30メートル程度)
- 漁船や定置網(旗やブイなどの目印)へは近寄らない
- 波や水の色に変化があるところには近づかない(水面下に岩礁がある可能性がある)
- 酒に酔った状態で乗船はしない
- ボート上では立ち上がらない
- 重心をボートの中心から移動しない
- 用を足すときは専用のバケツを利用する
- 強風、高波、落雷など海上の変化があった場合は速やかに沖上がりする
- 海上に設置してあるイケスブイなどの近くへのアンカーはさける。イワシイケスの場合は、1本の長いロープでイケスが固定されているので潮流や風向きに注意してアンカーが絡むことのないようにする
- 帰着場所を常に意識して釣りをする
- 無断で島や磯などに着岸しない(磯際は波が強く転覆する可能性が高い)
- 遊漁船との距離に注意する(転覆と衝突の危険性)
- 自力で対応できない問題が生じたときは、ボート店に電話して相談する
- 毒魚に注意する(オニカサゴの幼魚・ゴンズイ・アカエイ・ハオコゼ等)
- 餌屋道具がそろっているかは乗船前に必ず確認しておく
- ボート店のスタッフの指示には必ず従う
手漕ぎボート釣りでもエリアによって異なる釣りのルールに従う
釣りをするエリアによって定められたルール・取り決めがあります。
神奈川県の例:
- 全長20センチ以内の真鯛は再放流する
- サビキの針数は6本以内にする
- 撒き餌の使用量は1日1人あたりアミコマセで5キロ以内にする
- オキアミを撒き餌に使用しない
- コマセカゴは長さ14センチ以内、直径4.5センチ以内にする
このルールを守っていないからといって、摘発されるわけではありませんが、ルールを守って釣りをした方が楽しいと思います。
ボート店の店内にも掲示がありますので覚えておきましょう。
手漕ぎボート釣りの楽しさはチャレンジしてみないとわからない
まだ海の手漕ぎボート釣りにチャレンジしたことがない方も、大体のイメージがついたのではないでしょうか。
思い切って1度経験してみれば案外なれるものです。
気になっているボート釣り場を検索して、検索結果上位にあるボート店をチェックして予約してみましょう。
危険性もありますが、ライフジャケットを装備して慎重に行動すれば小学生ぐらいの子供連れでも大丈夫です。
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