はじめて釣り船に乗るときは誰もが不安に思いますよね。筆者もそうでした。
今回は「船釣り初心者」でも安心して楽しめるように、乗合船の利用方法と注意点をわかりやすく解説します!
釣り船の魅力とは
釣り船と呼ばれる遊漁船の釣りは、船長が釣れる可能性が高いポイントまで釣り客を案内してくれます。
そのため自分で釣り場・時間帯・釣り方を選ぶ岸釣りと違って、安定的に魚が釣れるのが特徴です。
- 魚が釣れる可能性
- 釣れる魚の種類や数
- 釣れる魚の平均サイズ
どれも岸釣りと比べればよいため、たくさん釣り人に愛されています。
昨今の岸釣りでは釣り禁止・立ち入り禁止や釣り方のルールと隣り合わせ。
実は釣り公園以外の釣り場は単に釣りが黙認されているだけの「グレーゾーン」でもあります。
岸釣りは知らず知らずのうちに、釣り場のルールに違反してしまいがち。
一方、船釣りであれば船長が海域のルールに則って業務を行うため、ルール違反の釣りをしてしまう可能性は低く、比較的ホワイトです。
昨今釣りブームが再熱し、釣り禁止場所も増えています。
そのため岸釣りシーンでは異常に混雑し、釣り場についても竿を出せないことがあります。
混雑時は釣り座の争い・謎にクロスキャストを繰り返す人の存在・オマツリの頻発など釣り客同士のトラブルにいたってしまうこともチラホラ。
船釣りでは席数が決まっているので、一定の余裕をもって釣りを楽しむことができます。
また釣り船はそれなりのコストをかける必要があり、船長や他の釣り客の眼もあるため、それほど「変な人(関わりたくない人)」が集まらないのも大きな魅力です。
釣り船の種類
釣り船は出船形態によって呼び名が異なります。まずは釣り船の種類を学んでいきましょう。
乗合(のりあい)
一番ポピュラーな釣り船が「乗合船」です。
乗合バスのような仕組みで、不特定多数の釣り人が同じ時間に集合し乗船、規定時間まで釣りをして一斉に帰港するタイプです。
ひとりでもグループでも乗船が可能です。
船宿によっては複数名での乗船に料金の割引を設けていることもあります。
釣り物は季節ごとに船宿の得意分野が決まっています。
定番の釣り物以外に、スポット船(スポット乗合)といって、そのときどきに釣れている魚を狙うこともあります。
<乗合船の特徴>
- 釣り座、釣り方、釣り物などに縛りがあり、自由度は少ない
- 1人からでも乗船できる(最低出船人数は2~3名程度に決まっていることが多い)
仕立(したて、チャーター)
仕立船はチャーターとも呼ばれ、貸し切り船を差します。
友人知人同士・仕事繋がりなど、一定の人数を募って船を貸し切ります。
不特定多数ではなく知り合い同士のため、ルールやマナーに問題がある釣り人が混ざることが少ないのでより安心です。
釣り物は基本的に乗合で出船しているものがほとんどですが、相談により乗合で出船していない釣り物を選べる場合もあります。
<仕立て船の特徴>
- 釣り座、釣り方、釣り物などにしばりが少なく、自由度が高い
- 最低人数(ミニマムチャージ)は決まっているが、仲間内で楽しむのにおすすめ
1日船・半日船(午前午後)・ショート船・夜釣り・遠征・リレー船の違い
釣り船は出船時間によって呼び名が変わります。
- 1日船:朝から昼過ぎまで8時間程度(例:7~15時頃)
- 半日船(午前午後):午前もしくは午後で4時間前後(例:7~11時00分頃or12時~16時頃)
- ショート船:朝から昼頃まで6時間程度釣る(例:7~13時頃)
- 夜釣り:夕方18時頃から22時ごろまで、3時間前後
- 遠征:目的地まで1時間以上かかる釣り(遠征コマセ五目、遠征五目、○○遠征)
- リレー船:午前や午後、午後と夜釣りなどをまたいで複数の船に乗ること。船の乗り換えで都度帰港する
※東京湾エリアの場合。その他エリアではさらに早朝出船や夜出船があります。
釣船(船宿)を予約する前のチェック項目
自分にあった釣り船(船宿)をみつけるためには下調べが重要です。
釣りたい釣り物、時間以外に、釣り船の評判を調べてみましょう。
船宿のSNSやブログ発信を確認して初心者への温度感をチェック!
釣り船の短期的集客は釣果できまります。
船宿は釣果や釣況をSNS(Facebook・Instagram・Twitter・LINE)やブログで発信しています。
- 初心者の取り扱われ方
- 言葉遣い
などなどソフト面をチェックしてみましょう。
「貸竿のみなさんが、はじめてでがんばってくれて〇本。ご乗船ありがとうございました!小学生のお子さんもあきらめずがんばってました!」
「今日は潮も良くなかったけど、貸竿多く釣果伸びず。スソは酔っちゃった方。。いくらいいトコ流したって、ちゃんと言うこときかないから釣れませんね。。。」
と、あれば、どっちの船宿に顧客視点があるか一目瞭然ですね。
Googleレビューで船宿の口コミをチェック!
多くの場合Googleレビューはもっとも効果的な船宿の口コミチェック方法です。
- レビューの点数
- 評価が高い順のコメント
- 評価が低い順のコメント
などを精査すると、船宿の特徴が見えてきます。
★4前後は比較的高い数値。2~3までは特に精査したい
レビューでは新規順、最高、最低を一通りチェック
「船長は初心者にやさしそうだけど、中乗りスタッフがダメそうだ」
「地上スタッフは高評価だけど、特定釣り物の船長と中乗りスタッフがダメそう」
「どうやら低い評価をしている人は例外的で、評価者にもだいぶ非もありそう」
などなど。端から端までチェックしましょう。
たとえば、どんな船宿にも「低評価」はあります。
それはもしかしてレビューをした人がただのクレーマー気質でなんらか問題がある場合もあるわけです。
また、過去に特定の船長やスタッフが著しく低レベルな対応をしていただけで、直近は退職しているのでまともという船宿もあります。
あなたが完璧でないのと同様に、誰に対してもパーフェクトな船宿はありません。
低評価と高評価の比率などをよく見て自分にあっているか判断しましょう。
ウェブサイトをチェックして質問事項をまとめよう!
