サビキ釣りなどファミリーフィッシングで人気の釣り物イワシ。
今回は東京湾と相模湾東部(東京・神奈川)の岸釣りでイワシがよく釣れる釣り場を紹介します。
イワシについての基礎知識
ウルメイワシ@三崎港・花暮岸壁
「イワシ」は日本全国を回遊する魚です。
東京・神奈川で釣れるイワシはカタクチイワシ(10~15㎝程度)が一番多く、ウルメイワシとマイワシ(15~20㎝程度)も混じることがあります。
他にトウゴロウイワシ(ボラの仲間)も釣れます。
イワシ釣りは難易度が低く、家族連れの対象として大人気。
大きな群れが岸壁近くを回遊しているときであれば、はじめてでも簡単に1人100尾程度は釣れる魚です。
もともとイワシ類は、冬場水温が下がると浅場から姿を消すものでしたが、近年は水温が比較的温かなエリアに周年とどまることも確認されています。
これらを釣り人は「イワシの越冬地」と呼んだりします。
<イワシの越冬地の例>
- 火力発電所等の温排水周り
- 外洋に近く水深がある湾内
一方、より多くの群れが沿岸部に入ってくるのは平均水温が上がる5月頃からと考えておくとよいでしょう。
5月頃から11月頃までは、岸壁近くにイワシが多くいるのでサビキ釣りなどに最適です。
マイワシ(江の島水揚げ)
カタクチイワシ
トウゴロウイワシ。鱗が大きいが唐揚げで美味
若洲海浜公園
若洲海浜公園周辺はアジや小鯖に加えてイワシ類もよく釣れています。
海釣施設は営業情報をよくチェックして釣行しましょう。
<関連情報>
浮島つり園
浮島つり園は多摩川河口にある釣り場
※2019年の台風被害で閉園中。
川崎市の浮島つり園は、24時間釣りができる釣り場です。
周辺に釣具店・釣り餌店がないのでしっかり準備しておく必要があります。
河口部に位置するため、満潮前後に釣行することをおすすめします。
全体的な魚の量では、より潮通しがよい東扇島西公園のほうが期待が持てる釣り場です。
<関連情報>
東扇島西公園
先端部はなかなか確保できない
川崎市の東扇島西公園は、24時間釣りができる貴重な釣り場です。
イワシは日中でも釣れますが、釣り場がかなり混雑するため、釣り座を確保するのが難しい場所でもあります。
釣れたイワシを泳がせることで、スズキを狙うこともできます。
基本的に潮通しがよい先端部(川崎新堤側)に近いほど有利です。
<関連情報>
▼餌や仕掛けは公園入口にある勇竿釣具店の出張所が便利。釣況などはTwitterをフォローしておきましょう。
ふれーゆ裏
ふれーゆ裏の岸壁
横浜市鶴見区にある横浜市高齢者保養研修施設「ふれーゆ」の裏にある護岸を「ふれーゆ裏」と呼びます。
こちらも24時間釣りをすることができます。
アジと異なりイワシは日中でも釣れます。
朝夕のまずめや夜間になると、アジがよく釣れるので合わせて狙ってみるとよいでしょう。
<関連情報>
横浜市の海づり施設(大黒・本牧・磯子)
大黒海づり公園の赤灯
横浜市にある3つの海釣り施設は、どれもイワシがよく釣れる釣り場です。
周年コマセが多くまかれるため、イワシは周辺にとどまっています。
施設ごとに釣果が公開されているので、イワシがよく釣れている施設をチェックして釣行しましょう。
磯子海づり施設は一番湾奥に位置しますが、火力発電所の温排水の影響により冬場でもイワシが多く回遊することがあります。
レンタル道具もあるので、手ぶら釣行も可能です。
<関連情報>
みなとみらいエリア(横浜港)
観光地として人気の「横浜みなとみらい」エリアにもイワシは多く回遊しています。
注意したいのは、どのポイントも釣り場として整備されたものではなく、観光地における遊歩道であるという点です。
釣りをする際は常に周囲に気をつけ、現地管理者のルールに従いましょう。
ゴミの持ち帰りも勿論必須です!
