例年6月~7月になると、関東甲信、東海、北陸、東北などが梅雨入りします。
雨によってジメジメして外に出かけるのが億劫になりますが、水温も20度を超え、魚たちは元気。
この時期活性があがったり美味しくなる魚もいるので、ぜひ雨対策をして釣りに出かけてみましょう。
今回は6月~7月の梅雨に海釣りで狙える魚を紹介します。
「マゴチ」は産卵シーズンへ。食いが悪くなる個体もでてくる
産卵期はマゴチの食い気が落ちる場面も多い
「照りごち」と呼ばれるように、真夏に盛期を迎えるマゴチですが、梅雨時にも船や堤防から狙うことができます。
関東であれば5月以降、順次産卵に入る個体がでてくるため、状況によっては釣りづらいこともあります。
一方、産卵に関連しない個体や産卵タイミングがずれている個体もいるため、6月~7月でも十分釣ることができます。
狙い方としては、一か所で粘らずポイントを広く回ると、積極的に捕食する個体に出会う確率が上がります。
<岸釣り>
水温が20℃を超えると浅場に餌となるシロギスやメゴチが多くなります。カミツキことイトヒキハゼもぶっこみ釣りのよい餌です。
<沖釣り>
▼釣り船やボートでのマゴチ釣り
▼ルアーを使ったマゴチ釣りのノウハウ
<マゴチ料理>
「マアジ」は産卵シーズンに一番脂がのっている
梅雨時のアジは抱卵個体が多い
マアジは、毎年5月から7月に産卵シーズンを迎えます(関東近海)。
この時期は特に脂乗りがよくなるため、食味としても最高です。
沖釣りではビシ仕掛けで、底付近のアジを終日釣ることができます。
岸釣りの場合は、良型のアジが回遊してくるのは朝夕のまずめ時もしくは夜間です。
あわせて岸からは満潮前後に釣りをするとよいでしょう。
時間帯を絞って釣行しましょう。
水温上昇とともに、活性も上がり、雨後には潮も濁るため比較的釣りやすいシーズンです。
<沖釣り>
<アジ料理>
「イサキ」は離島であれば夜釣りで岸釣りが面白い
伊豆諸島では堤防の夜釣りでイサキがよく釣れる
イサキは「梅雨イサキ」と呼ばれるように、初夏に産卵シーズンをむかえ、脂ものり身も厚くなります。
食べ方は刺身が一番。皮目が美味しいので炙り刺しもおすすめです。
関東では沖釣りで、伊豆諸島など離島では堤防からの夜釣りがおすすめです。
沖釣りの場合はアミコマセを撒き餌にしたウィリー仕掛けや、オキアミ餌が一般的。群れにあたると数が釣れるので追い食いを狙ってみましょう。
岸釣りの場合は、夜間に岸壁際に接岸してくるものを浮き釣りやサビキ釣りで狙います。
離島で釣れるイサキは30cm近い個体も多く、数が釣れるので楽しいターゲットです。
ある程度群れがよっていればコマセをまかなくても、オキアミの刺し餌だけでも釣ることができます。
ジグヘッドリグのライトソルトでも狙っても楽しいですよ。
<沖釣り>
▼イサキを数釣るためのノウハウ
<岸釣り>
▼梅雨時の伊豆大島の夜釣りでイサキを釣る話
「シロギス」は大型が狙える
シロギスは産卵行動に伴い、体力がある大型の個体から浅場に展開して餌をとります。
大型のキスほど盛夏までに釣れることがしばしばです。
実は真夏には小型のキスやメゴチが多くなるため、大型のキスが捕食するまえに、小型のキスが釣れやすくなってしまうのです。
シロギスは視覚的に餌を認識して食餌する傾向が強く、濁りが強いときには一時期的に餌を発見しづらくなり、アタリが遠のく魚です。
できるだけ底荒れせず、潮が澄んでいるときに狙うとよいでしょう。
<沖釣り>
<岸釣り>
「イシモチ」は雨後の濁りでよく釣れる
イシモチは水温が低い季節は濃い群れで、水深20~30mの砂泥底に固まっているので船釣りでまとまって釣れます。