船宿のサイトをチェックし、質問事項をまとめるのも大切です。
言葉の端々や説明の丁寧さから初心者に向いている船宿かわかるはずです。
簡単な釣り(魚種)からはじめよう!
船釣りは基本的にキャッチ&イート派が多いジャンルです。
そうなると、「美味しい高級魚を釣りたい」と誰もが思うわけですが、最初から難易度が高い釣りはとても後悔することになるので控えましょう。
船釣りにも慣れが必要で、初心者がやるべきでない釣りが明確にあります。
まずは以下のようなか、んたん釣り物を選びましょう。
- ライトアジ釣り(オモリ40号まで)
- コマセ五目釣り(アミエビを寄せエサで巻く釣り)
- カサゴ
- メバル
- シロギス
<初心者向きでない釣り物>
- コマセマダイ:タナを海面からとり、ビシをタナ下に落とさないルール、長ハリスの扱いが難易度高
- タチウオ:タナを海面からとり、ヒット時のオマツリをさけて、滞りなく巻きとるスキルが必要
- ヤリイカ/スルメイカ:仕掛けの複雑さと深場狙いのため。オマツリも頻発する
- ルアー釣り全般:ルアーの準備にコストがかかる
船宿予約サイトの「初心者歓迎」「丁寧に教えます」に注意
初心者のうちは船宿をポータルサイトから調べ予約することもあると思います。
予約サイトは船宿から受け取る広告費用で成り立っています。
「初心者歓迎」「丁寧に教えます」という文言は予約サイトの営業担当が考えた売り文句であることもしばしば。鵜呑みにするのはやめましょう。
また検索後、上位にある船宿の評判がいいというわけではなく「広告料」を支払っているため優先的に表示されているということもあります。
前述のGoogleレビューと合わせて検討するとよいでしょう。
船宿によっては予約サイト経由の予約も有難いものの、手数料を支払うことになります。
そのため、船宿直申し込みが一番うれしいのは間違いありません。
船宿の割引サービス等と併用ができないのが一般的なので、直申し込みとどちらが得か判断したほうがよいでしょう。
※船宿サイトにある記載もウェブ制作会社が作ったテンプレートのまま「初心者歓迎」「丁寧に教えます」であったりするので盲信しない
釣船の予約方法・ルール・注意点
真冬は乗船時に落水するリスクが高くなるので注意
釣り船の予約時に船宿に必ず伝えたいのは「はじめての船釣りです」という点です。恥ずかしがらずきちんと伝えましょう。
誰しもはじめは初心者なので問題ありません。
他に釣り物、日時、人数を伝えて予約しましょう。
あらかじめ質問点をまとめておき、予約時に必要な情報をヒアリングしておくのがおすすめです。
電話での予約
釣り船の予約ではもっともポピュラーな方法です。船宿直(女将・スタッフ・船長)、船長直携帯などがあります。
受付時間に注意が必要です。
船宿関係者は夜早めに就寝し、朝早くから活動しています。
夜遅くの連絡はNGです。極端な早朝連絡も控えましょう。
- 5時30分頃:朝から出船する船宿の場合はこの頃から電話がつながりやすくなります
- 20時ぐらいまで:夜20時以降は船長が就寝していることがあるので連絡を控えましょう。
その他、船宿ごとのルールを確認して迷惑にならないように連絡しましょう。
電話の応対態度で予約するか検討するのもよいですが、「船宿関係者は基本的にぶっきらぼうでせっかちな人が多い」ということを頭にいれておきましょう。
仕掛け類や釣り方の細かいところは地上スタッフはわからず、船長に直接聞いたほうがよいことがほとんどです。
※船宿ごとに予約受付終了時間が決まっています。翌日出船の場合、前日18時~20時頃には締め切る船宿がほとんどです。
ウェブフォームやメール
出典:庄治郎丸
電話受付が主要な釣り船業界ですが、ウェブフォーム(メール)での予約受付も増えてきました。
フォーム内の注意事項をよく確認して予約しましょう。
メール問い合わせを受け付けている船宿もありますが、基本的に「仕掛け」などの細かい質問などはスルーされてしまったり、レスポンスが遅くモヤモヤしてしまうことがほとんどです。
メールやチャット等で細かくサポートするようなマーケットではないと理解しておきましょう。
聞きたいことがある場合、電話連絡が無難です。
※メール受付の場合、予約の確定が「自動返信時」「スタッフによる確定返信時」の2種類です。あらかじめ確認しておきましょう。
予約なし・先着順
釣り船は雨でも出船するもの。雨天時はしっかりしたレインウェアが必要
船宿によっては予約なしの乗船を受け付けています。
この場合、電話やメールの予約は不要で、当日現地に到着次第早い者勝ちで乗船できます。
現地に到着したあとに、「席札をとり受付をする」か「クーラーボックスを店舗前か釣り座に置いてから受付」にわかれます。
予約なしスタイルをとる船宿では、到着時間次第で、せっかく現地にいったものの満船で乗船できなくなるリスクがあります。
また、最低出船人数(2~3名)が集まらず船がでない場合もあります。
あらかじめ理解しておきましょう。
※新型コロナウィルス禍において、どの船宿も人数制限をしているため、予約なしスタイルの船宿でもあらかじめ予約をうけるようになってきています。
キャンセル時のマナーや注意点
出船時は興奮するもの
予約するタイミングを考える
船釣りになれていない初心者の頃は穏やかな日を選んでから釣行しましょう。
<はじめてでも快適なのは凪>
- 晴天
- 風速5m前後(沖は陸上風速予報の2倍程度になります)
- 波高1m以下
昨今は天気予報の精度があがってきています。
予約タイミングは天気予報精度が上がってくる3日前を目安に行うのがおすすめです。
混雑するタイミングを避ける
休日・祝日・大型連休時はどの船宿も混雑します。
釣り慣れていない場合は、なるべく平日に釣行するとよいでしょう。
- 土日では日曜が比較的空いています(翌日仕事の人が多いため)
- 午前と午後では午前が比較的混みやすい傾向にあります(朝の方が釣れるという考えがある。夕飯に余裕をもって魚を処理して食べるため)
- 著しく釣果が上向いている釣り物は平日でも混みやすい傾向にあります