投げ釣りやルアー釣りは禁止なので、長竿をつかってのサビキ釣りがおすすめ。
<ポイントの例>
▼比較的赤レンガパーク付近が人気
- 臨港パーク
- 新港パーク(カップヌードルミュージアム裏)
- 赤レンガパーク(赤レンガ倉庫裏)
- 象の鼻防波堤
- 山下公園付近
<注意事項>
- ルアー、投げ釣り禁止
- 周囲確認は毎度行う
- ゴミの持ち帰りと周囲の清掃。特にコマセ類
根岸湾(磯子周辺)
磯子海づり施設周辺は根岸湾と呼ばれるのですが、釣り公園以外でもイワシを狙うことができます。
湾内の奥まったところまでイワシの回遊はありますが、潮位が低いときには魚が沖へ出ていく印象です。
満潮前後の潮位が高い時間帯を中心に釣行しましょう。
足元のサビキ釣りで釣れない場合、遠投カゴサビキ釣りをするのも一つです。
金沢八景エリア(金沢水際線緑地・八景島対岸・八景島駅下・野島公園駅下)
金沢水際線緑地(旧福浦岸壁)や八景島対岸・シーサイドライン八景島駅下・野島駅下は、夕まずめから朝まずめにかけてイワシが狙えます。
朝夕のまずめ時に満潮が重なると、沖合から居つきのアジも回遊します。
うみかぜ公園・隣接護岸(横須賀)
うみかぜ公園は横須賀市にある多目的公園施設です。
同公園や公園に隣接する護岸周りは周年コマセがきいているため、イワシ・アジ・サバの寄りがよい釣り場です。
イワシのみであれば足元のサビキ釣りで十分ですが、アジやサバを合わせて狙う場合、遠投カゴ釣りやカゴサビキが有利です。
かなり混みあう釣り場です。オマツリ等のトラブルに注意しましょう。
5月以降、秋までは大サバの回遊も増えてくるので、仕掛けは3号をつかうのがオススメです。
夜間はタチウオも多く釣れます。
<関連情報>
※台風関連の規制により土日祝は釣りができません。その他営業情報は公式サイトを確認ください。
海辺つり公園(横須賀)
海辺つり公園は、うみかぜ公園の近くになる釣りに特化した公園です。
イワシも多く釣れます。
開園時間は、午前5時から午後10時まで。イワシは日中でも釣れます。
アジも狙いたい場合、とくに、公園中央から奥がおすすめ。
<関連情報>
大津港新堤防(横須賀)
大津港内は釣り禁止
横須賀の大津港外側にある堤防施設を釣り人は大津港新堤防と呼びます。
海辺つり公園が閉園している時間帯(夜22時~朝方まで)に、三春町岸壁でイワシを狙う人も多いです。
堤防突端部は侵入禁止なので注意しましょう。大津港内も釣り禁止です。
※旧三春町岸壁部分は遊歩道になり、釣りができなくなりました。
三崎港(花暮岸壁・冷蔵庫前・北条湾等)
三崎港(花暮岸壁・冷蔵庫前・北条湾等)はイワシが周年狙える釣り場です。
大型船が停泊することもあり、岸壁際から水深があり潮通しもよいのが特徴。
北条湾側は冬場でもカタクチイワシ・マイワシ・ウルメイワシが溜まりやすく、シーバスがボイルしている姿もよく見られます。
立ち入り禁止・釣り禁止エリアがあるので注意が必要です。
<関連情報>
城ヶ島(城ヶ島岸壁)
城ヶ島は北側が岸壁で堤防釣りが楽しめ、夏から秋にかけてイワシがよく釣れます。
<堤防釣りチェックポイント>
- 釣れる度○
- 足場が良い○
- 転落防止柵がある×
- レジャーに適した周辺施設の充実度△
- トイレや水場の存在〇
- 釣り具のレンタル×
- 夜釣り〇
- 駐車場〇
- 公共交通機関での通いやすさ△
江ノ島湘南大堤防
冬場は比較的空いている湘南大堤防
江ノ島の湘南大堤防は夏場を中心に、大量のイワシ類が回遊する釣り場として有名です。
ただし、かなり混雑します。
大きな群れが入っているときにサビキ釣りをすれば、だれでも100尾程度は釣りあげることができます。
また、イワシを追って、カマスの群れも入ってくることがあります。
メタルジグ・スピンテールジグ・ジグヘッド&ワームなどをキャストするのも一つですが、毎投周囲の確認をしましょう。
<関連情報>
片瀬漁港
片瀬漁港(港内は釣り禁止)
江ノ島と隣接する片瀬漁港も夏場を中心にイワシがよく釣れる釣り場です。
片瀬漁港付近は釣り禁止場所も明確に決められているのでルールを守りましょう。
<釣りができる場所>
- 西堤防(白灯台のある遊歩道)先端手前の釣りエリア(外向き)
- 境川河口部
腰越漁港