夏場になり、水温があがると浅場に展開しはじめます。
このときは澄み潮より、水がやや濁っていたほうが盛んに餌をとります。
そのため、梅雨の雨後はイシモチ釣りにオススメのタイミングです。
6月から7月であれば、堤防や岸壁など水深10m以内でのちょい投げでも簡単に釣れます。
河口に近い湾内では、特に雨後の濁りが発生しやすく、あわせて餌が流下してくることも多く、イシモチが活発に活動していることも。
堤防釣りで入れ食いになることも珍しくありません。
ちなみに夜釣りでもよく釣れる魚です。
アオイソメをつかって、アナゴとあわせてぶっこみ釣りで狙ってみましょう。
<釣り方>
<イシモチ料理>
「梅雨アナゴ」は数釣りが可能
梅雨時のアナゴは「梅雨アナゴ」と呼ばれ、食味の点でも旬とされます。
大型の個体よりは、小型の個体が数釣れるシーズンで、おかっぱりのちょい投げ釣り等でも多くのアタリを出せます。
ビギナーにもオススメの釣り物といってもよいでしょう。
<釣り方>
タコのサイズも大きくなり、数釣りもできる
マダコの産卵シーズンは地域にもよりますが、9月を中心に、8月後半~10月です。
前年に生まれた個体が梅雨シーズンではひと潮ごと(約15日)に大きくなるといわれるぐらい急速に成長していきます。
そのため、7月以降はすこし大きくなったマダコを数釣りすることができます。
ビギナーでも比較的簡単に釣ることができるので、ぜひ狙ってみましょう。
<沖釣り>
<岸釣り>
※岸釣りの場合、マダコは共同漁業権の対象になっていることがほとんどです。釣行するエリアのルールをしっかり確認してから楽しみましょう。
大サバ(大型のマサバ・ゴマサバ)は梅雨以降回遊が増える
釣り人に「大サバ」と呼ばれるマサバやゴマサバの大型個体は、水温が上昇する5月以降釣れはじめ、梅雨時以降に回遊する個体数が増えてきます。
釣り方はショアジギングであれば、メタルジグやスピンテールジグの遠投がオススメ。
メタルマルの28gか40gのイワシカラーで遠投してみましょう。
回遊している場所、時間帯であれば釣果につながりやすいはずです。
餌釣りでは遠投カゴ釣りがオススメ。
沖合を回遊するので、ボート釣りや釣り船でもビシ仕掛けで狙いやすいターゲットです。
サビキ仕掛けで狙うこともできますが、仕掛けがめちゃくちゃになりがちなので、避けたほうがよいでしょう。
初夏が産卵シーズンにあたるため、抱卵する個体と、産卵後の個体がいます。
後者は痩せていますが、抱卵中の個体は適度に身が厚いのが特徴です。
ワカシ(ブリの幼魚)は岸から狙える手軽なターゲット
梅雨以降、ワカシと呼ばれるブリの幼魚が沿岸を回遊します。
黒潮に乗ったブリの幼魚が相模湾でよく釣れる傾向にあり、東京湾ではイナダサイズに育った個体群が秋以降、湾口から多く回遊してきます。
あまりサイズは大きくないですが、ライトタックルで狙うとそれなりに引きがあり面白い釣りもの。
40g程度までのメタルジグをつかったショアジギングや、弓角の釣りがオススメ。
イワシ(シラス)などのベイトを追ってサーフに接岸するので、釣り場の情報をチェックしておきましょう。
※ブリは都道府県別の漁業調整規則で捕獲できるサイズが決まっています。
まとめ
今回は6月から7月の梅雨時に海でよく釣れる魚を紹介しました。
船から釣りやすい魚、堤防などの岸から釣りやすい魚、離島でよく釣れる魚など、条件は異なります。
梅雨というと常に雨がふっていて、出かけるのが億劫になりがち。
一方、海の魚は元気いっぱいです。ぜひ雨対策をして釣りに出かけてみましょう。