キャンセルする際
体調不良など、やむなく乗船予約をキャンセルする場合は、できるだけ早めに船宿に連絡しましょう。
連絡方法が「メール可」「電話のみ」なのかは船宿によって異なります。
船釣りは晴れていても海水をかぶるジャンルのため、雨でも問題なく出船します。
雨など天候悪化を理由にキャンセルすることは船宿サイドからあまりよい印象を持たれないと考えておきましょう。
雨が苦手な人は直前(予報を確認してから)予約を心がけましょう。
※船宿によってキャンセル費用を設定している場合もあります。予約前にチェックしましょう。
船酔い対策は万全に
一旦船酔いになると何もできないで終わることもしばしば・・・
大型客船と異なり、釣り船は不安定です。
揺れも複雑なため、普段乗り物酔いをしない人でも釣り船では、出船して5分で酔ってしまうこともあります。
筆者の経験値では「なんの対策もせずに乗船した人」の9割が船酔いしている印象です。
【釣り船での船酔い対策】
はじめての船釣りは対策しないと9割酔います。そんなときは
・目を閉じ背筋を伸ばして胃を圧迫しない
・力まず船の揺れに逆らわないように一緒にゆれる
・内関、外関(後述)のツボを強めに押し続ける
・トイレなどに移動して吐いてしまう
・吐けない場合は水を飲んで吐く pic.twitter.com/MA1r760B0d— ひらっさん♨ (@tsuyoshi_hirata) May 10, 2022
船酔いは対策可能です。
酔い止めの服用・食事・就寝時間等の対策で、酔わないで釣りを続けられます。
釣行前日からきちんと対策しましょう。
酔い止めはアネロン・ニスキャップ一択です。子供の場合はアネロン・キャップ(7歳未満服用不可)がおすすめです。
親が釣り慣れてから子供をつれていく
子供には悲しい思いをさせたくないのが親心
子供と一緒に船釣りをするケース場合、まず親だけで釣行しましょう。
親が釣り慣れてから子供と一緒に釣行すると安心です。
親子連れで慣れていない場合、なにかとトラブルになりがちです。
船長や中乗りスタッフが察してサポートしてくれる場面もありますが、やはり最後には子供の面倒は親が見るもの。
親子ともどもオマツリなどのトラブルがおきてしまうと、焦ってしまい、いつの間に子供に八つ当たりしてしまう人もよく見かけます。
楽しい釣りにするためには、ある程度親が釣り慣れてから、子供が安心して釣りができるように準備して臨みましょう。
はじめての船釣りは4月~10月頃が最適
船釣りをはじめてやる場合、悪天候をさけたほうがよいわけですが、季節も重要です。
船上は11月頃から次第に寒くなりはじめ、1月2月はよっぽどの釣り好きでないと耐えられる場所ではありません。
はじめての船釣りは気温が温かくなる4月頃から10月頃までにはじめるとよいでしょう。
ただし、6月~7月は梅雨、9月前後は台風で天気が安定しません。
予約時は天気をみてから行いましょう。
初めての釣りでは釣り具の準備は不要
釣り船の場合、すべての道具は船宿で調達できます。
基本的な釣り具はレンタルし、仕掛けは船宿で購入してしまいましょう。
魚を持ち帰る道具とお金だけあればばっちりです。
船釣りで必要な道具について解説していきます。
竿とリール(貸竿)
はじめに竿とリールは用意しなくてもOK
はじめての船釣りで竿とリールの準備は不要です。レンタル道具を借りましょう。
- 手巻きリールと竿:0~1,000円程度
- 電動リールと竿:1000~2,000円程度
道具のレンタル(貸竿と呼ばれる)と値段は事前に確認しておきましょう。
また、貸竿には限りがあるため、予約時にレンタルの有無を伝えなくてはいけない船宿もあります。
コマセカゴ・天秤・竿受け(キーパー)など
オキアミをつかったコマセ釣りの道具
初心者に適した釣りであるライトアジ釣りやコマセ五目(ウィリー五目)の釣りでは以下の道具を準備する必要があります。
- コマセカゴ(アンドンビシ):コマセを入れる容器、基本天秤とセットでレンタル可能(1,500~2,000円前後でロスト無で返金)
- 天秤:道糸とハリスの間に使用するステンレス線でできた道具。コマセカゴとセットでレンタル可能
- 竿受け(キーパー):ライトアジなどでは必須ではないが、あると便利な道具。置き竿が可能になる(船宿によって0~数百円)
これらの道具も、はじめは船宿からレンタルしてしまいましょう。
仕掛けや餌
シロギス釣りは胴突き1本針からやるとトラブルが激減
釣り慣れている人は仕掛けを量販店でより安価に購入したり自作するのですが、はじめは船宿で購入しましょう。
各釣り物に最適化された仕掛けが手に入るため、事前知識なく量販店で購入するものより釣果を出しやすくなります。
中途半端な知識で量販店で店舗スタッフに相談なく仕掛けを購入すると、実釣でまったくつかえないものを無駄に買ってしまうことになります。
- 針が大きかったり小さすぎ、エサや魚にあってない
- ハリスが太すぎる、細すぎる
- ハリスの長さがあっていない
などなど。
船釣りは同じ魚を狙う場合でも地域差・船宿により仕掛けが異なるものです。
アジ・シロギス・カサゴなどの仕掛けは1袋2組で200~250円程度で購入可能です。
釣行前日までの準備
各漁港の駐車場や駐車ルールは迷いやすいので注意
駐車場のチェック
車で釣行する場合、漁港(船宿)ごとに異なる駐車場のシステムを理解しておきましょう。
- 駐車場所と受付から乗船までの流れ
- 駐車場の広さ
- 料金の有無
以上を把握しておく必要があります。
基本的に都心に近いほど狭い駐車場も多くなります。
駐車スペースや構造によっては、接触事故も起こりやすく、しばしば当て逃げのリスクもあります。
運転になれていない場合は、多少高くても船宿ではなく近隣のコインパーキングに駐車したほうが安心です。
※漁港施設によっては前に駐車した釣り人が出庫しないと、外に出れないことも多い
※船宿駐車場では移動用にカギを預けるところもあり、無用な心配をしないで済むように車内を整理しておき貴重品は置かないようにしたい