「腰越漁港」は釣果はあげにくいのですが、近隣の釣り場より人が少なく、ファミリーフィッシングを楽しみたいという目的に最適。
サビキでのイワシ・小鯖は十分釣れます。
▼腰越漁港の詳しい釣り場解説記事はこちら(釣行前に要チェック)
平塚新港(ひらつかタマ三郎漁港)
平塚新港もイワシがよく釣れる釣り場です。
立ち入り禁止エリア・釣り禁止エリアが設けられているので注意しましょう。
漁業者や遊漁船優先。作業を邪魔せず、船の出入りに注意すること
出典:平塚市
<関連情報>
大磯港
大磯港中央堤防
大磯港は中央堤防を中心にイワシや小鯖がかなり釣れる釣り場です。
中央堤防では港出口に近い角部分が一番人気。
サビキ釣りではできるだけ長い竿をつかうと釣果が上がります。
沖に伸びる西堤防はさらによい場所なのですが、釣りの種類が制限されています。ルールに注意しましょう。
(釣りの利用)
利用者は、西防波堤の「釣り場」において釣りを行うときは、次に掲げる事項を守
らなければならない。
(1) 釣糸による方法以外の方法で水産動植物を採捕してはならない。
(2) 投げ釣りをしてはならない。
(3) まきえさ、コマセを使用してはならない。
(4) ルアー及び掛針で釣りを行ってはならない。
(5) 「釣り場」以外の所で釣り(投げ釣りを含むすべての釣り)をしてはならない。
(6) 消波ブロックに登って釣りをしてはならない。
(7) 釣竿や荷物等を長時間放置してはならない。
(8) 船舶の航行に支障となる行為をしてはならない。
出典:大磯町
<関連情報>
- 湘南大磯すずき釣具店(夜間は虫エサの自販機もあり)
江之浦漁港★★★★
江之浦漁港は毎年夏から秋にかけてイワシ類の群れが多く入ります。
港内の手前の船着き場が釣りやすいのですが、浅いため、日中は魚がぬけることあります。
その場合、1段高い先端部に近いで狙いましょう。
朝夕のまずめ時には港内の奥まったところまでイワシが入ってきます。
イワシは日中でも釣れるが朝夕に時合がある
イワシは朝夕にこだわらなくても釣れる。が、朝夕の回遊は多い
イワシはアジと違って朝夕のまずめ時以外でも釣れます。
釣り場によって潮位が低いと群れが抜けるところもあるので注意しましょう。
つり公園や有名釣り場の場合、釣り施設の受託管理者や近隣の釣具店が釣果を毎日のように発信しています。
イワシも回遊していないときには全く釣れませんので、釣況がよい状況をきちんとチェックしてから釣行するとよいでしょう。
イワシの数釣りは長竿にトリックサビキ・パニックサビキがおすすめ
イワシは警戒心がそれほど高くはないのですが、潮が澄んでいるときにあまり大きな針やハリスをつかっていると見切られることもあります。
そんなときは、サビキ釣りでも、4~5m程度の磯竿を使いましょう。
明らかにほかの釣り人より釣果があがったりします。
また、仕掛けは小型のハリ&ハリスのトリックサビキ仕掛けやパニックサビキがおすすめです。
特にパニックサビキは、タナの合わせ方が雑でも一度に5尾以上釣れるので、数釣りに有利。
コマセなしでもイワシが釣れるので、コマセが禁止されている場所でも重宝します。
細仕掛けなので絡みやすいため、1人5~6個持参すると安心です。
小鯖が回遊しているときや、隣の釣り座が近い場合などはオマツリで消耗しがなので注意しましょう。
▼イワシのサビキつりに最強のパニック仕掛け
まとめ
大量のウルメイワシ・一部マイワシ(茅ケ崎)
今回は、東京・神奈川(東京湾・相模湾東部)で岸から「イワシ」が多く回遊する釣り場を紹介しました。
- シーズン(ほぼ周年化。特に5月から11月ごろ)
- 回遊の有無(釣具店等や釣り公園公式SNS等で釣果情報をチェック)
- 時間帯(朝夕のまずめは岸壁周りでの回遊が増える)
- 潮の動き(湾内など奥まったところは満潮前後に釣行)
- サビキでは長竿
- トリックサビキかパニック仕掛けを使う
以上、6つのポイントを押さえておけば、きっと高確率でアジを釣ることができるはずです。
サビキ仕掛けは釣り場に残すと、特に野生生物に絡んで被害をもたらします。
ポイ捨ては不法投棄。厳禁です。
また釣り場に残ったコマセは必ず洗い流してから帰宅しましょう。
水汲みバケツやブラシ類必携です。
関連アイテム
▼イワシのサビキ釣り参考タックル
▼その他関連道具