当日のスケジュールをイメージしておく
当日朝から帰宅までのスケジュールをイメージしておきましょう。
船釣りは朝が早いため、比較的朝は時間通り到着しやすいのですが、自己渋滞などもあります。
余裕をもってスケジュールをつくっておくのがおすすめです。
車の場合は渋滞時の回避ルートをおさえておきましょう。
電車釣行の場合は、人身事故等で朝の集合時間に間に合わない可能性も出てきます。
その場合は、船宿に電話連絡して相談しましょう。
時間によっては出船時刻をやや遅らせてくれることもあります。
朝の時間が心配な場合は午後船から慣れていきましょう。
釣り方を予習しておく
勉強と同じで、どんな釣りでも、あらかじめウェブの記事やYouTubeで釣り方を予習しておきましょう。
まっさらよりは当日の飲み込みが速くなります。
体系的な知識の理解はウェブ記事で行い、具体的な釣り方はYouTubeの動画を見るのが一番です。
同じ船宿で同じ釣り物の動画も多くUPされているはずです。
流れや船長や中乗りスタッフのクセも事前に理解しておいた方が現場でのギャップが少なくなります。
また、最低限の結び方をしっておくと安心です。
▼シーガーのサイトがわかりやすく便利です。はじめはダブルクリンチノットだけ覚えておけばOK
出典:シーガー
※個人ブログやYouTubeの釣り方や道具解説については、説明されている知識が正しいとは限りません。鵜呑みにせず、複数の情報と照らし合わせて精度を高めましょう。
持ち物をチェックしよう
船釣りは持ち物が多く、なにかと忘れ物をしてしまいがちです。
忘れても何とかなるものとならないものがあります。
<はじめての船釣りチェックリスト>
- 釣具全般(船宿でレンタルor購入)
- 飲み物(夏場は1.5L~2L、それ以外は500ml)
- 雨具(荒天時の100均カッパは控えましょう。すぐにやぶけてびしょ濡れになります)
- クーラーボックスorクーラーバッグ(クーラーボックスがレンタルできる場合もあります。その場合はクーラーバッグでもOK)
- ジップロックL冷凍庫用複数枚
- ハサミ(糸を切る、魚のエラを切る)
- プライヤー(針を外す。あると便利)
- サングラス(夏場は必須。ハリから眼も保護できます)
- 日焼け止め(夏場は必須)
- ラッシュガード
- 帽子(夏場は必須)
- 長靴かサンダル(11月~5月までは海水温が低いため長靴がおすすめ。船宿によりレンタル可)
- タオル
- ウェットティッシュ
- 着替え(雨天時はあると快適)
- 食事(おにぎりやサンドイッチ類)
- お金(交通費+食事+乗船料+レンタル代+仕掛け代)
釣行当日の流れ(~乗船まで)
玄人もみんな最初は初心者だった(と思うと楽です)
当日の到着時間は出船1時間前がベスト
釣り船には集合時間と出船時間の2種類が決められています。
- 集合時間:受付を済ませる時間。受付終了時間と考えておいた方が安心
- 出船時間:出船する時間。時間前に予約人数が集まり次第出船ということもあるので注意
特に車の場合は特に到着時間に注意しましょう。
心配な場合は、前日に船宿近くまで移動しておくのも一つです。
基本的に出船1時間前には船宿に到着しておくと、焦ることもなく乗船できます。
乗船1時間前にアネロンを飲む
釣り船に乗りなれ、酔わない自信がある人以外は酔い止めのアネロンを飲んでおきましょう。
釣り慣れた人から「前夜寝る前に飲んでから翌朝起きてからと乗船前の3回飲むといいよ」「よく効くように2カプセル飲むといいよ」というような話を聞くかもしれません。
が、出船1時間前に1カプセル飲んでおけば問題ありません。
用法を守らないと、眠気が強くなったり、頭痛を感じるなど副作用が出る可能性が高まります。
受付と釣り座の決定
船宿の席札。釣り座の特徴は後述
受付スタッフに釣り物と名前を伝えて、乗船名簿を書き支払いを済まします。
船宿施設がある場合と、漁港施設の乗船場所で受付をする場合の2種類があります。
席の押さえ方は以下の2種類が一般的ですが、はじめての場合、スタッフに聞いて対応しましょう。
- 席札をとる
- クーラーボックスを指定場所(船上・店舗前・乗船場所前)におく
支払いは現金のみが大半ですが、クレジットカードやPayPay決済ができるところも増えてきました。
朝方の支払いは特にあわただしく、料金の計算間違いが起こることも。
金額はその場できちんと確認するとよいでしょう。
最初は胴の間(操舵室の横を選ぶ)の釣り座を選ぶ
荒天時は前の席ほど揺れる
船釣りで座る場所を「釣り座」と呼びます。
乗合船では、一旦乗船すると釣り座は勝手に移動しないのが暗黙のルールです。
はじめての船釣りでは、船長に「はじめてです」と申し出て、操舵室の横側(胴の間)に座りましょう。
釣り船で一番揺れが少なく船長の眼が届きやすいのが胴の間です。
氷をもらう・買う
季節・クーラーのグレードによって必要な氷量は異なる
船釣りでは氷が必須です。
魚を締めて保冷したり、夏場は食べ物や飲み物をなどを冷やすために使用します。
氷は乗船料に含まれる場合と別途購入する場合があります。
購入時は100~300円程度。
クーラーボックスに入れて保管するのですが、船宿や釣り物によって氷の種類が分かれます。
- ペットボトル氷:潮氷(氷海水)にするときに海水が薄まらないため魚の色が変わりづらい。海水の温度が冷えづらい
- クラッシュアイス:氷海水の温度を一気に冷やすことができるが、溶けやすい
- ブロックアイス(板氷):溶けにくく長持ちする。潮氷を作る際は砕いてから使う
レンタル品を借りる
電車釣行の場合、長靴はかさばるので借りてしまうのも一つ
乗船前には必要なレンタル品を借りましょう。
- 長靴
- カッパ
- 貸竿(リール)
- 天秤+コマセカゴ(ビシ)
- クーラーボックス
- 竿受け
船宿によってそれぞれのアイテムを借りるタイミングが異なるので受付時に確認しておきましょう。
貸竿のみ船上で受けとることがほとんど。
待合室や船上で出船を待つ
大きな船宿では船の乗り間違いに注意!
出船時間まで余裕がある場合、待合所もしくは船上で待つことになります。
船上で待つ場合、乗船する船が正しいのかスタッフに確認しておきましょう。
まれに間違った船に乗船して、出船してから途中で気づいてしまうということが本当に起きてしまいます。
同じ釣り物でも複数の船が出船する場合もあります。
乗船する船の確認は重要です。
指示があってから乗船する
乗船して出船を待つ場合も、船宿スタッフの指示があってから乗船しましょう。
雨の日や冬場はスリップしやすく落水のリスクもあります。
なるべく足場が平坦な胴の間(真ん中)付近から乗船するのがおすすめです。
両手に荷物をもって乗船しない
クーラーボックスと竿などを両手にもったまま乗船するとバランスを崩し転倒しがちです。
主に荷物などは一つずつ運ぶか、船宿スタッフや乗客に挨拶をして手伝ってもらうと安心です。
釣行当日の流れ(乗船~)
次に釣り船に乗船してからの流れを解説します。
朝一で両隣の釣り座の人と船長(中乗りスタッフ)に挨拶しておく
釣り座にすわったら両隣の人に挨拶をしておきましょう。
「おはようございます。初心者なので迷惑をかけるかもしれませんが、よろしくお願いします」と、謙虚に伝えておくのが大切です。
一度挨拶しておけば、だいたいの人は釣りの最中も「この人だいじょうぶかなー」と気にかけてくれることでしょう。
オマツリ(釣り糸が絡む)した場合も、深刻なトラブルになることも少なくなるはずです。
移動中は座席もしくは船室にいて立ち歩かない
船の移動中はかなり揺れます。風波が高いときは、立ち歩くと転倒したり、落水するリスクが高まります。
おとなしく座席で待つか船室に入っておきましょう。
新型コロナウィルス禍では、船室内でのマスク着用ルールを設けている船宿がほとんどです。
波の大きさや風向きによって、かなり海水をかぶることもあります。
あらかじめ船長からアナウンスがあるはずです。
素直に従い、船室(キャビン)や船尾などに移動することをおすすめします。
荷物が飛ばされないように注意
船の移動中は荷物が飛ばされがちです。
高速移動している際、一度落水した荷物は基本的に手元に戻らないとおもっておきましょう。
ビニールパッケージ入りの仕掛けなども、軽量なため飛ばされがちです。
帽子も飛ばないようにあご紐があるものを着用しましょう。
船長や中乗りスタッフの指示をよく聞き従う
わからないうちは早目に到着し釣り方レクチャーを必ず聞こう
船上では船長や中乗りスタッフからの指示があります。
よく聞いて、まずは従ってみましょう。
釣り方がわからない場合は、最初に聞いておきましょう。
「初心者」と申し出ておくと、出船前にレクチャーをしてくれる場合もあります。
- 指示棚(しじだな):タナは魚がいる層、仕掛けを送り込む高さを指します。指示棚を守って釣りをしましょう
- エサ付けをしっかりする:餌付けはとても重要で、アタリの有無・数・仕掛けのヨレにつながります。はじめはわかった気にならず船長に聞いておきましょう
- 釣り方の指示は守る:どの釣りでも基本的な釣り方があります。間違った釣り方のなかには魚を散らしてしまい他の釣り客の迷惑になるようなものもあります
釣れない時間が長びくまえに、釣り方をアドバイスしてもらう
釣果を上げやすい船釣りも、釣れないときは本当に釣れません。
まわりを観察してみましょう。
まわりのベテラン陣も釣れてないときは、仕方ないのですが、自分だけ釣れていないということも起きがちです。
船釣りでは、「釣れるようにするまでの考察」が醍醐味でもあります。
一方、はじめてのころは経験もないため、考えるだけ時間がもったいないということもしばしば。
まずは成功体験(アタリを作る、釣果を上げる)を学ぶため、釣れないときは船長に「どうしたら釣れるか、なにがダメなのか」を聞いてしまいましょう。
- 仕掛けを動かしすぎ
- 仕掛けを動かさなすぎ
- そもそもタナがずれてる
- 指示棚での待ち時間が短すぎ
- 指示棚での待ち時間が長すぎ
- 仕掛けの動かし方が違う
- 仕掛けに赤クラゲやゴミがついている
- 餌がついていない、くずれている
などなど、あなただけ釣れない理由を的確に教えてくれるはずです。
いつまでも釣れない人は、ここで変なこだわりをもってしまい、釣れないまま終わってしまうことも多いです。
釣り慣れていないときこそ、プロの話を聞いて試してみましょう。
投入や仕掛けの回収指示がブザーの場合がある
船宿によっては、仕掛けの投入や回収指示がブザーのみの場合があります。
- 主に玄人向けの船宿
- 単純にスピーカーが壊れている
- 船長が恥ずかしがり屋で話すのが苦手
だいたい、この3つに分けられます。
アナウンスがない船宿は初心者には適していないため、釣り慣れるまでは乗船を控えたほうがよいでしょう。
ちなみに「仕掛けの投入」はブザー1回(ブー♪)、「回収指示」はブザー2回(ブッ、ブー♪)であったりします。
船宿によってはこの回収指示を聞きもらすと、仕掛けの回収に遅れてしまい、そのまま勢いよく移動しはじめてしまうことも。
いずれにせよ、初心者にはむいていない船宿です。
わからないことはなんでも教えてもらう
「袖振り合うも多生の縁」ということわざがありますが、乗合船でも隣り合った釣り客とはなんらかの縁があるものなのかもしれません。
乗船時に挨拶をしておくと、釣況などについて「釣れませんねー」などとなんらか会話をすることもあることでしょう。
隣の釣り座のベテラン陣が話しやすそうであれば、迷惑にならない範囲で丁重に聞いてみるのも一つです。
釣り人はだいたい教えたがりなので、いろいろと教えてくれるはずです。
オマツリしたら無理に巻かないで声をかけて対応する
船釣りでつきものなのが「オマツリ」です。
潮・船の移動・魚の動きによって他人の仕掛けと自分の仕掛けが絡んでしまう現象を指します。
指定のオモリ号数や一般的な仕掛けであっても、乗船人数や潮の状況によってオマツリが頻発することがあります。
オマツリをすると、竿が急に重くなり引き込まれたり、軽くなったりします。
はじめのうちは、根がかりか大物でも釣れたのかと勘違いしてしまいがち。
オマツリは相手方も仕掛けを動かしていることが多いので、微妙に魚が引っ張っているように感じてしまったり。
- 竿が重くなる場合:他の釣り客の仕掛けやオモリをひっぱってしまっている状態
- 竿が軽くなる場合:他の釣り客があなたの仕掛けをあなたより上に巻き上げている状態
オマツリに気付いたら、「すみません、オマツリしています!」と宣言し、道糸の向きに注目しましょう。
- 道糸が船下側に突っ込んでいる場合:反対舷の誰かとオマツリしている
- 道糸が左右に引っ張られている場合:同じ舷の誰かとオマツリしている
反対舷の誰かとオマツリしている場合、遠慮せず大きな声で「すみませーん。オマツリしちゃってます」といい、しっかり伝えるのも大切です。
特に反対舷の場合、船長や中乗りスタッフに速やかに伝えると、トラブルが拡大しないですみます。
反対舷の誰かとオマツリしたことを伝えないで仕掛けを引っ張りっこしてしまうと、船底でPEラインがすれて高切れしてしまうこともあります。
船尾側の場合は船の舵(かじ)やスクリューに絡まってしまうことも。
オマツリした場合は、お互いの仕掛けのどちらかが海面に近いかによって対応を変えます。
- 自分の仕掛けがもうすぐ海面にくる(海面にある):自分側で外す(「すみませーん。こっちあがるんで、こちらで外します。糸ゆるめてもらえますかー!」)
- 自分の仕掛けはまだまだ下の方。オマツリ相手は回収しそう:相手側で外す(「すみませーん。こっちまだなんで、糸緩めますねー」)
なれないうちは、船長や中乗りスタッフの指示に従いましょう。
オマツリに気づかずガンガン巻き上げると、仕掛けの絡みがより深刻になりがちです。
隣り合ったオマツリであれば、隣の人と等速で巻き上げると軽度のオマツリで済むこともあります。
<オマツリでのNG行為>
- PEラインを勝手に切る(基本的にPEラインは最後まで切らないでおくものです)
- ハリスを勝手に切る(ハリスを切ったほうが復旧しやすい場合も、念のため「切りますねー」と了解を得ましょう)
- 無理に引っ張りっこする(高切れの原因になります。高切れは仕掛けにより1,000~3,000円程度の仕掛け損失につながります)
魚をバケツに入れっぱなしにしない
釣りあげた魚の扱い方は人それぞれの自由なのですが、より美味しく食べたいのであれば扱い方にも注意が必要です。
塩ビパイプなどで海水が流れる船でアジなどの小物を釣っている場合、一旦釣りあげた魚をバケツに泳がせておくのが一般的。
船の移動時などにクーラーに移していきましょう。
クーラー内にはクラッシュアイスで作った氷海水を魚がつかる程度入れておくと、うまく締められます。
氷だけの場合は片側しか冷えず、魚が暴れ続けて氷にぶつかり打撲状態になり傷みやすくなってしまいます。
釣行当日の流れ(釣行後)
釣り物・船宿によっては魚の処理を船長がやってくれることも
他の釣り客と船長に挨拶してから帰る
釣りが終了したら、最後に他の釣り客と船長に挨拶してから帰ることをおすすめします。
同じ船宿に通う場合、ちょっとした知り合いが増えるのも楽しみです。
船長も、都度コミュニケーションをとっていくことで、釣り方のコツや釣況についてキャッチアップしやすくなります。
よくある釣り船でのルール・マナー違反
悲しい高切れ。相手の時間を奪ったり、釣り具ロストを招かない努力をしたい
釣り船は不特定多数が集まり、それぞれが楽しく釣りをする場です。
独りよがりの釣りは他人の迷惑につながるため、ルールやマナーを守りましょう。
オモリの号数や道糸の号数を守らない
乗合船ではオマツリを軽減するため、オモリ号数や道糸(PEライン)の号数が指定されています。
自分で仕掛けを用意する場合は指示を守りましょう。
▼主要な釣り物のオモリ号数やPE号数(東京湾・相模湾)
人の仕掛け(道糸)と自分の道糸をかぶせる
潮に仕掛けが流れているときには、仕掛けが斜めに流れていく「ライン」ができます。
その延長線上に仕掛けを投入したり、クロスするようにすると、オマツリしやすくなります。
はじめてのうちは仕方ないのですが、隣の釣り人と同じ「ライン」に仕掛けを投入しないようにしましょう。
竿を隣の釣り座に傾けすぎる
釣り座の間隔が狭いときに、釣り竿を隣に傾けすぎると、他人の邪魔になることがあります。
なんらか傾けるとしても左右30度ぐらいをMAXとして、迷惑にならないように竿や仕掛けを扱いましょう。
勝手に違う釣りをする
たとえばライトアジの釣り(天秤仕掛け)でサビキ釣りをしたり、エサ釣りでルアー釣りを勝手にするなどはNGです。
他の釣り人と仕掛けの潮受け具合も変わるためオマツリしやすくなってしまいます。
釣り物にあった指定の釣り方で楽しみましょう。
たとえば、アジ釣りで泳がせ釣りをするなどは、船長に確認してから行いましょう。
船長の指示やスタッフの指示を守らない
船上では船長や中乗りスタッフから様々な指示があります。
指示をまもらないで釣りをするとオマツリや事故などのトラブルの原因になります。
素直に従いましょう。
ゴミ(吸い殻含む)を海に捨てる
ゴミや吸い殻を海に捨てると、潮下にすべて流れていきます。
海洋投棄自体が犯罪行為でもあるのですが、ゴミが流れてくる側で釣りをしている人からみてもとても不快な行為です。
喫煙はルールやマナーを守る
船宿ごとに乗船時の喫煙ルールは異なります。
- 喫煙は船尾のみOK
- 喫煙は釣り座で可能だが、まわりの了解を得る
- 釣り座で喫煙できるが、所定の灰皿を使用し、缶やペットボトルに吸い殻を入れない(指定ゴミとして廃棄ができなくなる行為)
喫煙する人にも「吸う自由」はありますが、吸わない人にも「吸わない自由」があります。
釣り船は木材に「FRP」と呼ばれるガラス繊維で補強された強化プラスチックで作られています。
火のついたタバコを船べりにおいておくと船が焦げてしまい、トラブルの原因になります。
風で飛ばされにくい使い捨て灰皿を使用するなどの配慮が必要です。
ライフジャケットを外して釣りをする(暑い・苦しいなど)
船上は比較的安定していますが、暑かったり、苦しいからといってライフジャケットを外したり、きちんと着用せず釣りをすることはやめましょう。
事故がなければそれでいいと思いきや、釣り船の場合、ライフジャケット非着用等で処罰を受けるのは船長ですので、迷惑がかかってしまいます。
▼はじめは船宿のライフジャケットをレンタルし、慣れてきたら、かさばらないタイプを用意するのがおすすめです。
泥酔する
船上での飲酒は禁止されていないことがほとんどです。
一方、泥酔してしまう人もいます。
喧嘩や事故のもとになるのでお酒は適度にしておきましょう。
自分はどうも思わなくても、まわりからはドン引かれています。
▼その他釣り船のルールやマナー
船宿をリピートするかしないか決めよう
釣り人も色々、船宿も色々です。
釣りを終えてみて、自分にあっていない船宿だったら、次回は別の船宿を試してみましょう。
ある程度通うと自分の好みなどが分かってきます。
価格やポイント還元等を重視し、毎回予約ポータルサイトなどで新規に通うのもよいと思います。
一方、特定の船宿に通うことで見えてくるものもあります。
操船のクセ、ポイントの特徴など、通うことで平均釣果も上がっていくはずです。
船釣りでよくあるトラブルと対処法
トイレはきれいに使おう
船長やスタッフの態度が悪すぎてテンションが下がる
よくあるのが、「釣り船の船長やその他スタッフの態度が酷すぎた。もうこりごり」という話です。
釣り船はサービス業であり「第三次産業」にあたります。
事業の成り立ちとして「一次産業」である漁業者が「不採算のため漁業をやめて、遊漁船業に切り替えた」という形が多いため、未だに「客商売」と思っていないところもあります。
「せっかち」「愛想が悪い」「挨拶ができない」「丁寧語でコミュニケーションできない」「言葉が謎に強い」などは、よくある話です。
これらは「釣り船で遊ぶときの前提条件」ととらえておくとよいでしょう。
最近では「サービス業としての視点と、釣り客の命を守る立場」のバランスをうまく保っている船宿も多くなってきています。
【悲報】乗船予約ができてなかった件
ちゃんと予約をしたのに、船宿についたら「予約できていなかった」というのもよくある話です。
- 電話予約したが、名簿に記載され忘れている
- メール予約したが、メールを見逃している
などなど、事務連絡ミスが主たる原因です。
空きがあれば乗船できるわけですが、満船が予想される週末など心配な場合は、前日の夕方18時頃に出船の有無確認などを兼ねて予約の電話確認をしておくのもよいでしょう。
え?自分の席に人が座っているんだけど!
席札をとったものの、自分の席に違う釣り人が「フツーに座って準備している」ことがあります。
- 自分が席を間違えている(同じ釣り物で船が違う)
- 相手が席を間違えている
- 席札とは関係なく常連向けに席が確保されている暗黙の了解がある
だいたいこの3つです。
船宿によって釣り座の番号順は異なるので、きちんと確認しておきましょう。
3もよくある話なのですが、あんまり争っても仕方ないので、「あ、そうなんですねー!」というのが大人の対応です。
タバコの煙が流れてきて気持ち悪い
船釣りはまだまだ喫煙文化が盛んです。
とはいっても片舷10人釣り客がいると、2~3名が喫煙者であるという比率なので一般的な社会構成と同じです。
ですが、隣の釣り客や風上風下に関係なく喫煙する人がいるのが当たり前の世界なので、気になってしまうかもしれません。
スパンカー(船尾の帆)を広げると、船首側が風上になります。
船尾に行くほど被害を受けやすいので、船首側の席を選ぶか、喫煙ルールがきちんと設定されている船宿を選ぶとよいでしょう。
チェーンスモーカーの風下は船酔いの原因にもなります。
釣りが続行できないほどひどい場合は責任者である船長に相談してみましょう。
トイレに行きづらい
特に女性は気になるところかもしれません。
釣り船には設備の優劣はありますが、トイレが設置されています。
揺れる船内で用を足すのは慣れないと難しいので、できれば出船前に済ませ、お茶など利尿作用が高い飲み物は避けるのがおすすめです。
また釣り座(前か後ろ)によっては男性用小便器の真ん前になることも。
女性の場合は場所を考えたほうがよさそうです。
席札をとった場合も、船長に相談すれば、交換してもらえることもあります。
なんと、出船後5分で船に酔って釣りにならない
きちんと船酔い対策をしたつもりながら、出船して早々、酔って釣りにならないこともあるかもしれません。
そんなときは以下の対応がおすすめです。
- 釣りをやめて目を閉じ、背筋を伸ばして胃を圧迫しないようにする
- 力まず船の揺れに逆らわないように一緒にゆれる
- 内関、外関(後述)のツボを強めに押し続ける
- 吐き気が酷い場合は、トイレなどに移動して吐いてしまう
- 吐けない場合は水を飲んで吐く
【決定版】電車で酔う人間が酔わなくなった!釣り船で酔わない21のコツと酔った後の対策を解説
出典:エスエス製薬
寒すぎて(暑すぎて)釣りができない
海上は釣り座にいるかぎり風を遮るものがなく、雨も容赦なく降り注ぎます。
夏場は容赦ない紫外線にさらされるものです。
寒すぎる・暑すぎるということが、当たり前の世界です。
天気も変わりやすく、天気予報で晴れや曇りだったのに、急に雨が降るということもあります。
以下の点に気を付けておきましょう。
- 秋から夏までは厚着で脱ぎ着できるような服装にしておく
- 晴れや曇り予報でもレインウェアを持参する
- 夏場は紫外線対策をきちんとし、スポーツドリンクなどを多めに持参する
オマツリが連発してしまい隣の釣り客と険悪に
釣り客の人数、釣り物、潮の流れ、船の流し方によって異なりますが、はじめてのうちはしばしばオマツリに見舞われます。
オマツリが連発すると、釣りができない時間が増え、仕掛けのロストも重なるわけです。
釣り人にも色んな人がいるので、中には本気で怒ってしまう人もいます。
隣の釣り人と険悪にならないためには、朝のうちに挨拶をしておくとよいでしょう。
「おはようございます。はじめてなんでご迷惑をおかけすることもあるかもしれませんが、どうぞよろしくお願いします」
これ、重要です。
また、慣れないうちにオマツリをするのは当たり前なのですが、当たり前という態度を出さず、「すみません」「ごめんなさい」をきちんと伝えましょう。
船長や中乗りスタッフにひどく怒られる
船長や中乗りスタッフにもいろんなひとがいるので、あまり気分がよいコミュニケーションをとれない場合があります。
時に怒鳴られたりということもあるかもしれません。
説明や注意点を聞いて守って釣りをするのは大前提なのですが、あまりにも理不尽だなーと感じた場合は、違う船宿をためしてみましょう。
魚がぜんぜん釣れない・釣り方が分からないまま終わる
船釣りでは、高いお金を払ってもまったく魚が釣れないで終わってしまうこともあります。
所謂「ボウズ=坊主=出家=オデコ」というやつです。
どうしても釣れないことはあるのですが、時間に余裕があるうちに、釣り方はきちんと腹落ちして理解できているか考えてみましょう。
特に「まわりではみんな釣れているのに自分だけ釣れていない」という場合、なんらか自分に問題があるわけです。
釣り方についても、わからないまま終わってしまうと時間も無駄です。
釣れないときは、いさぎよく船長や中乗りスタッフに相談してみましょう。
その他船釣り基本知識
船釣りで覚えておきたい基本知識を紹介します。
釣り物について
船釣りでは「釣り物」という言葉がよく使われます。
「対象魚+釣り方」を指す専門用語です。
同じ魚でも釣り方が変われば「釣り物」も変わると覚えておきましょう。
例:マダイを釣る場合
- タイラバ:タイラバというルアーをつかって真鯛を狙う
- 一つテンヤマダイ:一つテンヤにエビ餌をつけて真鯛を狙う
- コマセマダイ:オキアミコマセにオキアミのつけエサで真鯛を狙う
- タイサビキ(五目):タイサビキで真鯛をはじめとした五目釣り
釣り座の呼び方と特徴
釣り船での座席を「釣り座」と呼びます。乗合の釣り座は仲間内でも移動しないのが暗黙のルールです。
釣り座ごとのメリット・デメリットを紹介します。
- ミヨシ:船首側:足場が安定せず、揺れやすいが、状況により潮下(潮先)になるため釣果を上げやすい。比較的広めにスペースをつかえる
- トモ:船尾側:揺れにくい。排ガスや喫煙者の影響を受けやすい。状況により潮下(潮先)になるため釣果を上げやすい。比較的広めにスペースをつかえる
- 舳先(通称お立ち台):船首側の1段あがったエリアで、キャストを伴う釣りでは特に広く探れるため有利。餌とルアーが混ざる船ではルアー席となりやすい
- 胴の間:船の真ん中付近。操舵室の脇あたり。一番揺れづらく、潮の変動に対しても極端に不利な釣果になりづらい
中乗り(上乗り)スタッフの存在
船宿によっては混雑時、船長以外のスタッフが乗船します。
これを中乗り「上乗り」と言います。
役目は以下の通り。
- 釣り客に釣りをレクチャーする
- 釣り客同士のオマツリを解く
- タモ入れのアシストをする
- 釣り座まわりの片付けをする
- 周囲の船舶等の監視をする
- 錨を下す
- スパンカーを広げたりたたむ
また、釣り客へのサポートとは全く関係ないのですが、集客上重要な「船宿の最大釣果」を上げるという目的も担っている場合もあります。
一概にすべてのスタッフが釣り客に寄り添いアシストしてくれるとは限りません。
サポート目的で乗船しているものの、自分の釣りに夢中になりすぎてしまうスタッフもよくいます。
まとめ
はじめての釣り船は不安ですが、慣れてしまうと楽しいもの。
今回は乗合船の利用方法と注意点をわかりやすく解説しました。
いろんな船釣りをやってきて感じるのは、釣り船は「ハードよりソフト面が重要」という点です。
自分にあった船宿はどこかにあるので、懲りずにいろいろと通ってみましょう。
【はじめての船釣り体験】釣りメディア編集長が親切丁寧に教えます
初めての釣りにおすすめの釣り物
東京湾では、ライトアジの釣りが一番おすすめです。
ライトアジで釣り慣れることにより以下のスキルが身につきます。
- タックルの基本的な扱い方
- タナの理解
- 魚の扱い方
その後、タチウオを経験することで中層でのタナとりを理解できるようになるので、釣りの幅が広がるはずです。
関連記事
▼はじめての船釣りに役立つノウハウ記事